ごめんなさい遅れました。
神回再び。
劉鵬黒獅子戦は、どうしても僕がやりたかった組み合わせです。
他にやりたい組み合わせで紫炎vs麗羅もあったけど、
原作になさすぎるということでやめた。
(項羽の死のドラマがややこしくなるしね)
劉鵬vs黒獅子は、
「ジャンプの予告で実際にあったけど、嘘だった」
という、当時の読者が知るネタを、
再現したいと僕は思っていたのです。
そういう意味では原作準拠。……?
パワー対決って、車田原作には、たぶんないでしょうね。
「パワータイプはかませ」ということに、
聖闘士星矢以来常識になってしまった感がある。
しかも原作劉鵬といえば、
「動くな劉鵬!」とのろま扱いされているキャラクター。
これにドラマを与えたいと、僕は思っていたのです。
劉鵬のモデルは伴宙太。
リーダーの竜魔の腹心であり女房役。
父親役の竜魔(決断、決定)に対して、
劉鵬は母親役(メンバーへの目配り)の感じです。
なので、四話あたりで、掃除洗濯の管理を劉鵬がやってた感じ。
たぶん飯をつくるのもうまいんじゃないだろうか。
(でも自分基準で飯をつくるため、劉鵬の飯はいつも多めなのだ)
最初のアイデアは相撲部でした。
「どす恋」という、
女相撲部の子に劉鵬が惚れられるラブコメ。
パン一斤口にくわえて遅刻遅刻〜と走っていたら、
劉鵬にぶつかるパターンから入っていました。
でも柔道に路線変更したので、
黒獅子との熱い(?)ライバル話になりました。
良子ちゃんにその面影が若干残っています。
忍びが守らなければならない、
ふつうの人々のふつうの生活とはなにか。
それが今回のテーマです。
小次郎は、色々な先輩から、違う形の「忍びとは」を学ぶ。
そういう構成になっています。
このドラマの前半戦は、つねに、
小次郎に「忍びとはなにか」という答えが、
先輩たちから与えられます。
それはどれも真実であるし、
小次郎は、どれでもないと考えます。
だからこそ、自分なりの答えを出さなければならないのです。
「自分とはなにか」について、
先輩たちは答えを持っている。
じゃあ、小次郎なりの忍びとは。
そういう全体の構成です。
3話から7話にかけて、中盤の前半戦は、
そういう話を丹念に描く。
そのようなドラマとして、原作風魔を再構成しています。
まあ、でも、あとは真面目なことは一個も無くて、
市野ギャグのてんこ盛りですよ。
さすがですわ。
食卓コントからはじまって、
白帯くんから微妙空気の歓迎会、
神社で黒獅子と出会ってしまう。
「うまくやってるか」「そっちこそ」というのは、
なかなか好きな台詞。
うまくやれていない黒獅子が、容易に想像できますね。
岩持ち上げは、
原作のバトル順を変えてしまったことによる、
原作再現でしょうか。
これを風林火山でまっぷたつに割ると、
芯材につかった蜂の巣がでてきます。
しかし鉄砲水とはめちゃくちゃな理由をつけるなあ。
絵が撮れないことを言い訳にして、
口で言うのはなんとでもできるという演出は、
なかなか勉強になります。
それでも二人だけで試合はやる、というのはなかなか熱い展開。
柔道バトルはなかなか面白かったですな。
飛びつき腕十字とか、相当格闘技的に凝ってるアクションだなあ。
劉鵬の行かなかった打ち上げが、
せつないですね。
小次郎は、ふつうの人の青春を知った。
でもそれは特別なことじゃなくて、
ごくふつうのことだと知る。
忍びには青春はないのか。
いや、今、ここが、青春ど真ん中なんだけどね。
玉ねぎの皮むきシーンは、流石市野演出。
宮崎駿の食事シーンに並ぶ、食べ物を絡ませたら天下一ですな。
さてさて、壬生が確変入りました。
「お前が悪いんじゃない。武器が悪いんだ」は、
最高の陽炎の台詞かもね。
黄金剣は、まだ鈍い輝き状態です。
あとで脱皮しなきゃいけないので。
そうそう、せっかく次回予告が壬生なのに、
当時だとCDの告知が入ってて、小さくされてたよね。
「それも壬生」と2ちゃんで喜ばれていたっけかな。
おかしいなあ。俺、壬生はプリンスハイネルのつもりでつくったんだけど。
誰もが壬生を憎むようにするため、
ここで黒獅子は退場せざるを得なかったのですな。
悪役は悪いことをしないと悪役ではないのです。
(武蔵は悪いことはしてないんだよね。
だからここはドラマオリジナルの壬生さんに、
悪役になってもらったというわけ)
「劉鵬はあのあと、黒獅子が殺されたことを知ったのだろうか」
と書き込みがあって、僕ははっとしました。
「それも忍びの運命」というだろうか、劉鵬は。
たぶん大人だから、人前ではそういうだろうな。
それを知って、
あとあと壬生に一撃をくらわすエピソードがあってもよかったかも。
(しかし12話まで壬生と劉鵬が邂逅する機会はないしなあ……)
当時の感想で、
「まさか劉鵬と黒獅子に萌える日が来るとは、
当時の自分に教えたい」というのがあって、
たしかに、と思い。原作の劉鵬と黒獅子にはできない、
実写ドラマならではの名作だと思います。
さあ後半戦に突入。
脚本理論的に言うと、ミッドポイントです。
大イベントが待っております。
聖剣解禁。キャラソンもか。
2017年11月16日
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