思い入れが強いほど、
一発目に書いたものは力んでいる。
複雑な話で、
キャラクターにも設定が多く、
テーマが入り組んでいて、
プロットも多い要素を凝縮していたりする。
で、結局なんなのか分かりにくかったりする。
女の子としゃべったことない男子が、
デートで力んでいるのと同じだ。
もっとナチュラルにやろうよ、
と周りがいくら言っても、
余計力むだけだ。
こういうときは、
力みきったまま、ラストまで突っ走るとよい。
運が良ければ「おしまい」まで行く。
いやー疲れたなー、
次書くときはもっと楽にやろう、
と、勝手に力みは取れるものだ。
運が悪ければ、
途中で放り出すことになる。
しかし心配しなくてもよい。
オープニングや途中までは書けただろうから、
少なくとも次書くときは、
オープニングや途中までは力まずに書けるようになる。
そのあとラストの「おしまい」までは、
やっぱり力みながら書くことになるけど、
全編全力みよりかは、楽に書けるだろう。
とにかく、
初めてラストシーンを書くまでいこう。
どうせ力んでいる。疲れる。
しかし慣れてきたら力みは取れていく。
人生で初めてやることは、
どんなことでも緊張し、力み、
無駄や無理が多いものだ。
最初から力が抜けて、スムーズに行く人はいない。
軽やかで力まずに、まるで空気のようにできる人は、
力まなくなるまで何回もやり慣れた人だけだ。
だから心配しなくてもよい。
力むのはむしろ運命だ。
問題は、二回目を書かないことだけだ。
一本目はたいてい力んでガチガチだ。
数本こなれてきたころ、
世間に発表する処女作になる。
あなたの本当の処女作は、押し入れにしまっておけばいい。
セットアップ。ターニングポイント。
焦点の維持。緩急。誘導。
キャラクターの自然な振る舞い。
そこで生きているかのような精彩。
人生に対する批判や提案。
リアルな台詞。 様式美。
新しいアイデアを、素直に広めること。
力まずに、
これらのことが全部ナチュラルに出来るようになるには、
何本も書いたことがないと、
出来ないと思うよ。
長編3本くらいは、ずっと力むだろう。
短編30本くらいは、ずっと力むだろう。
それでもなお書き続けて、
だんだん力まずに、力のいれどころが分かってくる。
若いときは力みながら突っ走れ。
最悪は、二本目を書かないこと。
2017年11月22日
この記事へのコメント
コメントを書く