2018年01月02日

畳めない風呂敷

それはストーリーではない。
ストーリーとは風呂敷をどう畳むかを競うジャンルだと言っても良い。

風呂敷を広げるのは子供でもできる。
嘘をつく子供にはよくあることだ。
しかしそれはどこかで破綻する。
これも、嘘をつく子供によくあることだ。

風呂敷を畳めなくなったストーリーテラーは、
嘘つきがバレた子供とたいして変わらない。


なぜ、風呂敷を畳めなくなるのか?

考えられる原因は以下だ。

・最初から畳み方を考えていない。
・最初に畳み方を考えてはいたが、
途中から新しい要素が入ったりして混乱し、
当初の畳み方が効果的でなく、
困ってしまったので、
適当な畳み方で終わった。
(いわゆるぶん投げ。作者としては畳んだつもりでも、
畳め切れてなかったら、それはぶん投げ扱いだ。
たとえばGANTZ最終回とかね)

前者は論外。
ノープランで海を渡るのはバカだけだ。
その為にプロットなる地図がある。
大体こうしてこういうことになり、
全体としてはこういう意味になる、
という、文字通りの「計画」だ。
(plot=計画)

畳み方を競うのがストーリーというジャンルだと、
僕は強調する。
プロットがないやつは、その競争に参加していない。

そのレースに飛び入り参加して、
ノープランで優勝をかっさらえる才能があるのなら、
最初からちゃんと計画すれば、
もっと面白いものが書けるだろう。


問題は後者だ。

何かを継ぎ足して、
当初の畳み方に着地できなくなったときだ。

逆に言うと、
何かを継ぎ足すときは、
畳み方を考えて足せ、
ということになる。


もし、当初の畳み方よりも面白く、
意義ある畳み方を途中で思いついたらどうだ?
これもよくある。

その時に、どれだけ客観的になれるかで
決まると思う。

たいていは近視眼で、
いまの思いつきのほうが可愛いから、
しばらくそれに夢中になっていると思う。
しかし熱が冷め、
この先の畳み方に不安になってくる。
ほんとにこれで良かったのかと。
で、その不安を払拭するために、
更なる思いつきを追加して、
不安を見ないふりをする。

借金が膨れがっていくやつと、
同じ発想だ。
だから破綻する。


ファイアパンチみたいに、
数万年後にすっとばして、
前のやつが全部無かったことにする。
嘘つきの子供と一緒だ。
宿題をしない言い訳をして、破綻して、
そもそも宿題はなかった、
みたいに全クリアしないと、
破綻は繕えないのである。
(そういう意味で、
全クリアしてしまったファイブスター物語は、
もうダメだろう)


借金は引き返せる時まで。
ということは、
思いつきの継ぎ足しは、
元の計画の畳み方に帰れる時までだ。


プロット、計画とは、
あなたの未来のことについての計画でもある。
どんなものであれ、
あなたは未来にそういう畳み方をして、
その話を終える、
そういう予言で、夏休みの計画書と同じだ。

航海計画をしたからには、
その通りにやりなさい。
それでダメな話ならば、
そもそもダメな話だったのだ。
しかし、難破して大破するよりはましだ。
ダメな話を何本か書くことは、
一本も完成させないことより遥かに尊い。


あなたは未来に、
どうやってその風呂敷を綺麗に、見事に畳むのか?
全てはそこへ向かって走り出すのだ。
何故なら、
ストーリーとは擬似的な死(人生の意味の確定)だからだ。

つまり畳み方とは、遺言を書くことに等しいかも知れない。


短編を一日一本書いてみるとわかる。
今日の一日はどう終わろうかな、
と考えて始めるループをしてみるといい。
借金に追われているときは、とりあえず風呂敷を広げて、
その日中に畳めないだろう。
一週間毎日7日やれば、その勘所はつかめる。
三日くらいまではネタが持つが、
その後の苦しみを一度味わうといいよ。
7日やれば脳が擦り切れる感覚がわかるはずだ。


遺書を書くことと同じ。終わりを決める。
そこへ向けて七転八倒する。
小さな計画か、大きな計画かの違いなだけだ。
posted by おおおかとしひこ at 15:12| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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