薙刀式の開発も一段落したので、
色々なキーボードで、
薙刀式やカタナ式を使ってみた。
……あれ? 安いキーボードと高級なキーボードって、
こんなに違うんだ。
僕の手持ちのキーボードの感触を比較で書いてみる。
PFU Happy Hacking Keyboard JP BT(静電容量無接点式) 10点
vortex core(メカニカル式赤軸) 7点
Elecom プレミアムメンブレン TK-FDM088T(ライトメンブレン式) 5点
Elecom TK-FCM084(メンブレン式) 1点
iBuffalo BSKBB22(パンタグラフ式) 1点
だいたいこれくらいの差が、
キーボードによってある。
もしあなたがキーボードなんてどれも同じ、
と思っているなら、それは大きな間違いだ。
価格はうろ覚えだが、それぞれ、
3万、1.5万、4000、1000、1000くらいだった。
コスパで考えるなら、
実はプレミアムメンブレンは優秀だ。
これ、ググってもあんまり評判が出てこない。
富士通が推すリベルタッチ並みの感触があるから、
hhkbLite(hhkbとブランド名はあるが、キーの感触が全く違うパチモンだ)
を買うくらいならこれ買ったほうがいいと思う。
親指シフトに向いてるタッチだと思うんだけど
(変換キーが外ぎみなので、orzでやったほうがいい)。
普通のメンブレンやパンタグラフのキーボードしか触ったことないなら、
あなたはキーボードを触っていないも同然である。
「フリックのほうが速い」なんて若い人が言うのも、
こうした普及版の安いキーボードしか使ったことがないからではないか。
そもそもqwertyローマ字が不合理で、
エンターやBSが遠くて不合理だと思っていた僕は、
一気に高級キーボードを買って、
かつ配列もいじった。
それは両方やらずに、
高級キーボードを買うだけで、ある程度は問題なかったのかもしれない。
劣悪なキーボードは、
それだけで生産性を1/10に落としていると僕は思う。
量だけでなく、質もだ。
こんなものでまともな文章が書けるはずがない。
物書きに一番大事なのは、
量ではなく質のほうだ。
使いにくいキーボードを使うくらいなら、
フリックで書いたほうが質は保証できると僕は考える。
(量は無理だけど)
それくらい、安いキーボードを使ってはいけない。
僕はノートパソコンを使うやつは馬鹿だと思っている。
キーボードを選べないからである。
キーボードありきでそのノートを使っているなら問題ないが。
(たとえば富士通とかはいいキーボードを入れている。
次善はMacかな。でも所詮はパンタグラフ式よ)
高級なキーボードは何が違うのか?
それは軽さだ。
安いキーボードの半分の力で押せる。
フェザータッチとよく言われる。
数字でいうと、押下圧といって、
安いメンブレンやパンタグラフが60グラム程度の数字であるが、
高級キーボードでは45や30が当たり前である。
しかも高級キーボードは、
最後まで押す必要のないものがほとんどだ。
キーストロークの半分あたりにスイッチポイントがあるので、
打鍵後半はブレーキエリアになっている。
対して安いキーボードは、底打ちをしないと打鍵が認識されない。
だから出来るだけ強く打つ習慣(ッターン!)がついてしまう。
しかし高級キーボードを使うなら、
ふわふわと軽く打つ習慣がつく。
この差で、押下圧の数字以上に労力の差が出る。
店頭で試すと、本体に接続されていないため、
この「半ばで打つ感覚」が体験できないのが残念だ。
安いキーボードも高いキーボードも底打ちでの比較をしてしまいがちで、
だから店頭で比較するのは頭が悪い。
(販売店は逆に損をしていると思う。
高級キーボードは接続して初めて良さがわかる。
これを見ている販売店の人がいたら見直すべき)
高級キーボードを使う者で、
底打ちの音を毎回させているやつなんてへたくそな使い手なのだ。
それくらい底打ちには意味がない。
僕はhhkbを買い、薙刀式を使うことで、
一日1万字書いても平気な環境を、ようやく作ることに成功した。
キーボードや配列に気を遣う前は、
qwertyローマ字と安いメンブレンキーボードで、
6000字をコピータイピングするのに、
途中休憩を入れて5時間くらいかけていた。
いまだと90分から2時間切るくらいにはなってる。
もちろん薙刀式の威力はあるものの、
たとえqwertyローマ字でも、生産性は飛躍的に上がることは予測される。
僕のqwertyローマ字と薙刀式の単純比較だと、
約倍の開きがあるので、
キーボードの生産性のファクターは倍程度と見積もれる。
しかし高級キーボードの威力がわかるのは、
実は二日目だ。
疲れが全然違うのである。
そりゃそうだ。筋肉労働量が倍以上差があるからだ。
ということで、
ずっと文字を打っていく生活をする人は、
キーボードを良いものに変えるとよい。
腱鞘炎という職業病との付き合い方も変わってくる。
体感の気持ちよさで10倍、
当日作業負荷で倍以上、
日にちをまたいだ時に3倍以上、
開きがあるというのが僕の結論である。
店頭で触っても、先に書いたように本当のところはわからない。
高級すぎる冒険価格なので、
使用者に頼んでさわらせてもらえるのが一番体感しやすい。
僕も頼まれたら触らせてあげるつもりだが、
なかなかそういう人は周りにいないもんだよなあ。
通販で買うのはギャンブル過ぎる。
プレミアムメンブレンは量販店の店頭にあるから、
それを触ってみるのがまずはおすすめか。
1万円程度のFilcoマジェスタッチ(赤軸推奨)
あたりを買ってしまって、
ギャンブルと割り切るのがいいかもしれない。
まあ風俗一回行くと思えば、どうということない投資ではないか。
それくらいならオークションで買って、
気に入らなければ売ればダメージも少ないかもしれない。
で。
失敗した投資の山が、
たいしたことないキーボードの山になるので、
文字入力に気を遣う人の家には、
使っていないキーボードがごろごろある、
という冒頭の光景になるわけである。
結論はhhkb一択。
BTが便利。
JP配列でないと、変換キーや無変換キーをカスタマイズできない。
カーソルキーもついてるし、US配列よりおすすめ。
(問題とされているz段のずれは、すぐ慣れる)
ゲーマーやプログラマーはしらん。
ここを見ているだろう、
脚本家や小説家やその卵たちにむけて書いている。
2018年03月19日
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