2018年03月27日

【菊右衛門さんへの回答箱2】年齢の表記

>年齢について。最初の登場では「フルネーム(年齢)」という形で表記するとのことですが、これをどう解釈すればよいのかがよく分かりません。「最初の登場」というのは、いわゆる第1話での最初の登場だけのことではないという理解でいいのでしょうか?

1話の最初の登場時に限ります。
花沢さんが2話で初登場なら、その初登場時でよいです。


映画の場合、第〇話というのはありませんから、
「初登場」はわかりやすいでしょう。
この質問はシリーズものの表記法についてのものと考えます。

シリーズものの場合、レギュラーとゲストがいます。
レギュラーというのは(ほぼ)毎回出る人のことです。
ゲストというのは、その回しか出ない人のことです。
ちょいちょい出る人は準レギュラーといいます。

レギュラーの場合、
最初に人物表があるので、初出以外は表記不要ですね。

準レギュラーのような微妙な場合は、その作品内での統一表記を、
メイン脚本家が決めることが多いですね。


>必要な時(例えば波平の少年時代の回想など)だけ年齢を書くということもあるのでしょうか?
そうですね。

実写をベースに考えると、
「同一人物」だとしても波平の少年時代は役者を用意しないといけないので、
そのときは初出扱いになります。


自分で分からなくなったら、
「何人の役者をキャスティングしなければならないか」
のリストアップをして、
その人数分、初出があるということで整理できるとおもいます。

なぜ年齢表記が慣習的にあるかというと、
映画はビジュアルで大体年齢がわかるのに対して、
脚本では名前だけなのでわからないからです。
(「カツオ」は20かもしれないし、60かもしれない)
絵で伝わる情報を文字で伝えるための方便、
と考えると、その存在意義がわかると思います。

デーモン小暮(10万42歳)と書くより、
デーモン小暮(年齢不詳)と書くほうが、
そのビジュアルを伝えやすいと考えます。


どちらの質問にも言えることですが、
「あなたの表現したいことを脚本のルールで表現する方法」ではなく、
「読む人が何を想像すれば絵が浮かぶか」
が基準となっていることに留意してください。
posted by おおおかとしひこ at 18:24| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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