2018年02月23日

カード法は、穴の発見のためにある

縦線法でストーリー全体が見えてきたら、
カード法で俯瞰してみるとよいだろう。


一枚のカードは4〜7センチ角でよい。
僕は付箋を使っている。

そこに一場面を書く。
行動や出来事を中心に書く。
出来るだけ動詞で。

これらを並び替えて、
たった一つの、頭から尻まで繋がったものが、
ストーリーである。

サブプロットの場面と本線の場面を、
入れ替えたり順番を前後させるのを、
これで試すことが出来る。

あるいはシーンの順番や、
取捨選択もこれで試せる。

設定を変えてみたらどうだろう、
と全く別のカードを作って、
入れ替えたり挿入してもよい。


目的は、面白く、矛盾のない、
自然な展開を作ることだ。

ストーリーとは、
それがマルチストーリーでない限り、
頭から尻まで、一本の線に繋がっていることが、
その定義のようなものだ。
その形でベストになるように、
各場面を整えていくのが、
この段階である。


で、カード法とほぼ同じことは、
前にあげた縦線法で可能である。
カードの方が並び替えが簡単だが、
記録に残らない(写メ撮っとくという方法もあるが)
ので、僕は縦線法のほうがいいかなと考えている。

逆に、縦線法になくカード法にあるのは、
穴の発見だ。


「save the catの法則」を読めば詳しくわかるが、
ここに紹介されているカード法では、
カードを40枚に限定する。

一幕、二幕前半、二幕後半、三幕を、
それぞれ10枚のカードで表現するのである。

映画が2時間だとすれば、
1枚のカードは3分相当だ。
原稿用紙3枚ぶん、ということだ。


さて、穴を見つけるとはどういうことか。
大抵、
ワンブロックが10枚以上になってしまったり、
10枚に足りないことがあるのである。

一幕の10枚目は第一ターニングポイント、
二幕前半の10枚目はミッドポイント、
二幕後半の10枚目は第二ターニングポイントが来るから、
基本的には9枚にカードを整えなければならない。

で、それより多いならば、
場面を削ったり、ニコイチにしなければならない。
これは苦労すれば可能だ。

問題は、
9枚に足りない時だ。

カードが歯抜けになるので、これを穴と表現してみた。


穴が沢山あるブロックは、薄いのである。

そこに何があると面白いのかを考えよう。
矛盾や不自然のない、新しい場面だ。
削除したもので、そこを埋められるかも知れない。
ブロックが異なるから、
無理や矛盾が出てくる可能性が高い。
その時はその時で、また一から考え直すとよい。


縦線法や目次法だけでは、
この、「足りない」という穴を見つけることは難しい。
自分の都合だけでモノを書いているからである。

あるいは、
実は40枚にはなっているが、
ブロックの長さがいびつな時もあるかも知れない。
そういうときは、
別の場面を、第一ターニングポイントやミッドポイントに、
出来ないかを検討してみる手もあるだろうね。
そういう風に書き換えるだけで、
全部を作り直さなくてもよくなることもある。


書きたいものだけ書いていくと、
不足に気づかないことが多い。

カード法はそれを整理して、
穴を発見するのに合理的なやり方だ。
posted by おおおかとしひこ at 14:07| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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