2018年03月23日

設定を作り出す

さらに続き。
ここまで設定はつくらない。
構成、テーマ、全体のストーリーができて、
ようやく設定だ。


設定を先につくってしまうと、
車だけ作って旅に出ない話になってしまう危険性についてはすでに書いた。
旅のコースを先に作っておいて、
それがどういう車ならより面白くなるか、
を考えるといい。
(痛い目にあったことがないと、これは実感できないかもしれない)

つまり、キャラクター設定なんて後で考える。
これは後付けではない。逆算だ。


命名や人物関係などができてくると、
その人がどういう人か、考えたくなると思う。
そこでようやくその人が血肉を帯びてくる。

で、本題。

「この先に起こること」は、すでに分かっているはずだ。
ということは、
「その人の初期設定を、最後と逆にする」のである。


たとえば勇気を出して告白するなら、
その人の初期設定は「勇気や自信がない人」に設定する。

正義の勝利にするなら、
主人公は、
正義の心がない人、正義を信じない人、
正義にかつて裏切られたことのある人、
などに設定すると、面白くなる。

つまり、その人の中で、
真西から真東への、全く真逆の心理変化が起こるように設定するのだ。

それがどうやって真逆に劇的に変化するかは、
あなたが作らなくてはならないので、
いかに設定だけしても物語にはならないことには注意されたい。
しかし主人公の心理や考え方が真逆になるような大逆転劇は、
一から作るより作りやすいはずだ。
なぜなら、
もうできている大体に、それを借りて話を上乗せしていけばいいからである。

その大きな心理変化がなかったとしても、
それはすでに面白いことになっているはずだから、
このことは、話をさらに深く、面白くなるようにしていくはずだ。


ということで、ゴールと真逆に設定を作ることは、
非常によくある設定の方法だ。
スタートを困難から始め、
ゴールを美しくできるはずだ。
もっとも、どうしてそのゴールに至るか、
面白く、深い話をつくれないなら、
その設定をつくるだけ無駄だけど。


真逆から始めろ。

主人公に徹底的に苦労させるのだ。
(苦悩はいらない。メアリースーを呼ぶ)
いろんな障害物を置け。
どうやって乗り越えるかをつくっていけ。
主人公は常に逆境だ。
だからストーリーというのは、面白いのだ。
どう逆境を跳ね返すかが、ストーリーなのだから。

構成とテーマさえできていれば、
それらは肉づけに当たる部分である。
しっかり骨さえあれば、
うまく設定して肉付けしていけるはずだ。


これを専門用語で、
外的ストーリーを作ったあとに、
内的ストーリーを真逆からスタートさせる、
といった言い方をする。
実際にはこのようにするわけである。
posted by おおおかとしひこ at 19:18| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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