2017年12月14日

揉め事は何か?

そう聞かれて答えられないなら、
中盤が薄いかもしれない。


物語とはコンフリクトだ。
日本語に訳す時は、
この文脈では揉め事と訳すべきだと思う。

主人公が何か動機があり、目的があるなら、
必ず周囲の摩擦や抵抗や、
ひどいときは悪意ある妨害や、
意図せざる困難に直面する。
これらをまとめてコンフリクト(字義通りには衝突)
というが、
物体と物体ではなく、
人と人のことを意味したいので、
僕は揉め事という言葉を使う。


つまりは、誰と誰が揉めているのか?
それが物語だ。

それは何故、どうして揉めているのか?
どうなればそれは収まるのか?
話し合いの解決か?
暴力に訴えるのか?
政治的な権力でどうにかするのか?
誰かに助けてもらうのか?
自力でやるのか?
その揉め事はどうやってはじまり、
どうややこしくなり、
どう周囲に波及し、
どう別の展開を迎え、
どうやってこじれ、
どうやって綺麗に収まるのか?
そもそも問題の芯はなんだったのか?
なぜ最初にそれに気づかず、ここまでこじれたのか?
普通こういうときはこういう解決策がある、
を取らなかったのは何故か?

これらの質問に、
スラスラと答えられないなら、
まだあなたのストーリーの揉め事は、
きちんとした形になっていない。
あなた自身があなたのストーリーの揉め事を、
完全に把握しきっていない証拠である。

世界征服を企む悪の組織対正義の軍隊、
だけが揉め事ではない。
おかんに言われたことでムカつく、
だって立派な揉め事だ。
スケールの大きな揉め事から、
ごく小さな棘のような揉め事まで、
人と人の間には沢山の揉め事がある。

いきなりドーンと真ん中の揉め事になることはなくて、
大抵小さな小競り合いからはじまって、
理解しあえない溝や本当のズレを認識してゆく。
その時に相手を全否定するのか、
それでもなお一緒にやっていこうとするのかで、
話の方向性は変わるけど、
それが違うだけで、
ラブストーリーとライバルを倒すストーリーは、
同じ構造をしていることは、
知っておいたほうがよい。

ライバルを知り、自分との違いを知ることは、
好きな人を知り、自分との違いを知ることと、
何も変わらない。
そういう意味で、
知ること、判断すること、決断すること、行動することは、
これらのストーリーに不可欠の段取り(ビート)だ。


何が揉め事?
誰と誰が揉めている?
それは二人?もっとややこしい話?
揉め事はひとつ?複数?

これらに答えられるようになったとき、
あなたはあなたのストーリーを掌握したと言えると思う。

掌握もせずに書き始めるから、
たいてい曲がっていくんだよ。
posted by おおおかとしひこ at 13:46| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事と関係ありませんがスター・ウォーズ8がひどすぎてガチヘコみです……。なにあれ
Posted by piza at 2017年12月15日 18:58
pizaさんコメントありがとうございます。

え?面白くなる要素どこにあるの?
7見りゃわかるでしょ。出落ち祭り終わったらすることないんだから。
予感できないなら、まだまだクソ映画をたくさん見て勉強だ。
Posted by おおおかとしひこ at 2017年12月15日 20:43
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