あなたが初めて体験したことを、
それを体験したことのない人に、
話だけで想像できるように、
話してみなさい。
ビジュアルなどを使ってはいけない。
身振り手振りはOKとします。
ブラジルへ行ったことのない人に、
ブラジルを説明してみる。
酒を飲んだことのない人に、
酒を説明してみる。
飛行機に乗ったことない人に、
飛行機を説明してみる。
とある映画を見たことない人に、
ネタバレせずに上手に説明してみる。
セックスしたことない人に、
セックスの良さを説明してみる。
宗教が胡散臭いと思っている人に、
宗教の良さを説明してみる。
なんでもいい。
あなたの実感を伴っていると、
リアリティがある。
で、そのうち、
実体験を伴っていない、
架空や嘘のことをこれでやってみる。
大統領暗殺が、
いかに困難でぞくぞくしたか。
宇宙人との交渉の難しさ。
1000人切りを達成した時の話。
新しい発見をした話。
なんでもいい。
それが、実体験を話す時と同じように、
ワクワクし、リアリティがあるように出来れば、
あなたは一級のストーリーテラーである。
たしか京大の英作文の過去問だったと思うが、
「じゃんけんを知らない人に、じゃんけんのルールを英語で説明せよ」
というのがあった。
問題文のシンプルさに比べて、
回答は困難を極める。
英語力そのものよりも、
まず日本語力が問われる。
日本語でまず説明したまえ。
以下に僕の回答がある。
・外国ならコイントスで決めるような場面で、
ランダムで決着をつける手段、
たとえば順番をランダムに決める方法が、
独自に日本にある。
・「じゃんけんぽん」の掛け声とともに、
三つのハンドシンボルを出す。
・それはグー(石)、チョキ(ハサミ)、パー(紙)であり、
グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、
パーはグーに勝つ。
石はハサミを痛める、ハサミは紙を切る、紙は石を包む、
というアナロジーだ。
・ただし同じものが出たら、「あいこでしょ」と、
もう一回じゃんけんをして決める。
あいこになる確率は1/3だが、たまに何回かあいこが続くこともある。
・じゃんけんが使いやすいのは、コインがなくてもできること、
複数の人間でもできることだ。
ただし4人や5人でじゃんけんをすると、あいこになる確率が高いので、
「グーパー」の合図で、グーパーとパー好きな方を出し、
二つのグループに分けてじゃんけんで決める、
というやり方をすることが多い。
・これで、「複数の人の順番をランダムで決める」
ということが、すぐに、道具なしで出来る。
・じゃんけんは日本特有か?僕が調べた範囲では、
中国やタイにあるそうだ。アジア全域の伝統かもしれない。
じゃんけんのルールそのもの
(グーチョキパーと三すくみ、あいこ)よりも、
実は、じゃんけんは何のためにするのか、
その適用範囲のイメージ、などのほうが重要だと思う。
じゃんけんという行為のポジショニングというか。
じゃんけんを知らない人でも、
「こういう時に手軽に解決できる手段があるんだ」
と思ってもらわなくてはならない。
それが説明の根本である。
そこの同意が取れない限り、
どんなにディテールを説明したってだめだ。
「それは何のためにやるの?」が欠落しているからだ。
(これは物語でも同じだね。
何のためにこれはあるの?と問われるようなものは、
すべてうんこである)
さらに、ピンポイントで日本の例を説明するのではなく、
アジアに目を向け、視野を広く取って終わるのも良い部分。
物語でいえば、ラストにクレーンが上がっていって、
広い視野になる、という終わり方である。
あなたの回答はどうだっただろう?
ちなみに、「三すくみ」というのを英語で知らないので、
英訳前提で「三すくみ」を使わずに説明してみた。笑
僕は、英語なんてどうでもいいと思っていて、
まず日本語でこれだけ書けないと、
子供レベルの英語しか出来ないだけだと考えている。
勿論英語アレルギーを治す意味で英会話教室に通うなら、
それはそれで構わないけど、
そもそも日本語が下手なら、英語もそこまでしか来ない。
そもそも日本語でしっかり話せるなら、
拙い英語でも伝わるし、最悪通訳を雇えばいいんだ。
しっかり話せる人を、向こうは求めてるんだから。
ということで、
あなたの初めての経験を、
それを全く知らない人に、
リアリティたっぷりに、
あるいはそれがどういう位置を占めるものなのか、
話す訓練をしてみたまえ。
画像検索禁止、調べ物禁止。
あなたの言葉だけでやりなさい。
ある程度出来てきたら、
今度はフィクションでやってみるんだ。
嘘を、ほんとっぽいディテールで固めてみたり、
それがどういう位置を占めるのか、
知らない人に納得させられればOKだ。
そして、「本当にそんなのあるんだ」と思わせれば、
こちらの勝ちである。
ちなみに某先輩は、
キャバクラでこれをするそうな。
咄嗟に自分の職業で嘘をついて、
信じ込ませられたら勝ちというルール。
2018年01月20日
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