2018年03月20日

構成とカード法

構成ができたら、それを元に具体的な場面をかんがえる。
どこでのどういう場面なのか、
誰と誰の場面なのか。
それを構想して整理するのに、
カード法はとても有効だ。


カードはなんでもいい。
会社によくある付箋を僕は使っている。

「一つのカードに、一つのアイデア
(または場面、新事実、ターニングポイントなど)」
の原則で書き込み、
それらを机かどこかの大きなところにペタペタと貼っていく。

全体ができているかどうか、
場面が全然足りていないか、
ここはうるさいから減らすべきか、
などを試行錯誤するのにカードは便利である。
(デジタルはおすすめしない。
アナログの方が速くて柔軟である)

それを貼ったりはがしたり、
新しいカードを足したり、
いらないやつを除いたり、
復活させたり、
違うバージョンをつくって比較したり、
色々できる。

とにかく頭から尻まで、
一続きにつながったなにかを作り、
それの細かい具体的なアイデアと、
その順番やありなしを練るのに、
カードを使うのはなかなか有効だ。

最近は僕は慣れてきて、
わざわざカードを使わなくても、
頭の中で整理できるようになってきたから、
あんまり使っていなかったが、
ついさっき、
久しぶりにカード法で全体の構成を眺めてみた。

このカード法が有効なのは、
「自分が脳の中で把握しきれない量があっても、対応できる」
という点である。

色々妄想したことをとりあえず全部ぶち込んで、
自分の中から全部吐き出す、
ということが可能であるのが、
このカード法の有効な部分だ。

とくに複雑な話を構想しているときは、
自分の中での話の整理にも役に立つ。
(つまり僕は、いま複雑な話を構想中ということである)

とにかく思ったことをなんでもカードにしたためるのがよい。
それが全体にとってありかなしかを考えるのにも、
カードはちょうどよい。
必要なら貼っておいて、
いらないならはがし、
また必要だと思えば貼り付ければいい。
カードは柔軟に扱ってよい。
どうにでもなるところがいいところだ。
その試行錯誤そのものが、
ストーリーを考えるという行為である。

これのいいところは、
穴を確認できるところだ。
ここが手を抜いているとか、
ここがわけわからないとか、
そういう見えていなかった部分を、
可視化するのにカードは向いている。

ここからここまでジャンプしすぎているから、
間にカード何枚かを挟んだほうがいいぞ、
などと判断することもできるだろう。
あるいは、
刺激されて、新しいアイデアがわいてきて、
カードの枚数が増えることもよくある。
それはいいことだから、
とりあえずカードにしたため、
貼ってみることが大事である。
それが全体にとっていらないなら、はがせばいいだけのことだ。

そうやってアイデアの足し引きをして、
全体をシェイプしていくことが、
構成の目的だ。
テーマは全体から見えるか、俯瞰で考えるべきである。

あるパートが長すぎないか、
あるパートは短すぎないか、
こういう全体の時に、
どういうテーマが浮かび上がっているか。
もし鮮やかにテーマが浮かび上がらないなら、
なにが必要か。
あるいは今あるなにかはカットするべきか。

そういうものの試行錯誤に、
カードは向いている。

このあと、ブレイクシュナイダー的には、
40枚に限定して、
全体の構成をしていく。

しかし現段階ではそういった難しいことは一切考えず、
ストーリー全体を見ることが目的だと割り切って、
カード全体を眺めるのが良いと思う。

どうせそのうち、
第一ターニングポイントや、
ミッドポイントや、
第二ターニングポイントになるべきところは見えてくる。

それよりも、全体が無理なくつながって、
しかも面白い展開になっているかどうかを、
考えたり思いついたりすることに、
時間を使うとよいと思う。

カードはたくさん用意しよう。
僕がいまやっているのは、
現在全部で38枚のカードになっていて、
まだ増えそうな勢いである。
いったん全部を書きだしてから、
これを足そう、これを引こうということを考えるために、
今俯瞰しようとしている。


構成が正しくなっていけばいくほど、
無駄のない、
面白い、濃い展開になっていくことは間違いない。
それと同時に、そろそろキャラクターが出来上がっていくことだと思う。
そうすると、
これに見合う強烈なキャラクターを考えよう、
という風に見ることができて、
キャラクター創作も面白くなってゆくというものだ。

いま「北九州の魔女」というヘンテコなキャラができそうだ。
そのまま使うかどうかはこれから次第だが。

「こういう全体があるから、
こういうキャラクターをぶつけたほうが面白い」
なんて全体が見えているほうが、
判断しやすいのはたしかだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:45| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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