天気を使うと、簡単に逆境や追い風を作ることができる。
今日は関東は大雪らしい。
昼間勤務して夜外へ出たら、
もう帰宅困難になるほど雪が積もっている、
なんてことは簡単にありえる。
何年か前にそういうことがあった。
せっかく沖縄に旅行に行ったのに、
一度も晴れなかった、なんてこともある。
こないだ行った知り合いは三日とも雨だったそうな。
地震や津波は滅多にないけど、
雨や雪は普通にあることだから、
障害に出来る。
あるいは、メインの障害にせずに、
それを障害ルート転落のきっかけにする手もある。
雪で滑って転んで医者へ行ったのだが、
待たされた挙句約束に遅刻して、
急いで電車に乗ったら痴漢と間違われ…
みたいに、歯車が狂うきっかけを作りやすい。
いつもとちょっとだけ違う違和感を作るには、
天気は利用しやすい。
逆に、チャンスも作れる。
ずっと雨風がきつかったのが、
嘘のように晴れ渡る瞬間があり、
今行くしかない、みたいな感じだ。
多少の欠点も抱えたまま、
しかし今晴れのチャンスを生かす、
みたいなことはあるだろう。
天気は人の行動に影響を与える。
行動ベースの脚本においては、
順風も逆風も利用できるし、
意図的に起こせる。
そのために、四季を利用したって良い。
わざと梅雨時の話にするとか、
わざと雨が降らない夏の話にするとか、
わざと雪解けの時期の話にするとか、
桜の時期を使うとか、
いくらでもやりようはあり、
そしてそれは万葉の時代から、
日本人が得意にしてきたものだろう。
あるいは、知らない地方のそういうことを使っても良い。
高知ロケで知ったんだけど、
その時期にしか獲れない魚がいるらしい。
小さいので地元で食べるだけなんだけど、
それを食べるとその時期が来たと思うんだそうだ。
一回説明しておいてから、
ストーリーの何かに利用すると、
面白い表現になるだろうね。
雨宿りとかは、最もよくあるシチュエーション。
前の大雪の時は、知らない人同士でタクシーに相乗りした。
そういう、普段はないシチュエーションとかきっかけを作るのに、
天気は都合がいい。
「今日は寒いですね/暑いですね」なんてのは、
一番声をかけやすいワードのひとつ。
日本人はそこから会話の糸口を掴むものだ。
天気を利用しない、日本のストーリーは勿体ないとすら思うよ。
室内劇だって、「おや、雨だ」を、
会話の転換点にすることができる。
夏の夜明けに二人は出会ったのに、
冬の夜明けは二人には寒すぎる、
みたいな表現にもすぐに使える。
詩的表現はト書きには使えないが、
こうした具体的な表現ならば、
いくらでも差し込める。
これによって、ドラマティックさが変わってくる。
(どうしても必要なくらいドラマと不可分であれば、
予算を割いてでもそれはやるべきと判断される。
ただドラマティックな絵面であれば、やってもやらなくても同じ、
とカットされるだろう。
ストーリーに利用することだ)
2018年01月22日
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