2018年01月22日

天気を利用しよう

天気を使うと、簡単に逆境や追い風を作ることができる。

今日は関東は大雪らしい。


昼間勤務して夜外へ出たら、
もう帰宅困難になるほど雪が積もっている、
なんてことは簡単にありえる。
何年か前にそういうことがあった。

せっかく沖縄に旅行に行ったのに、
一度も晴れなかった、なんてこともある。
こないだ行った知り合いは三日とも雨だったそうな。


地震や津波は滅多にないけど、
雨や雪は普通にあることだから、
障害に出来る。

あるいは、メインの障害にせずに、
それを障害ルート転落のきっかけにする手もある。
雪で滑って転んで医者へ行ったのだが、
待たされた挙句約束に遅刻して、
急いで電車に乗ったら痴漢と間違われ…
みたいに、歯車が狂うきっかけを作りやすい。

いつもとちょっとだけ違う違和感を作るには、
天気は利用しやすい。

逆に、チャンスも作れる。
ずっと雨風がきつかったのが、
嘘のように晴れ渡る瞬間があり、
今行くしかない、みたいな感じだ。
多少の欠点も抱えたまま、
しかし今晴れのチャンスを生かす、
みたいなことはあるだろう。

天気は人の行動に影響を与える。
行動ベースの脚本においては、
順風も逆風も利用できるし、
意図的に起こせる。

そのために、四季を利用したって良い。
わざと梅雨時の話にするとか、
わざと雨が降らない夏の話にするとか、
わざと雪解けの時期の話にするとか、
桜の時期を使うとか、
いくらでもやりようはあり、
そしてそれは万葉の時代から、
日本人が得意にしてきたものだろう。

あるいは、知らない地方のそういうことを使っても良い。
高知ロケで知ったんだけど、
その時期にしか獲れない魚がいるらしい。
小さいので地元で食べるだけなんだけど、
それを食べるとその時期が来たと思うんだそうだ。
一回説明しておいてから、
ストーリーの何かに利用すると、
面白い表現になるだろうね。

雨宿りとかは、最もよくあるシチュエーション。
前の大雪の時は、知らない人同士でタクシーに相乗りした。
そういう、普段はないシチュエーションとかきっかけを作るのに、
天気は都合がいい。

「今日は寒いですね/暑いですね」なんてのは、
一番声をかけやすいワードのひとつ。
日本人はそこから会話の糸口を掴むものだ。
天気を利用しない、日本のストーリーは勿体ないとすら思うよ。

室内劇だって、「おや、雨だ」を、
会話の転換点にすることができる。
夏の夜明けに二人は出会ったのに、
冬の夜明けは二人には寒すぎる、
みたいな表現にもすぐに使える。


詩的表現はト書きには使えないが、
こうした具体的な表現ならば、
いくらでも差し込める。
これによって、ドラマティックさが変わってくる。
(どうしても必要なくらいドラマと不可分であれば、
予算を割いてでもそれはやるべきと判断される。
ただドラマティックな絵面であれば、やってもやらなくても同じ、
とカットされるだろう。
ストーリーに利用することだ)
posted by おおおかとしひこ at 12:11| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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