2018年02月22日

簡単な目次を作ってみよう

構成が苦手な人は、目次を作るのも苦手だ。
こういうのを作ってみてはどうか?


0 タイトル名
1 事件の概要
2 その過程で起こる面白いこと
3 どうやって解決するか
4 これらを通じて残る読後感について


0のタイトルは4と関係している。
これに関してはあとにする。

1、2、3は、メインとなるストーリーを、
目次形式でもよいしあらすじ形式でもよいので、
とにかく埋めること。

2は膨らませようと思えば思うほどわりと膨らませることに、
作っていて気づくかも知れないが、
ここはあくまでダイジェストでよい。

普通は3で解決してハッピーエンドだが、
バッドエンドやビターエンドにしたいなら、
そう最初に決めること。
「ハッピーエンドを目指して書き始めたが、
うまいこといかずバッドエンド」というのは、
中途半端だ。
真のバッドエンドは、バッドエンドを目指して書かれなければ、
よいバッドエンドにならない。

まず出口を決定しなさい。
そうすると、そこにどう入って出ていくかを、
何通りか俯瞰で考えることができる。

これは何パターン考えてもよい。
解決の仕方をより鮮やかにうまいことやるために、
その前に布石を打ったほうがいいとか、
何かの力を借りるならそれらが2で出てくるだろうとか、
逆算をしなければならないことに気づくはずだ。

この逆算は、結末を決めているから出来る。
結末が変わると、この仕込みも変わってしまう。

なるべくこの目次は簡略に書くこと。

沢山アイデアが出るだろうが、
それは全てアイデアノートに書いておいて、
この目次はシンプルに書きなおすこと。

何回も何回も目次は書き換えてよい。
これが構成を練るということだ。

キャラクターや世界観や設定のアイデアも出てくるが、
それらもアイデアノートに別メモにして、
あくまで目次は目次というシンプルな3行にしなさい。

構成とは、最も俯瞰から見る作業である。
勿論ディテール(台詞やビジュアル)はバンバン浮かんでくるが、
それと俯瞰は別作業であって、
今は構成をしている。
勿論アイデアノートにメモは欠かさないけど。

で、なんかいい感じのものになってきたら、
4を考える。

つまり、このストーリーを見終えた人が、
どういう気持ちになるか書く。

それはあなたの願望ではなく、
その3行で表現されている何かで、
あなたが普通に感じることでよい。

良かったなあと思うとか、
ほっこりするとか、
ええ話やと思うとか、
正義は大事だなあと思うとか、
キュンとなったとか、
笑ったとか、
人にはこういう弱点があるんだなあと思うとか、
明日から頑張ろうとかだ。

これらはすべてポジティブな反応である。
ネガティブな反応には、

つまらない、興味が持てない、
ひどい話、クソ、
胸糞悪くなった、
酷いショックを受けた、
救いがない、
怒りを覚える、

などがある。
あるいは、ポジティブでもネガティブでもないものには、

まあどうでもいい、
無視、
良くも悪くもない、
なんだこれ、
無駄な時間を過ごした、

などがある。

僕は、創作というのは人をポジティブにするものだと思う。
だからこの話を見終えた人が、
なにかしらポジティブになってもらいたいと思う。

なので後者二つになるようなものは、
ダメだとこの時点で判断できる。
そのストーリーをこれから人生と引き換えにしてまで書く必要はない。

人生と引き換えにしてまで書く
(それくらい書くのはつらいよ)価値のあるものは、
なにかしら良いものだと思う。

良いと信じるから、人は物語を書ける。
それは、結末まで出来ているから確信が持てるのだ。


で。

その4が、あなたのテーマだ。

テーマは主張ではない。
そのストーリー全体から受ける価値のようなものだ。

主張の形をテーマがしているとは限らない。
その読後感のようなものが、
最後に残るもので、
それをテーマだと考えた方が、
作者は考えをまとめやすい。
(解釈する人は様々で良い。
今は自分で書くときの話をしている)

一つの名詞や一文にまとまっている必要はない。
これはあとでいくらでも変更されるので、
ここで決め切る意味はない。

で、ここからがプロのやり方なのだが、
「それをなるべく強いものにする」
ように設定や展開や構成を変更するのである。

なんかほっこりする話を、
久々に聞いた心温まる話にしたり、
号泣するぐらいいい話になるように、
設定を詰めていく。

そうすると事件の概要は全然変わってきたり、
結末の解決法や展開も変わってくるかもしれない。

これが、構成を練るということだ。
より面白く、より激しく、より深く、なるように煮詰めるのである。

ちょっとした不幸が、物凄い不幸に変更されるだろう。
特殊なケースが誰にでも当てはまる設定になるだろう。
うまい解決が、すごくうまい解決になるだろう。

油絵が何度も何度も上書きしていくように、
どんどん肉付けは変わって行く。
4はますます振幅の大きなものになるだろう。


そろそろ、0を考える時がやってきた。
タイトルだ。

仮タイトルはもうつけているかもしれない。
4を暗示するタイトルにしよう。

しかし4を直接説明してはいけない。
野暮だ。
感動する話に「感動の父」なんてタイトルをつけるのは野暮である。
感動する話に「父の遺品」ならあり得るだろう。


なるほど、0はそういう意味だったのか、
と4を見て分かるのがベストだ。
つまり0は4の伏線である。

で、0についてだが、
これが最初にあるのには勿論意味がある。
1234を知らないまま、0を見るからである。

人が最初に0を見たとき、
1234に対して豊かな妄想を描くのがベストだ。
どういうのか分からないが、気になる、でもいい。
勿論、1234はその想像を超えることが理想だ。
(それが出来ないのは期待はずれという)

タイトルが究極のキャッチコピーだというのは、
こういうことである。

人目を引き、想像させ、
しかもテーマの伏線になっていなければならない。
そういうことだったのか、と最後に感服するのが、
理想のタイトルというものだ。


で。

あなたは、書き始める前に、
これほど考えを整理しているか?
してないから、大したことない話しか書けないのかもしれない。
なぜなら、大したことある話は、
これが出来ているからだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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