前記事の続き。
で、その小道具の場面が肝になるとき、
その名詞をタイトルにするとよい。
前の例では、
「吸わなかったタバコ」
「落書きされた杖」
「割れたスマホ」
「母にケーキを」
というタイトルを仮につけた。
これらの「名詞」がタイトルになったわけだ。
素晴らしいタイトルはどうあるべきか、
について、いまだ僕は明快な答えを持たないが、
「内容の本質をズバリと言うこと」
であるに越したことはないと思う。
勿論ネタバレなしでね。
で、
タイトルは名詞なのか動詞なのかで言うと、
圧倒的に名詞だと思う。
「船を編む」とか、ラノベ系とか、動詞終わりのタイトルは勿論あるけど、
圧倒的に名詞だろうね。
さらに、固有名詞がタイトル
(ロッキーとかラピュタとか)でない場合、
一般名詞がタイトルになる。
そうすると、それは何かの象徴、
ということになる。
落ちやテーマが、それの意味するところの判明する、
強い場面であればあるほど、
そのただの一般名詞は、
文脈を持った強い意味になり、
「その名詞と言えば○○の意味」になるわけだ。
つまり、
文脈や意味が、ひとつの名詞に畳み込まれたわけだ。
これをイコンという。
イコンは元々宗教画のことだが、
「場面を絵で表す」の意味から発展し、
「絵で意味を表す」全般に使われる。
スペルはiconなのでイコンともアイコンとも読む。
アイコンは、どちらかというとアップルが広めた表現だ。
つまりは、
「とある一般名詞が、
ある意味を指し示す」
という状態のことが、
ストーリーがイコンになっている、
という状態だ。
僕は、
「動詞や流れを人は記憶できない。
名詞や静止画は記憶できる」
という仮説を唱えている。
どんな素晴らしいストーリーでも、
時間を経ると忘れてしまう、
という仮説を立てている。
それが記憶に定着し、思い出し可能になるのは、
静止画=イコンが存在する時ではないか?
というのが本題だ。
小道具を上手に使い、
強い場面にして、
それを結論の場面にすれば、
もっとも映画的に強く、
記憶に残り、
そしてそれがテーマを象徴し、
あとあとその絵を見れば、
そのストーリーの象徴になっている、
強いタイトルを作ることが出来るだろう。
あんまりこんな話は聞いたことがないので、
きちんと書いてみた。
つまりこれをやるには、
全ての能力が高い次元で有機的に機能しない限り、
出来ない。
自己承認欲求メアリースーの浅瀬でパチャパチャ遊んでる場合ではないのだ。
2017年12月29日
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