2018年04月01日

【入力の話】ブラインドタッチの習得、中級編

ブラインドタッチの初歩、一応大体のキーを覚えた段階のあとに、
試してみるとよい方法。

「目をつぶって打ってみる」である。
つまり「ほんとのブラインドタッチ」をしてみるのだ。


たとえばワンフレーズや一文。
たとえば俳句程度。
たとえば歌の一番。
たとえば歌の全部。

習熟度に合わせて長さは変えるとして、
画面もキーボードも見ないで、
一切視覚を使わずに、
「触覚だけでことばを綴る経験」をするのが、
ブラインドタッチのマスターには不可欠の段階であると、
僕は考えている。

部屋の電気を消してもいい。
アイマスクでもいい。
視覚を遮断するのがいかに不安であるか、
まず知ろう。

次にあなたは、手の感覚が鋭敏になっていることに気づくはずだ。
ホームキーのポッチがどれだけ灯台の役目をするか、
あなたは理解する。
キーのエッジがどこにあり、
エッジとエッジの間まで触覚で分かってくるはずだ。
スペースキーはここで、
エンターキーはここで、と、
文字キー以外のキーまで、
なんとなくの位置関係はわかるはずだ。

頭の中に写真記憶で配列図が入っている人もいるだろうが、
ブラインドタッチは写真記憶ではない。
指が覚える運動感覚である。
だから、実際に触覚だけで運動するのだ。

練習用の一文や、
好きな一節を入力しよう。

目を開ければ一発で答えあわせだ。

目を開けて、もう一度同じものを打ってみよう。
なにをどう間違えたのか、
指の運動の誤り訂正として理解しよう。
本来こう打つべきところを、
こう間違えたのだ、
だからこうやって正解するべきだ、
と理解しよう。

わかったら、
目をつぶってもう一度打つ。

正解かどうかは、
目を開けてチェックする前にわかるべきだ。
それがブラインドタッチだ。
指でミスタイプか正解か判断できるようにならないと、
文章なんて書いてられないぞ。
頭は文の内容を、手は文字を書くことに、
分離するべきである。

だから、
そもそも目つぶってミスするような手に、
ブラインドタッチなんて任せられない。

逆にいうとブラインドタッチとは、
本当に見なくてもタイピングできることなんだよ。

(僕はこの意味を強調するために、
あえてブラインドのことばを使っています)


たとえばタイプウェルでタイムアタックするときに、
指で正解が分からないと、
指が喋る速度でなんて打てない。
目は画面しか見てないからね。

最悪、画面を見ずにキーボードだけで文章が打てるはずだ。
漢字変換はおいといて、ひらがなだけだとして。
(そういえばガラケー時代、
冬の寒いときにポケットの中でブラインドタッチで、
メール書いたなあ)


手書きでメモを取るときだって、
アイデアが蒸発する前に書くから、
目は手や字を見てないことのほうが多い。
目はどこを見ているかというと、
そこに実在しない、アイデアそのものを見ていて、
実在の風景を見ていない。

文章を書くということは、
つまりは白昼夢を見続けることである。

だから手なんて見ない。
白昼夢に意識は集中したい。
だから手は、手探りだけで文章を書くのだ。
ブラインドタッチとはその為のメソッドだ。


これを段階的にシミュレーションするのに、
目をつぶるわけである。
0円で始められるよ。
苦手運指や苦手指があるときは、
目をつぶって感覚だけでやってみよう。
覚えてない文字があるなら、
目をつぶって体感覚だけで覚えていこう。
配列を見ないで打つということは、
体感覚で打つということだ。

体感覚で打つということは、
たとえば習得初期は、
座る姿勢を変えたら思い出せなくなる、
という現象に遭うこともあるくらいだ。
たとえば組んでる足を逆にすると、
急に思い出せなくなったりするよ。
あるいはキーボードをちょっと斜めにしただけで、
てきめんに打てなくなったり。
そういう変動にも対応できるようになるのは、
だいぶ慣れたあとのことが多い。

ブラインドタッチは運動だ、
って分かってる人は言うんだけど、
分かってない人には分からない感覚だ。
目をつぶれば、
それが体感覚頼りの運動だと、
体感できるはずだ。
posted by おおおかとしひこ at 10:43| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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