2017年12月08日

自分より上、自分より下2

世の中には色々な人がいる。
「自分より上下」には、様々な基準がある。
間違った考え方は、世間の大体平均を考えること。


なぜダメかというと、
平均的な人間像しか出来ないからだ。

平均的なスペックで、
平均的にちょっと優ったところがあり、
平均的にちょっと劣ったところがあるなら、
それは、よくある平凡なキャラクターということだ。

そうではない。
オンリーワンでなければならない。

誰も見たことのない長所や欠点や、
よくある長所や欠点や、
色々なベクトルのものがごちゃまぜにあるべきだ。
それが人間の多面性というものだ。

で、マスというのは、
色々な人がいる。
あるキャラは自分より上と感じ、
あるキャラは自分より下と感じる。
それは人によっても変わってしまうかもしれない。

だから、
「誰が見ても自分より上だと思える長所」と、
「誰が見ても自分より下だと思える欠点」を、
作中で用意するべきだ。

それを称して「分かりやすい」という。
分かりやすいには色々あるけど、
キャラクターに関して言えば、
人によって判断が微妙な部分があるよりも、
誰が見てもそうだなと思える部分のことを、
分かりやすいというのだ。

分かりやすい、は、同様に平凡に通じる。
よくフィクションで出てくるキャラになっても、面白くない。
だから、
新しい分かりやすさを、あなたは発明しなければならない。

それらが、上と下で二つ出来たときが、
そのストーリーとキャラクターが、
強くなる瞬間である。


理想をいうと、
誰が見ても欠点だったものが、
誰が見ても長所になる瞬間が、
一番燃えるストーリーになるだろうね。
だってマックスの振れ幅だからね。


また、
以上で議論してきたことは、
あくまでもキャラクター設定(設計)に過ぎない。
静止画的なものだ。
ストーリーは動的なものであり静的なものではない。

実際の感情移入は、
とあるシチュエーションにそのキャラクターが直面したときに、
見せる行動や考え方を見て、
起こると僕は思う。
何もしようとしない人には、
感情移入しないと思うよ。

感情移入はつまり、
静的なバランスと、動的なバランスの、
両輪が必要なわけだ。
あなたはキャラクターデザイナーであり、
かつストーリーテラーでなければならない。
posted by おおおかとしひこ at 22:09| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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