(構成から始まった記事は、ちょいちょい寄り道しながらも、
ここまで一応続いています)
絵を考えるということは、
実際の原稿に片足をつっこみかかっているわけだ。
だからすでに登場人物はしゃべりだしているかもしれない。
この時点で、プロットとしてのあらすじを、
書いてみるのもなかなかよい。
最初のイメージとはだいぶ違うストーリーに、
窯変しかかっているからである。
これをもうすこし練ってもよいし、
色々なキャラクターを掘り下げて、
いろいろなサブエピソードを思いついてもよい。
色々な登場人物を頭の中で会わせてみるといいかもしれない。
会ったことがないだろうから、
化学反応をしはじめるかもしれない。
そこで新しいエピソードを思いつくかもしれないから、
やってみるのはとてもよいことだ。
あるいは、新しい秘密や嘘を追加することもあるかもしれない。
それが絵に対して影響を与え、
違う絵のほうがいいかも、とさらに深くなるかもしれない。
あるいは小道具を変えてみると、
まるで違う場面や設定や絵になるかもしれない。
それありきで、またストーリーを変えてみるのも手だ。
色々な変数がどんどん増えてきて、
収集がつかなくなってきたら、
なにかの一覧表を作ってみるとよい。
そうすると整理できるはずだ。
人物設定一覧、
プロット一覧、
過去の出来事一覧、
世界設定一覧(地図などもあってよい)、
小道具一覧、
動機や目的の一覧、
サブプロットの一覧、
などなどである。
とにかく俯瞰したり、細かいところを見たり、
色々な視点からこの話を眺めてゆく。
これが熟成するということだ。
仮にワンシーン書いてみる、もやってもいいかもしれない。
しかしこれはまだ本チャンではなく、
試しに雰囲気を知るために書いてみる、
「ためしがき」にすぎない。
実際の原稿を書くときはこれを参考にしないほうがいい。
実際の執筆ではもっといい書き方が思いつくはずだ。
(もし思いつかなかったら、
とっておいたこれを見ながら書いたって良いのだ)
このあたりで、調べものをすることになるだろう。
リアルはどうなのかとか、
実際に例はあるのかとか、
既に使われたネタかどうか、
などなどだ。
嘘をつくなら本当を知ることだ。
リアルはこうだが、フィクションではこうだ、
という線引きができていればよい。
で、フィクションとリアルの境目を、
わかりにくくしていくことになるだろう。
こういう熟成は、
どんどんやっていくとよい。
メモだらけになるだろう。
試しに書いてみた場面は、
いろんなパターンが出てくるかもしれない。
たぶんごちゃごちゃしたメモやノートだらけになっていくはずだ。
で。
いつかそのメモやノートを、全部一回しまったうえで、
白紙に描き始めるとよいだろう。
十分に熟成が進んでいたら、
迷うことはほとんどなく書いていける。
迷ったら、膨大なメモをひっくり返して、
次何を描いたら面白いかを、考えるとよいだろう。
逆に、のちのち迷い、立ち止まらないように、
いま、十分に熟成をしていくのである。
あなたのストーリーの中で、
わからないところがないように、
すべてを詰めておこう。
細かいところまで詰めておくと、
自信が変わってくる。
それは「観客を楽しませる」という余裕につながる。
たいていの初心者は、
書くのに必死で観客の目線まで見ていられない。
ベテランならできる。
できない人は、
「自分が一番最初の観客として、
うるさい客になる」のがおすすめである。
「もし自分がうるさい客としたら、
どこまで詰めていないと納得がいかないか」
を考え、
気のすむまで熟成していくとよいだろう。
一本の線が通っていないとこれはできない。
ストーリーが右往左往するからである。
ストーリーが決まっていて、初めてこういう余裕ができるのである。
構成からここまで、だいぶかかることは予測できる。
まあゆっくりやっていくことだ。
急いだっていいストーリーにはけしてならない。
締め切りがあるのが普通だけど、
いいストーリーにならないのなら、
作ったって意味ないのだから。
2018年03月31日
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