2018年04月02日

全部入りプロットを書いてみよう

すでに頭の中にあるストーリーを、
一気に書き切ることをしてみよう。


プロットの形式は大抵の場合あらすじ形式だが、
「全部入りプロット」の形式では、
セリフを書いたりしてもよい。
とにかく思うものを全部ぶち込んだものを、
一度全部吐き出してみる、
ということをやったほうがよい。

ストーリーを書くことの動機のひとつとして、
「思うものを表現したい」ということがあるけれど、
初心者の場合、
「内側にあるものをぶちまける」だけで、
気持ちよくなってしまってそれで終わりになることが多い。
つまり、単なる押し付けのオナニーなんだよね。

なので一旦全部ぶちまけることを、
執筆前に全部やる、というのがこの段階だ。
つまり賢者モードになるための、
まず最初の爆発をするのである。


昨日8300字かけて書いたものは、
実はミッドポイントまでであった。
つまり僕の今のマグマは、16000字程度ある事になる。
残り後半分のマグマを貯めたら、
一気に書いてみようと考えている。


賢者になると、
全てがすっきりと見渡せるようになる。
落ち着きと理性を取り戻すわけだ。
無理と無駄と無茶があるかどうか、
一度書いてみてわかったところもあるはずだ。

そうすると、さらにそのストーリーを磨いて、
よりよいものにしていこうという、
よい循環が回り始める。

すぐにここで結論を出さずに一旦はぐらかそうとか、
ここは貯めずにざくっといったほうが荒々しくて良いとか、
室内と屋外で場所を変えていこうとか、時間帯や季節のこととか、
「どうすればこのストーリーをよりよく見せていけるか」
という余裕が出てくるものである。


マグマを貯めることはとても大事だ。
それは創作者のモチベーションそのものである。
しかしそれをうまくコントロールするのもまた、
創作者の技術というものだ。

溜まりすぎたマグマは、
爆発するだけで楽しくなってしまい、
客観性を欠くだろう。
一人パーティの後片付けほど、
虚しいものはない。

そうならないように、客の前に出す前に、
自分のマグマとはどのようなものなのか、
一度大爆発させて、
客観的に全体を眺めてみると良いのである。

人間というのは不思議なもので、
全体が見えた途端、
「全体を意識した部分」の振る舞いができるようになる。

マグマが溜まっているだけのときは、
単なる欲求不満で、
まだ全体を見る余裕がないものだ。


全部入りプロットを書くこと。
文章形式に限るとしよう。
(絵やイラストをつけてもいいのだが、
文章だけで書き切るトレーニングも兼ねている)

一度全体を大爆発させたまえ。

真の創作は、それをどうやって最終形に、
見せ方も含めて収めていくか、
という、
冷静と情熱の間を行き来することで、
完成して行く。
posted by おおおかとしひこ at 13:10| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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