きっかけは勝間和代さんだろうか。
デフォルトのローマ字(Qwertyローマ字入力)は効率が悪い。
デフォルトのカナ入力(JISカナ入力)もベストの方法とは思えない。
だから「第三の入力方法」として、親指シフトに白羽の矢が立ったのはわかる。
しかし第三の入力方法はひとつではない。もっともっとたくさんある。
いくつかでいうと100はあるだろう。
名のあるものに絞っても数十はある。
あなたが知らないだけだ。
僕は、「親指シフトよりいいのが10ある」と宣言することで、
親指シフトは中程度の出来の入力法でしかない、
ということを言おうとしている。
その10とはなにか?
カナ配列
1 新下駄配列
2 飛鳥配列
3 月配列
4 薙刀式
5 新JIS配列
6 蜂蜜小梅配列
7 TRON配列
ローマ字配列
1 SKY配列
2 けいならべ
3 カタナ式
である。数字はランキングではない。
なおフリック入力は合理的ではあるが、
長文入力には向かないためここでは除外する。
ここで紹介するものは、本格的にまとまった長い文章、
たとえば仕事メールを大量に、長文ブログ、論文、
あるいはライター級の長さを書くためのツールとして評価している。
まずQwertyローマ字、JISカナ、親指シフトと、
この十傑の配列図、計13を眺めてみよう。


























カナ配列に関しては、
頻度上位10は赤、11〜20は薄い赤、
ローマ字に関しては、
頻度上位10に赤の〇を付けた。
半径を頻度に比例させているので、
直観的にどのキーをよく使うか分るようになっている。
(頻度の根拠は、カナは、kouyさんの100万字統計
http://kouy.exblog.jp/9731073/
ローマ字はDvorakJPの10万字統計
http://www7.plala.or.jp/dvorakjp/hinshutu.htm)
これだけを見ても、
十傑のキー使用バランスは、
中央に、中段に固まり、やや右手が多い傾向にあり、
親指シフトやQwertyローマ、JISカナは、
バラバラの偏った分布になっていることがわかる。
特に親指シフトが、外側の薬指や小指ばかり頻度が高い状態に
なっているのが気がかりである。
Qwertyローマ字は左小指の酷使とホーム段の未使用が、
JISカナは左手の上の方ばかり使っている所が気になるわけだ。
たかが使用分布でない。
これらは長文を書く時に直接指にダメージがいく表である。
強い指を多く使い、弱い指はあまり使わないべきで、
かつホームポジションに構えた時、
指をあまり動かさないのが合理というものだ。
詳説はあとに譲るとして、
これらの入力法に人々が移行しないのはなぜか?
を僕は問いたいわけだ。
単に「知らないから」というのが理由ではないかと思う。
なぜ親指シフトがその中でもメジャーなのか?
それは「かつて親指シフトがあった」遺産だからにすぎず、
「最も効率的な配列だから」ではない。
Qwertyローマ字は最高の日本語入力法ではないにも関わらず、
メジャーという理由で広まったのと、
変わらないと僕は考えている。
親指シフトは、
Qwertyローマ字やJISカナ入力よりは効率がいい。
しかしこれら十傑に比べれば中程度の出来の配列でしかない。
これから何回かにわけて、
親指シフトを批判し、
これらの入力方法のほうがよいという結論を出したい。
(なお、以下に述べる批判点は、
すでにどこかで語られている親指シフト批判と比べて
新しい知見があるわけではない。
しかし十傑との具体的比較という点が新しい観点である)
【入力の話2】につづく。
http://oookaworks.seesaa.net/article/456684400.html?1565860139