2018年02月16日

隣の不手際を笑えねえぞ

平昌オリンピックは大丈夫なんかい。
色々とボロが出ているようだ。
東京オリンピックが信用できなくなってくる。


広告代理店の凋落が激しい。
小説家になれるほどのコピーライターはいなくなった。
ポスターやCMが人の目を奪わなくなって、
どれくらい経つだろう。
ちっとも最先端の仕事ではなくなっている。

最近見た企画コンテは酷かった。
一日十本企画出せるプランナーはもういない。
字コンテしか書けず、
絵コンテでちゃんとCMになってるかチェック出来ていない。
下手くそなセリフばかりで吐きそうになった。
もうストーリーとして破綻している。

肖像権などのクリアを、
代理店内の企画段階ではなく、
製作決定後のプロダクションにやらせている話を聞いた。
しかもそれにかかる費用をプロダクション持ちにさせている。

じゃあ代理店の仕事ってなんなんだ。
企画段階で詰めてもいない、
ペラッペラの紙だけを適当に約束してきて、
あとで編集とか撮影でなんとかするなんて、
プロダクションにおんぶに抱っこかい。
丸投げじゃないか。

いや、かつてもそうだったのかも知れない。
中抜き無能代理店を、プロダクションがカバーしていた可能性はある。
しかしそれもうなるほどの金があったから、
なんとかできたのだ。
(僕は会社に入った時、
二番目についたプロデューサーから、
「時間を金で買う」と教えられた)
今はそうではない。
うなるほどの金はない。
僕の企画が初めて通った時、制作費は7000万あった。
今200万の仕事できゅうきゅうである。

代理店は中抜き産業である。
それも制作費の原資があったから、
多少抜かれてもプロダクションはなんとかなった。
もうなんともならない。
首が回らない状況になっている。

面白くて心に刺さる、
世の中の流行を作り出す、
素晴らしい企画のためなら、
プロダクションは命を削ってでもやるだろう。
でもぺらぺらの無能を押し付けられて、
制作費は雀の涙で、
プロダクションは前にも後ろにも横にも行けない。

先日のオリンピックロゴ改訂で、
編集以前にロゴ規定を調べていなかった営業がいた。
オイオイ、あんたんとこで決めた規定やろ。
どないなっとんのや。
あんたが朝イチにそれを届けないかぎり、
我々は編集室で何も出来ないではないか。


平昌オリンピックを、
私たちは笑えない。
何も出来ない中抜き産業が、現場の体力を奪っている。
posted by おおおかとしひこ at 22:27| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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