2018年03月14日

【薙刀式v4のススメ】どこがいいの?

だいぶ薙刀式が日常になってきたので、
客観的にまとめてみる。

対ローマ字、対カナ配列のふたつの文脈で書いてみよう。


1 ローマ字から、カナ入力の合理的な配列に乗り換えよう

まず第一に挙げられるのは、
カナ入力全般のローマ字に対する利点だ。

「打鍵数が少ないこと」。これに尽きる。

薙刀式の打鍵数は、100カナを打つ時、
シフトや同時押しをすべて数えると140程度である。
一方ローマ字は170。
総打鍵数が2割減る計算だ。

薙刀式は同時押しなどで2打を1アクションにしているから、
97アクションで100カナを打てる計算である
(ローマ字の4割減)。
このスピード感がきもちいい。


実際のところ、
同時押し部分に関してはロールオーバーが利かないため、
打鍵数の比例で高速スピードアップはしない
(高速打鍵になると、あるキーを離す前に次のキーを押すことが多い。
これをロールオーバーという。
同時押しが絡むキーに関しては、これが同時押しに判定されてしまうため、
ここの部分は「離し待ち」をする必要が出てくる。
この数ミリ秒ぶん遅くなる問題がある。
高速打鍵では1秒あたり3文字以上打つので、
まあまあ効いてくるファクターといえる)が、
工程数が減り、
スピード効率が大幅に上がるのはたしかだ。

とくに工程数が減ることによる、
手の疲労軽減は大きい。
プロフェッショナルに向いている。

なんでもいいから腱鞘炎にやさしい入力方法を求める人にとって、
カナ入力、薙刀式は福音である。


また、カナ入力は脳内発声がほとんどない。
(人による)
ローマ字はその原理上発音と離れられないが、
カナ入力は発音ではなく、文字の構成単位で書くから、
脳内発声がない。(人による)
音によらない意味の構成単位で打っていけるため、
脳が静かになる。

この状態は手書きに近いと僕は考えている。
思考に集中できる環境が、脳の中に作れる。
(人による。脳内発声によって思考し、
脳内発声の写し書きが書くことであるような人には、
効果が薄いかもしれない。
それにしても打鍵効率がよいことに変わりないが)



2 ほかのカナ入力と比べての薙刀式の利点

最も優れた点は、
記憶負担の少なさによる、
マスターまでの道程の短さだ。

拗音、外来音、清音濁音が同置であることに由来する。

とくに拗音外来音を、
「使うふたつの大文字を打つことで拗音の小文字にする」
という直観的な実装をしたため、
覚えやすく一気に打てて気持ちいい。
(「し」「よ」同時押し=しょ、「て」「い」同時押し=ティ。
濁音をふくむ場合は、
「し」「濁点」「よ」同時押し=じょ、「て」「濁点」「い」同時押し=ディなど)

拗音、外来音は、ゃゅょぁぃぅぇぉの小書きカナを用いる、
「発音上は1音にも関わらず2文字で表記する」
というルールの文字である。
この直観に反するルールを、
同時押しを用いて一度に打てるようになったのが、
薙刀式の特徴だ。

これまでの配列の「1アクションの拗音外来音」は、
「使用するイ段文字+法則性のある格子配置の同時押し」
(蜂蜜小梅配列、姫踊子草かな配列)、
「無関係文字+拗音シフトキー」(新下駄配列)
であったが、
「使用する2キーの同時押し」という直観的方法によって、
ゃゅょ拗音のすべて、頻出外来音17をカバーするのは薙刀式だけである。

また、小書きシフトキー(逆手中段薬指との同時押し)
によって小書きカナも打てるので、
定義されていない音も入力可能だ。
(「ぁぁぁぁぁ」とか、「ツァ」とか、統計頻度的に無視できる表記)


この特典は、単に楽であるという以外に、
「配列を複雑にしない」という長所がある。


これまでの配列では、
ぁぃぅぇぉゃゅょをすべて別キーとして定義してきた。
これらは使用頻度が少ないため、
マイナーな存在位置を与えられ、
それゆえますます覚えにくい、
という欠点を抱えていた。

薙刀式にこのキーはない。
大文字を小書きシフトで打つか、
拗音外来音同時押しで打つからである。

これにより、
配列に小書き文字が存在せず、
記憶負担を減らすことに成功している。

また薙刀式は、清音と濁音と半濁音が同じ位置にある。
清音はそのまま打ち、濁音・半濁音は、
濁音シフト(逆手の人差し指中段と同時押し)
半濁音シフト(逆手の薬指中段と同時押し。小書きと同じ)
によって打つ仕様だ。

これによって濁音、半濁音の異なる位置を覚える必要がなく
(たとえば親指シフトニコラ配列では、
濁音は同じキーだが、半濁音は別のキーを用いる)、
あるいは「゛」「゜」のあとづけをしなくてよくなるため、
「1アクションで1つの音が打てる」という特徴がある。

結果、薙刀式では、
わずか28のキーにすべてのカナがおさまり、
(参考:ローマ字では,.含めて28)
シフトにある文字を含めて50の配置を覚えるだけで、
使えるようになっている。
(QZUP/位置にはシフトはなく単打のみ)

余った位置にはBS、候補選択用の左右矢印(縦書き用)が配置され、
ただ文字を打つだけでなく、
その後の入力のことまでシームレスに考えられているのが特徴である。
(文節選択の上下矢印、文節伸長のシフト上下に関しては、
変換キーと同時押しする編集モードで実装していて、
カーソル位置まで手を伸ばさなくてよい仕様となっている。
またエンターは親指の変換キーに定義)


ちなみにこの数え方では、
JISカナ 51音
月配列(2-263式) 63音
親指シフト(ニコラ配列) 62音
飛鳥配列  90音
新下駄配列 133音
となる。
薙刀式の50音と比較されたい。

なお配列のマスターには、
覚えるべきキーの数に比例する時間ではなく、
その二乗に比例する時間がかかると僕は考えている。
(線形時間ではなく乗数的時間)
あるキーと別のキーをつなぐ「組み合わせ経路」を手が覚えないと、
無意識に、スムーズに打てないからである。



薙刀式第二の特徴は、
「日本語を書くうえで本質的な言葉が、
打ちやすいアルペジオ配置になっている」ことだ。

以下の代表的な言葉が、配置上打ちやすい位置になっている。
1(最も速い単打のアルペジオ)
 ある ない する して こと ひと てき 
 いく くる たい いう あい あう
 せい って っと これ それ
 なん たん なる たる なら たら
2(連続シフト中のアルペジオ)
 おも もの つまり むり まに つよ よわ
3(濁音やシフトをひとつ含むアルペジオ)
 です どこ どれ ころ まで めて は、
 える さい なぜ れば もう おう ので 
 ょう ゅう ゃく ょく ゅく よう ゆう
 だい ざい ぜい だん ぜん かり

これらがアルペジオになっていることで、
薙刀式は独特の「ことばの流れ」が存在する。
これが良く使う言葉であったり、
大事にしている言葉などにうまくハマる人は、
打ってて気持ちいいと思う。



高効率で、言葉の流れが気持ちよく、
かつマスターまで早いカナ配列。
その「軽やかさ」こそが、薙刀式の俯瞰的特徴だといえる。


(ここまで書いて、
しまった、薙刀には軽やかさのイメージがない、
ということに気づいてしまった。
名が体を表していない……。
もっと小回りの利く軽めの武器、
ヌンチャク式とか双剣式とかにしておけばよかったなあ……)
posted by おおおかとしひこ at 19:56| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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