「ターザン」でも、「ダンスウィズウルブス」でも、
もっと昔の「異文明と出会い、恋に落ちる」物語は、
これまで何度も何度も何度も作られてきた。
今の時代に、それを更新するとはね。
手放しの絶賛。
これなら「パシフィックリム2」やらなくて良かったよ。
アカデミー作品賞は、
プロデューサーの賞である。
つまりこのストーリーを企画し、
資金を集め、
全ての造形をフィルムに定着させるために、
全部を用意した、
その計算に与えられる賞だと言って過言ではない。
素晴らしい世界観だった。
素晴らしい半魚人だった。
ベタベタの悪役は最高だった。
あの指が最初から最後まで生きていて、
キャンデーも良かった。
そして何よりあのラスト。
ああ、おとぎ話とはなんと素敵なものか。
この一瞬のために用意された、
全ての伏線の見事さに、
ぼくは映画館で拍手をした。
その後あの二人がどうなったか分からない。
上手な「ラストの省略」ってのはこうやるんだぜ、
「スリービルボード」さんよ。
物語は、
善の面から世界を照らしても良いし、
悪の面から世界を照らしても良いし、
様々な面から照らしても良い。
人類に幻想を与えても良いし、
絶望を与えても良いし、
リアリティを与えても良い。
最終的に、
これまでの歴史を更新し、
人類の宝になれば良いと思う。
この映画は、その品格に相応しい、
現代なりのおとぎ話を見事に更新した。
CGの上手な使い方の見本市だった。
スーツアクターも見事で、
両者の境目はシームレスで、
それを作るスタッフィングこそが、
プロデューサーの手腕だ。
過不足ない脚本も完璧な仕事ぶりだ。
なんと甘く、私たちに希望を与えるストーリーであろうか。
こういう完璧なものを作りたくて、
私たちはこの業界に入ったし、
こういう完璧なものを作れる、
ハリウッドに強烈に嫉妬する。
日本の映画はここに追いつけるのか?
東宝の映画館で見た予告はうんざりだ。
作品賞をとろうとするプロデューサーよ出てこい。
我が方に企画ありまくりだ。
2018年03月13日
この記事へのコメント
コメントを書く