クライマックスは、大抵長いシーンになる。
クライマックスがたったワンシーンということはない。
大抵はいくつかのシーンにまたがった、
比較的長く緊張感の続く、
一連のシーンとなる(シーンシークエンス)。
勿論30分ワンシーン、みたいなこともあるかもしれないが。
だから普通のシーンを書く時より、
格別な準備が必要になる。
といっても、
長いシーンシークエンスを書く時と同じで、
準備(設定)、展開、結末の3ブロックを作り、
焦点の設定とターニングポイントで強力に誘導し、
最後まで緊張を途切れさせずに結末に突っ走ればいいだけのこと。
つまり、クライマックス自体が、
一つのストーリーとして優秀であればよいわけだ。
ストーリーというのは入れ子構造である。
全体がみっつに別れ、
設定、展開、結末になるとすれば、
設定パートの中に、
設定、展開、結末(完全決着ではなく、続くの形式)
があり、
またそれぞれのパートの中に、
設定、展開、結末があり、
またそれぞれのパートの中に…
という構造になっている。
何階層あるのかはストーリーによるし、
きっちり分かれずに同時進行している時もあるし、
主人公のストーリーだけでなく、
サブストーリーが走る場合もある。
それと同じことが、
クライマックスの、長い一連のシーンで、
行われるだけの話である。
たったひとつ違うのは、
クライマックスの結末が、
「続く」ならない結末の、
「おしまい」になる結末である、
ということだ。
僕は、その、
ストーリー全部が解決するその瞬間をピークにせよ、
と言ってきた。
つまり、その山に向けて、
これまでの伏線が全て集結するように、
クライマックスを作って行くと良いだろう。
主人公のストーリーだけでなく、
サブキャラクターのサブプロットも完結するから、
その糸の編み上げも忘れないことだ。
主人公に注目しているのは勿論だけど、
サブキャラクターのアレに注目している人も沢山いる。
それをないがしろにせず、
全てがうまくいくような、
序破急を、クライマックスに作って行くと良い。
なんのことはない。
クライマックスといえど、
ただ、ストーリーを書くことをすれば良いのである。
僕が普段短編を勧めるのも、
クライマックスが一つの短編を書くのと、
似たようなことだからかもしれない。
たとえば2時間におけるクライマックスが、
20分ないし30分だとすれば、
その短編を書くようなものだと思うとよいだろう。
とはいえ、直前の第二ターニングポイントで、
坂道を転がる勢いはついているから、
そのまま一気に勢いよくいけば、
結末まで突っ走れる。
逆にその勢いで、取りこぼしがないように、
綿密な準備を欠かさないことだ。
ただ、
クライマックスが苦手だという人はあんまりいないと思う。
思う存分、才能を爆発させれば、
大体はいいクライマックスになる。
ピークへ。
山で言えば最後のアタックだ。
ピークが終わった後の下山、
後日談はワンシーンぐらいに留めよう。
もう書くことがないくらいにクライマックスで書ききり、
あと少しの余韻を、
ラストシーンで描くとよい。
2018年01月27日
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