2018年02月25日

【薙刀式】配列マスターまでを、時間ではなくて文字数で示す

とある配列をマスターするのに、どれくらいかかりますか?
という質問は、初心者ならしたくなるのは当然だ。
これはざっくり言うと、どれくらいの練習量が必要ですか?
と言う問いだ。

これを額面通りに受け取り、
「3日でマスターする人もいれば、三ヶ月かかる人もいるし、
半年かかる人もいる。正直どれくらい練習に割けるかにもよるしね」
と答えても、不安しか生まない。
初心者はイメージできないからだ。

僕は、
「1万字書けば配列は手が覚える。
5万字で実戦投入。10万字で大体マスター」
と、時間ではなく文字数で示したい。


自分が一体何字書いているのか、
自覚的な人は恐らくほとんどいない。

今まで食べたパンの数を覚えていない(ジョジョ)と同様に、
今まで書いた文字の数も把握していないだろう。

文字数を気にしたことのある人は、
卒論中の人か、
小説の応募か日常的に小説や評論を書く、
アマチュアやプロだけだと僕は思う。

僕はプロの脚本屋さんなので、
自分の書く文字数が、感覚でわかる。
車の車庫入れのように、
入るな、入らないな、こうすると入りそう、
入るわけないだろ、だいぶ余るぞ、
などが感覚でわかる。

そこまで分かるには数年から十年以上の鍛錬がいると思う。


で、パンを数えていないように、
文字数で生きていない人は、
一度文字数を数えてみましょう、
という提案である。

これは実に簡単で、
「その配列を練習するファイルをひとつに決めて、
そこでだけ書くことにして、
文字数を全部数える」
だけでよいわけだ。

僕は薙刀式を練習するにあたって、
練習ワードもマニュアルもブログの文面も、
思ったことのメモも、全部同じファイルに書いている。
必要なところだけコピペしてほかに写す。

その手間をかけるだけで、
あとは総文字数はエディタが出してくれるものだ。
(ワード、TATEditorならデフォルトで出ている。
iTextは選択して文書フォーマットコマンドを見ればよい。
メモ帳はあったっけ…)
正確に何文字、と出す必要はなくて、
行あたりの文字数が出れば、行数かければ概ねは出る。


これは、時間ではなく量で計測する方式である。


飛行機のパイロットを、
〇万時間飛行で測るか、〇万マイルで測るかの違いだ。
大きく両者がずれることはない、
という仮定は妥当(職業パイロットは定期的に飛んでいる)
と思われる。
つまり、あなたが配列マスター練習を定期的にやる限りは、
時間と量は概ね比例関係にあるわけだ。


1万字って大変じゃね?
って思う人は、多分パンを数えていない人だね。

僕のブログは大体平均2000字だから、
こんなんを5記事書いたらすぐ1万字だ。

仕事のメールは短文で500字、長文は1000字と見積もれば、
20通書く計算だ。

小説書きにとっては1万字なんかまだ第1章だろう。
一時間で3000字から5000字書く人は、世の中に沢山いる。

小学校のころ読書感想文を、
原稿用紙5枚でヒイヒイ言ってた記憶がある。
それも2000字で、それはこのブログ一記事程度だ。


なので、何日かかけて書く量が1万字、
というリアリティを見積もると良い。

で、ようやく本題。

その配列で1万字くらい書くと、
もう配列表を見なくても、指が大体覚える。
(レア文字は配列表の助けはいるかも)
ここに来るまでで、割と挫折する人が多いかもだ。

時間で考えると、
一日あたりの練習量が少ないと、
一ヶ月やったのに全然覚えられない!
なんて不満が出ることになる。
一ヶ月やって500字くらいしか書いてないなら、
そりゃ全然練習量が足りてない。

この段階は、「指を作る」段階だ。
頭の司令→指を動かす→キーを打つ、という回路から、
配列表を意識しなくても、指が勝手にそこへ行く、
という回路を作る段階である。

柔道でいうと、前方回転受身を、
まずは型通りに何回もやって、
そのうち無意識に体が動くようにする、
ようなことである。
野球で言えば、捕球から投げる一連の流れ動きを、
体が勝手にやるまで練習するようなものである。

つまり、「体が覚える」をする。

ブラインドタッチは、指とは言え、体が覚える行為である。
頭は文章を考えるのに100%使い、
どう打つかなんて考えない。
そこまで行くには体が覚えるしかない。

で、体が覚えるのは、反復(習慣)しかないんだよね。
筋トレと同様、神経の組み替えを人為的に起こすんだからね。


ブラインドタッチは根性で覚える、
と慣れを強調する人もいるけど、
それは根拠があって、
配列を覚えるのは暗記じゃなくて、身体の自動化だからなのだ。
なので結論は根性論になってしまう。
根性の裏にはこうした理屈があるんだけど。


で、時間じゃなくて量だ。
〇ヶ月野球部に入っていても、
ボール磨きや見学ばっかしてたら身につかない。
何球捕って何球投げたかの量で決まる。

ブラインドタッチ、配列のマスターも同じこと。
数字と習熟度の関係は僕の経験則で、
これは多少は人によってブレがあるかもしれないが、
10万字も書けば大体相殺されて平均化されるだろう
(中心極限定理)。


まずは1万字、その配列で打ってみたまえ。
勿論最初は文章じゃなくて、
中段(ホーム段)のキーだけで作られた、数文字の単語ばかりだろう。
1万字過程前半のほとんどは、
単語の組み合わせだろう。
それは外国語を覚えるのと大体同じだ。
第三外国語を覚えるような経験である。

それが片言の文になって来るのが、
大体1万字くらいじゃね?
というのが今回の趣旨である。

それが滑らかになってきて、
ゆっくりなりに通るようになってくるのが5万字くらいで、
以前使っていた配列に遜色ないくらいなのが、10万字くらいだろう、
という見積もりである。
10万字が8万字の人もいれば15万字の人もいるだろうけど、
目安はそういうことだ。


配列を変えて新しく覚えようなんて人は、
普段から文字を沢山書く人だ。
(あるいは腱鞘炎などで楽な入力方法を探しているかも)

僕は一日2000字以下しか書かない人は、
配列はローマ字やフリックや音声入力で十分だと思う。

3000、5000、毎日ではないが10000以上/日がある、
なんて人は、配列をより合理的なものに変えることをオススメする。
それだけの作業量に対して、
qwertyローマ字もJISカナも不合理が多すぎる。
qwertyローマ字時代、僕はずっと小指が痛かったし、
エンターやBSやカーソルの遠さにずっと腹が立っていた。
これを設計した人は1万字書いたことないだろと。
(渋滞で有名な首都高は、運転経験のない人が設計したそうである。
合流や分岐がスムーズにいかないのはそうした理由があると聞いた)

最低でも親指シフト(ニコラ配列)にした方が良くて、
さらにそれよりオススメの10配列がある(過去記事参照)。
それらを完全マスターして常用するのに、
大体10万字が基準じゃないかなあと。

自分の書く習慣と見比べれば、
練習時間を見積れるので、参考に。



僕は薙刀式作者というプレッシャーもあり(笑)、
二ヶ月で指が喋る速度に達した。
後半は一日に一万字書く日もあったし、
仕事が忙しい日は触ってない日もあるしで、
文字数で数えた方がいいと思った次第。

世の中の親指シフト挑戦記なんて見ていると、
〇日目、なんて表記をよく見るわりに、
マスターした!というハッピーエンドに大抵いっていない。
大体10日ぐらいで途切れてて、ダイエットが続かない人と同じ匂いがする。
〇グラム減、〇百字達成、とかの方がコツコツやれると思うんだけど。
posted by おおおかとしひこ at 12:46| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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