そう聞かれて答えられないなら、
中盤が薄いかもしれない。
物語とはコンフリクトだ。
日本語に訳す時は、
この文脈では揉め事と訳すべきだと思う。
主人公が何か動機があり、目的があるなら、
必ず周囲の摩擦や抵抗や、
ひどいときは悪意ある妨害や、
意図せざる困難に直面する。
これらをまとめてコンフリクト(字義通りには衝突)
というが、
物体と物体ではなく、
人と人のことを意味したいので、
僕は揉め事という言葉を使う。
つまりは、誰と誰が揉めているのか?
それが物語だ。
それは何故、どうして揉めているのか?
どうなればそれは収まるのか?
話し合いの解決か?
暴力に訴えるのか?
政治的な権力でどうにかするのか?
誰かに助けてもらうのか?
自力でやるのか?
その揉め事はどうやってはじまり、
どうややこしくなり、
どう周囲に波及し、
どう別の展開を迎え、
どうやってこじれ、
どうやって綺麗に収まるのか?
そもそも問題の芯はなんだったのか?
なぜ最初にそれに気づかず、ここまでこじれたのか?
普通こういうときはこういう解決策がある、
を取らなかったのは何故か?
これらの質問に、
スラスラと答えられないなら、
まだあなたのストーリーの揉め事は、
きちんとした形になっていない。
あなた自身があなたのストーリーの揉め事を、
完全に把握しきっていない証拠である。
世界征服を企む悪の組織対正義の軍隊、
だけが揉め事ではない。
おかんに言われたことでムカつく、
だって立派な揉め事だ。
スケールの大きな揉め事から、
ごく小さな棘のような揉め事まで、
人と人の間には沢山の揉め事がある。
いきなりドーンと真ん中の揉め事になることはなくて、
大抵小さな小競り合いからはじまって、
理解しあえない溝や本当のズレを認識してゆく。
その時に相手を全否定するのか、
それでもなお一緒にやっていこうとするのかで、
話の方向性は変わるけど、
それが違うだけで、
ラブストーリーとライバルを倒すストーリーは、
同じ構造をしていることは、
知っておいたほうがよい。
ライバルを知り、自分との違いを知ることは、
好きな人を知り、自分との違いを知ることと、
何も変わらない。
そういう意味で、
知ること、判断すること、決断すること、行動することは、
これらのストーリーに不可欠の段取り(ビート)だ。
何が揉め事?
誰と誰が揉めている?
それは二人?もっとややこしい話?
揉め事はひとつ?複数?
これらに答えられるようになったとき、
あなたはあなたのストーリーを掌握したと言えると思う。
掌握もせずに書き始めるから、
たいてい曲がっていくんだよ。
え?面白くなる要素どこにあるの?
7見りゃわかるでしょ。出落ち祭り終わったらすることないんだから。
予感できないなら、まだまだクソ映画をたくさん見て勉強だ。