続き。
分量を増やしていこうとするとき、
サブプロットを増やすのが良いと思う。
メインプロットの段取りを増やしていってもいいが、
単に段階が増えてつまらなくなるだけのような気もする。
縦に広げず、横に広げる、
という意味で、サブプロットの増減を考えにいれるといい。
要するに、登場人物を増やす、ということである。
しかし単に増やしても混乱する。
そういう時は、
「周りにいる人はだれか」と問うとよい。
たとえば高校生が主人公なら、
いきなりアメリカ人を登場させたら話が変わってしまう。
どうしても登場させたいなら、
海外からの留学生にするとか、
その高校をインターナショナルスクールにしてしまうといいが。
つまり、ぽっと出にせずに、
「今までにあるものと関係しているようにする」
とよい。不自然ではなく、自然に世界になじめるだろう。
ここまで環境を変えないならば、
「周りにいる人はだれか」と問う。
主人公の周りにはどういう人がいるか?
親、兄弟、親戚、友達、その家族。
先生、その家族、校長や教育委員会、
電車通学なら運転手や駅員、
コンビニの店員、ラーメン屋の店長やバイト、
スーパー、文房具屋、ゲーセン、などなど、
生活圏内でかかわる人。
その中で、一番面白そうなところに、
スポットを当ててみるとよいのだ。
ランダムでは答えがないから、
どういう面白いサブプロットがあり得るか考えて、
面白そうになる人をピックアップするとよい。
そして、ここからが重要なのだが、
「それがテーマと関係していること」である。
単純にコンビニ店員の面白い話が仮に思いついたとしても、
その話が本編と全く関係ない話になるのなら、
それは意味がない。
たとえば高校生の主人公のメインプロットが、
自信を出して告白する話だとして、
思いついたコンビニ店員の話が、
宇宙人を捕獲する話だとしよう。
全然関係ない話なら、
それは二本の話が入っているだけのニコイチの物語にすぎず、
だったら二本書けばいいだけのことだ。
もし宇宙人の挿話が、
勇気を出す秘訣についての話なら、
メインプロットに絡んでくることだろう。
つまり、メインプロットに絡むような話なら、
それはサブプロットになりえる可能性がある。
ばらばらの話が入っているのは、
一本のストーリーとは言わない。
関係ない話が順番に、あるいはぶつ切りに入った、
ただのパックである。
逆に言うと、一本の話というのは、
そのようなテーマに関係あるいくつかの話が、
絡み合って進行するものであるといえる。
それらが、サブプロットといわれるものだ。
周りにいる人は誰か、
と問うことで、
サブプロットに値する人物を見つけることが可能になる。
いそうな人で、
かつテーマに関する出来事を起こせそうな人。
逆に、いそうな人をまず決めてしまい、
(たとえばコンビニの店員)
その人が抱えるテーマを、本テーマから逆算で決定するという手もある。
たとえば、コンビニの店員はとても自信があるが、
それゆえに偉そうであり、嫌われている、
という風に主人公と逆の立場であるように作る。
そうするとその二人が出会ったとき、
必ず化学反応が起こるはずだ。
コンビニの店員はなんでそんなに自信がないんだ、と怒るし、
高校生はなんであんたはそんなに偉そうなんだよ、
と嫌うだろう。
あとはこの二人を面白い出会い方をさせて、
主人公の本来のメインエピソード、
たとえば彼女に告白する場面に絡ませていけばよいわけだ。
単純な一直線の話が、
複雑に、紆余曲折があるようになってゆく。
同時に、同じテーマを描くのに、
多角的、重層的なものになってゆき、
厚みが出るようになる。
つまり、分量がふえ、
目的の長さを再び考え直せるようになるわけだ。
コンビニの店員じゃなければ、
喫茶店の店員でもいいし、
保険の先生でもいいし、
親でも親戚でも、親友の親戚でもいい。
その周りにいそうな人のエピソードを考え、
メインプロットに巻き込むようにするとよい。
そのときにその人物のエピソードが、
どうメインテーマと絡むのか、
考えていければOKだ。
(調整しても関係ない話になりそうならカットして、
別の物語にするとよいだろう)
魅力的なサブ人物は、
このようにして作られてゆく。
あまりにも近すぎて面白くないなら、
全然遠い世界と、
どうにかして出会うように話をもっていけばいいだけのことだ。
ストーリーの中では、
なんでも起こすことができるということを覚えておくことだ。
(面白ければOK。自然ならさらによい。
自然だが面白くないなら、面白くて不自然な方が勝ち)
殺人事件が起こると、警察が出てくるし、
弁護士や裁判官も出てくるだろう。
たいていのミステリーでは、
これらのサブ人物で賄っていることが多いわけだが、
それらを嫌って、突拍子もない人物を入れたって、
たとえばその場に巡業中のプロレスラーを入れても、
話が成立すればOKなわけだ。
想像力をはばたかせて、
周りに誰がいるかを考えよう。
2018年03月21日
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