ブラインドタッチは1キーごとの暗記ではない。
「言葉と『指順』の一対一対応」だ。
(たとえば薙刀式では、「ということで」は、
左中指→右中指→右薬指→左人差し指→左中指→左中指と右人差し指同時押し)
薙刀式をまだちょっと改造しているのだが、
配列を変えた時に、慣れるまでに時間がかかる順がわかってきた。
楽な順にいくと、
1. 段の変更
2. シフトとアンシフトの変更
3. 対応する指の変更
4. 右手と左手の変更
というのが経験則のようだ。
指を変更すると、その音だけが咄嗟に出なくなるのは勿論だ。
しかし実際にそれ以上時間がかかるのは、
「その音を含む言葉の、その音の前後の指がもつれる」という現象が起こる。
つまり、冒頭の仮説になるわけである。
X指からY指に変更すると、
8指→X指、X指→8指の部分を、
各言葉について全て、
8指→Y指、B指→Y指に、
スムーズに運指できるようになるまで練習する必要が出てくる。
で、ある言葉に関しては変更をマスター出来たとしても、
あまり頻度が高くないマイナー語に関しては、
以前のX指の運指の記憶が残っている、という現象に何度も遭遇する。
ということは、ブラインドタッチとは、
音の位置を暗記し、いちいちそこから呼び出して組み立てる、
ブロック組み立て方式ではなく、
一連の言葉と一連の指の流れを一対一対応させて記憶して、
「その言葉が来るとその一連の流れを出力する」という行為である、
ということがわかる。
その言葉が多い方が、長い方が、ブラインドタッチが速いわけである。
これはブラインドタッチが出来る人には今更な常識だろうけど、
出来ない人にとっては、まるで想像の出来ない領域だと思う。
スト2で波動拳コマンドはもう一連であるように、
私たちは「指の順番」を一つのコマンドとして、
一つの言葉に対応させているのである。
何が言いたいかというと、
「配列表の丸暗記をして、あとは自由文を書く練習」
なんてバカな真似はやめなさい、ということ。
まず中段だけで出来る言葉。
その「言葉と指の順番」の一対一関係を作ることからはじめなさい。
次に中段のシフト、上段、そのシフト…と、領域を広げて、
「出来る言葉」を増やしていくのが、最も合理的だということ。
「段のみ」から始める理由は、最初は一指一音になるからである。
一指二音、三音…と増やしていくわけだ。
(qwertyローマ字みたいにクソみたいな配置の配列は、
上段からやった方がいいかもね。上段の頻度のほうがあるから。
いう、おう、おい、とう、つい、りゆう、りゅう、えり、れて、てれ、
とり、うえを、るいるい、ぽつ、ぽて、などなどと練習を始めるのがよい)
複数の配列のマスターが難しいのは、
この「言葉と一連の指の流れの対応」を、複数常用することが困難だからではないか。
「ローマ字とカナは並立できる」という経験則は、
子音母音とカナという「音の構造」が違うことで、別物と脳が認識するようである。
(それでも経験上、一音一指の、「い」「う」「ん」あたりは混乱しやすい)
逆に音韻構造が同一である、ローマ字複数、カナ複数のマスターは困難であるそうだ。
(バイリンガルやトリリンガルのように、複数出来る人は出来るかも知れない。
右ハンドルと左ハンドルをいつも複数乗るような感じかね。
僕の経験では、カナ配列はひとつ、ローマ字はひとつと、
qwertyローマ字のサイトメソッド、くらいなら行ける。
またカナ配列2つ目を習得するとき、
「ひらがなでなくカタカナで覚える」という裏技もあるらしい。
音韻構造を無理やり変えるわけだ)
最適化(特定のワードに限り、使う指を変更することで速くするテクニック)
が可能なのも、「言葉と一連の指の流れの対応」という仮説を、
裏づけていると考える。
ブラインドタッチは一個一個の音の暗記ではない。
指の順番で言葉を覚えることである。
もしブラインドタッチに挫折した人がいるのなら、
そのつもりで再学習することをオススメする。
2018年04月05日
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