カタナ式を作る上で、「鈍くて弱い薬指小指撲滅」を考えてきた。
右薬指は撲滅できなかったものの、3/4は撲滅した。
それくらい僕は薬指小指が苦手だ。
そもそもQWERTYローマ字に問題を感じたのも、
AとエンターとBSだった。
飛鳥配列をやめたのも、薬指小指に違和感を覚え、
腱鞘炎を再発したからだ。
(その最初の腱鞘炎は、カタナ式v5での左薬指mが直接の原因)
ところがだ。
薬指を結構使う下駄配列だと、俺の薬指が動くのだ。
その謎の話。
下駄配列において、
薬指は濁音シフトの同時押しに使われる。
左手で打つときは右手薬指、
右手で打つときは左手薬指、
というように、必ず二本の手で同時押しするように工夫されている。
(二本の手で、というのが二の字を描く下駄の由来)
濁音、濁拗音に使用するから、精々10%以下の出現率だろうか。
とはいえ10数文字に一回どっちかの薬指を使ってはいる。
しかしこれに慣れてくると、
単打の薬指がいつの間にか打てるようになっていた。
(左薬指の、か、け、お)
なんで?
僕は薬指が動かない。
利き手の逆の左薬指なんて、なくなってしまえばいいと思っている。
悪魔が指と交換に契約してくれるのなら、
まず最初に左薬指を捧げるだろう。
それが何故にこんなに動ける?
頻度の少ないカナが割り振られているという説はある。
ローマ字に比べ、一文字当たりの頻度は恐ろしく低くなるから、
薬指はほとんど動いていないかも知れない。
いやいや、「か」があるよ。そこそこ上位だよな。
(いまだに中指の「し」と間違います)
で、「同時打鍵により薬指が動くようになってきた」
と仮説を立ててみる。
以前トリルの速度測定をしてみた。
A指B指…と素早く50回打つタイムを計測する。
ここで不思議な結果が出た。
鈍い筈の薬指が、
人差し指薬指…の時に限って、
なかなかのスピードで動くのだ。
人体の構造はよくわからないが、
「他の器用な指と連動させると、
鈍い指でも動きを合わせられる」
という結果が出たわけだ。
で、二の字の同時打鍵。
薬指と他の指を同時打鍵しているうちに、
薬指が動く経験を積めてきた、
ということでは?
というのが仮説の内容だ。
単独で動かすには、
薬指はしんどすぎる指だ。
中指も小指もついてきてしまう。
それは指を動かす筋が、三本まとめて同じ腱鞘に納められているからだ。
(これを分解するのがピアニストの練習)
しかしもう一方の手と一緒に動かす、
シンクロの動きならば、
単独よりも楽に速く動けるようになる。
武術の型を覚えるときは、
先輩の後ろで同じスピードで真似するのが一番だ。
俺の薬指は、もう一方の手を手本にしたのだろうか。
僕は生まれてこのかた、
薬指を単独で動かしたことがなかった。
今年の一月、配列を作ろうと決意するまで。
だから呆気なく腱鞘炎になったし、
呆気なくその後のカタナ式改良で使用を切り捨てた。
下駄配列やその前身の新JISを作った人は、
そもそもブラインドタッチが出来る、
動く指を持っていた人たちだろう。
そうでもないと配列を作って効率化しようと思わない。
僕は真逆で、指が動かないから、
動く指だけで使える配列を作ってきた。
その別々の出自が、下駄の上で交わった。
とりあえず、
もう一方の指と連動させれば、
僕の薬指小指は動くようである。
人間の体は奥が深いねえ。
今のところ、僕の下駄はまだ遅い。
しかし日々発見しながら、少しずつ成長している。
2017年11月18日
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