そもそもブラインドタッチって、
どうやって覚えればいいのか?
何から始めればいいのか?
多分誰も言ってないことを書いておく。
「まず目つぶって全キーを触ってみなさい」。
「全キー」というのは、
数字段(最上段)を除く、
三段(上中下段)の10キー、計30キーだ。
まずこれを、
「目をつぶってどれがどれか分かること」
こそがブラインドタッチである。
え?どうやってわかるの?
文字が掘ってあって感触で?
盲牌じゃないんだよね。
実は、ブラインドタッチというのは、
「構えからの相対位置」でキーを判別するのだ。
たとえばあなたのベッドを想像しよう。
僕は洋間に畳を引いて腰にいい布団を常用してるけど。
まあ寝床ならなんでもいい。
枕の位置は大体きまってるだろう。
ケータイの充電位置も固定だろう。
時計や目覚ましやテレビの位置も固定だろうし、
電気のスイッチも固定だろう。
僕が中学生の時は、菊池桃子と哀戦士のポスターが貼ってあった。
あなたは寝ながら、
手をどっちに伸ばせば何があるか、
「目をつぶってても」触れるだろう?
それがブラインドタッチだ。
僕は裸眼だけど、
メガネやコンタクトの位置が決まってる人もいるだろう。
メガネなしは要するにブラインドと同じだ。
それでもメガネを取れるのは、
「置く場所を決めてるから」だろう?
実はキーボードもそれと同じで、
枕と色んな物体のように、
「どこに手を伸ばせば何が置いてあるか」が決まっているのだ。
寝相の悪い人が仮に180度上下反転して目覚めたら、
どっちに手を伸ばしても思ったものがない。
これじゃブラインドタッチにならない。
電気もケータイもテレビもメガネもどこにあるか分からなくなる。
ブラインドタッチにおける枕は固定位置にある。
それがFJ位置にあるポッチだ。
この二つのキーだけは他と違って盲牌できる。
実際のところは、
まず目で見てポッチの位置に両手の人差し指を置いて固定して、
あとは最後まで手元を見ない。
ポッチの盲牌で、「今枕の位置にいる」ことを、
手触りで知る。
それが「ブラインド」タッチの基礎なんだ。
え?場所を見失ったら、盲牌して一個一個探すの?
そこまで大変じゃない。
たとえばマウスに右手を伸ばした時、
元に戻るのは一個一個盲牌するのか?
違うんだな。
「左手の位置は動かさないでおいて、
左手の位置基準で右手の位置を推測すれば、
元に戻れる」なんだよ。
左手基準で右手を戻した時、
ポッチが大抵あるから、ああ枕はここだなと安心できる。
ということは。
「いつもの左手と右手の関係」は「いつも同じ」にしておく必要がある。
さらに言うと、「キーボードと自分の位置関係」
も「いつも同じ」にしておく必要がある。
さらに言うと、「姿勢」も、いつも同じにしておく必要がある。
僕は車を運転しないけど、
毎回座る位置や座る姿勢が変わったら、
アクセルやブレーキやサイドブレーキを、
見ることなく咄嗟に触れなくなるだろうことは、
想像に難くない。
だから運転には「基本姿勢」があるんだと想像する。
10時10分とかいうやつだろう。
勿論、人間同じ姿勢でいるとしんどいから、
適度に寝返りを打って長時間作業を乗り切るものだが、
それにしたって基本姿勢からの差分を体で感じて、
適当に補正をかけながらやってるはずだ。
つまりは、
「基本姿勢からの、相対位置で操作する」が、
ブラインドタッチも、布団からの何かも、運転も、
たとえば武道の構えも、
全く同じ身体運動なのだ。
だから、
ブラインドタッチとは、
「基本姿勢を一定にする訓練」なんだよね。
キーボードは動かない。
あなたはぐねぐね動く。
これじゃ「目をつぶって相対位置でキーに触る」
が出来ない。
キーボードは動かない。
あなたも毎回同じ位置にいる。
これがブラインドタッチにまず必要なことだ。
枕の位置は同じで、姿勢も同じだから、
見なくても色んなものに手が伸びる理屈だ。
だから、
キーボードの位置、モニタの位置、マウスの位置、
座る位置や高さ、腕を置く位置や角度を、
まず毎回同じにして、
「基本姿勢を固定すること」。
勿論、車の長時間運転のように寝返りを打ちながらやることになるが、
基本姿勢に目をつぶっても戻らないと、
どこに何があるか、見ないとわからないようになってしまう。
基本姿勢を毎回同じにするのは、
ブラインドタッチマスターへの、
最も早い近道だ。
毎回枕の位置が違うやつが、
寝起きで手を伸ばして一発でケータイを取れるはずがない。
ここまで分かれば、
何故「FJに人差し指を固定して、ホームポジション
(左手は左からZSDF、右手はJKL;)に固定、
指でキーを打ったら毎回ホームポジションに戻す」
をしなければならないか、
理解できると思う。
キーを打つと指がどっか行ってしまうので、
毎回枕の場所まで戻る癖をつけるためなんだよね。
勿論、寝返りを打ちまくっても、
自分の部屋なら位置関係がわかるように、
慣れてきたらへんな姿勢や片手打ちでもブラインドタッチは出来る。
でもそれは慣れたあとの話。
自分の車なら出来ても、車種が違うと出来なくなるのと同じで、
「体に距離感が入ってるか」で決まるのだ。
ここまで分かれば、
あとは、
「枕の位置から見て、どっちにどの指を伸ばせばどのキーがあるか」
を、距離感とともに体に叩き込むのが、
ブラインドタッチ練習の本質だということがわかるだろう。
ちなみに各指には担当がある。
人差し指以外の6本は、
ホーム段と上下段の3キー。
人差し指は上中下段3キーと、
一列内側の上中下段の、計6キー担当。
まずこの
「担当キーを担当指で触る」ことができるかどうかが、
ブラインドタッチの、最初の関門だと僕は思う。
個人的には、そして皆が言うことでもあるが、
BTYは届きにくい。
(それぞれ、左人差し指内側下段、左人差し指内側上段、右手人差し指内側上段)
RUも辛い。
(左人差し指上段、右人差し指上段)
僕個人はXCが苦手。
(左薬指下段、左中指下段)
QPも。
(左小指上段、右小指上段。Pは僕は薬指にしてる)
だから、30キー全部が均等に触れるわけではないことを念頭に入れながら、
「目をつぶって、全部のキーを触る」
をやってみることをオススメする。
枕の位置さえわかってれば、
あと指さえ全部動けば、
触ることは出来るだろう。
一通りやったら、
今度は手元を見ながらやってみる。
今やったことが理解できるはず。
で、空間を体で把握できたら、
あとはどこに何が置いてあるか覚えるだけ。
「どこに何が置いてあるか先に覚えて、
それを指が押せるように訓練する」は、
間違い。
「先に位置関係を体で把握して、
何がそこに置いてあるか覚える」
がよい。
ブラインドタッチは、目をつぶって踊ること。
寝床から手を伸ばしてなにかを取ることだ。
で、
なんでそこにそれがあるかな、合理的じゃないな、
と思えるのが現状の糞qwerty配列だけど、
配列をもっと合理的にアレンジするのは別の話。
そもそも物理形状がこれなのがおかしいよね、
と自作キーボードを作るのはもっと別の話。
(電子工作が出来るならやりたい)
これを最初に教えられていたら、
僕はもう20年ブラインドタッチを早くマスター出来た。
自分の左薬指と中指が思い通りになってないことも、
20年早く気づけた。
なので、知らない人に向けて書いてみた。
誰か一人でも読んでいただけると幸いだ。
2018年01月15日
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