2018年01月21日

究極の二択をつきつけろ

女を取るのか、みんなを取るのか。
メンツが大事なのか、効率が大事なのか。
カレー味のうんこか、うんこ味のカレーか。

究極の二択をつくり、
それを主人公(や他の登場人物)に突きつけてみよう。
迷った末、どちらかを選ぶ。
その時に、その人の人間が透けて見える。


カレー味のうんこではあまり人間が透けてこないので、
「前言を撤回してでも、新しい効率の良い方法に切り替えるか、
それとも何だかんだ言い訳や言いがかりで、
自分の前言を守るのか」
という場面は、
現実でもよく出てくる。

「俺が間違っていた、こっちの方がいい」
と素直に謝れる人か、
「俺のいうことは正しい」
と言う人かは、
そういう場面を突きつければ反応で分かるものだ。

そのことによって、
この人は予想通りいい人だったとか、
意外といい人だったとか、
やっぱりメンツしか気にしてないのかとか、
意外と小者だなとか、
今までの予想や期待から、
評価が変わるわけである。

これも展開のひとつだと思う。


上手いこと、究極の二択を用意しよう。
どっちに転んでも正当化できるような、
それでいて人間性があらわになるような。

ベタな例だと、
「女連れの時に不良に絡まれる」
というやつもある。
女を守って、ボコボコにされるのか、
女を守って、スマートに金だけ払うのか、
女を守って、拳法を披露するのか、
女を捨てて逃げるのか、
女を捨てた振りをして誰かを呼びに行くのか、
男の選択で、
その男の器や考え方が分かるものだ。



たとえばこういう二択を、
初登場時にしておくと、
その人物の第一印象を作りやすい。

そういう人はこういう時にこっちを選ぶ人物なんだなあ、
と印象付けることができる。

あるいは、
最初にそうだと思わせておいて、
更なる二択に晒された時に、
本性を現すように展開させることも可能だろう。

その二択は、
不良に絡まれた時のように、
そこにある危機でもよいし、
長期的なスパンの選択でもよい。

長期的なやつのほうが、
人間性がズシリとくるし、
短期的決着は、メッキが剥がれやすい時だろうね。


その人の性格設定を、
設定表に書いただけでドラマが生まれるわけはない。
このような二択を思いつき、
かつどちらかを選ばせ、
その後の展開をつくることが、
ドラマを生むということである。
posted by おおおかとしひこ at 11:51| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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