さらに前記事の続き。
初心者は、キャラクターや世界の設定を思いつくのに精一杯で、
それだけでストーリーを思いついたような気になってしまう。
しかしそれ以上ストーリーを進めることができなくなり、たいていは挫折する。
キャラクターや設定はストーリーの本体ではない。
構成こそがストーリーの根幹である。
そう思うと、ストーリーの作り方が変わってくるだろう。
キャラクターができていなくても、
構成は作ることができる。
名前や設定がなくても、
「男」や「女2」や「母」や「医者」などと、
役名をつけるだけで、
構成は書くことができるからだ。
もちろん実際の執筆では、細かいことまでつくっていないとリアリティーが足りず、
細部に神が宿ることはないだろう。
しかし、ストーリーの根幹である構成そのものには、
キャラクターや設定が「ないといけない」ということはないことに気付こう。
次に何が起こるのか、
どうしてそれが起こるのか、
最後にはどうなるのか、
それ自体に、
特殊なキャラクターはぜひ必要であるわけではない。
(もちろん特殊な設定のキャラクターや世界設定が、
ストーリーそのものに影響してくるストーリーは、ある)
気を付けるべきことは、
キャラクターはリアクションをするしかしないことである。
キャラクターをつくるとき、
ついついこういう性格で、こういう見た目で、
こういう道具や能力で……などと、
「静的な設定」を考えがちである。
それができることは、
リアクションのみである。
「こういうことが起こる」ことに対して、
リアクションしかできない。
「次にこうしようと思う」ということは、
性格やキャラ設定からは出てこない。
キャラクターや世界設定は、
車にたとえることができる。
エンジンの性能や、タイヤの性能のようなものだ。
車だけあっても、ストーリーにはならない。
「どこへ行くべきか」という、旅こそがストーリーである。
つまり、構成とは、
どこへ行くのか、そこまでに何があるのか、
ということを決めることである。
旅のコースのようなことだ。
もちろん、その旅をする車によって、
速さや行程そのものは変わってしまうから、
キャラクターは大事だ。
しかし旅の目的地や、コースそのものは同じである。
(というか、そのコースをゆくのに最もふさわしい、
または最もふさわしくない車が選ばれるのが、
ストーリーというものだ)
その、目的地やコースのおおまかな部分を決めるのが、
構成を考える、ということになる。
つまり、構成を考えること自体に、
キャラクターや設定は必要ない。
ただし、細かい所を詰めていくには、
必要にはなってくる。
つまり構成をつくるうえでの後半にしか、
キャラクターは必要でしかない。
だから構成を考えるのが先であって、
キャラクターや世界をつくるのが先であるべきではない。
キャラクターや設定を作ってニヤニヤしていることは、
車は買ったがどこへもいかない、
ガレージの中の世界でしかないということだ。
構成をかんがえよう。
どこへ行くのか。
なにをするのか。
その次にどうなるのか。
最後にはどうなって、
それはどういう意味で終わるのか。
誰がそれを経験してもそれが面白いのが、
ストーリーというものである。
2018年03月19日
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