2018年04月07日

上手い人ほどコンパクトに書ける

技術を見るには、コンパクトに書けるかを見るといい。

なぜなら、(初心者には経験があると思うけど)
ストーリーの立ち上げまで手間がかかり、
中盤の展開が不十分なうちに、
終盤が来てしまうからだ。


初心者から中級者で一番困るのは、
中盤の展開ではないかと考える。

何をしてよいか、急にわからなくなる。
あるいは、一直線に解決にすぐに向かってしまう。

手としてあるのは、
別のキャラクターを出して、
問題を別の角度から見てみる(Bストーリー)、
一度障害にぶち当たらせ、
まっすぐ行ってはダメだとなり、
別の道を模索させる(障害)、
などであろう。

全然別のサブプロットを始めて、
本線に上手につなぐ方法もあるけど、
下手な人はストーリーが二本になるだけで、
余計にまとまらないことのほうが多い。
(まとまらないストーリーが一本多くなってしまう)


実際のところ、
本当に力を注がなくてはならないのは、
この中盤だ。
魅力あるサブキャラを出したり、
面白い名場面を作り出さなければならない。
主人公の深い部分を知り、
忘れられない場面を作らなければならない。
あるいは、信じていたものが崩れたり、
崩れていたものが復活したりしなければならない。
アクシデントがあったりハプニングがあったりしなければならない。
呉越同舟があったり、分裂があったりしなければならない。

どういう中盤があり得るか考えるには、
名作の中盤を研究することだ。
沢山のアイデアのバリエーションを研究することが出来るだろう。

しかしそもそも、
豊かに中盤を充実させるには、
序盤でたらたらしていてはいけないのである。


そもそも、
セットアップに時間がかかっていてはならない。

どういう状況にいるどういう主人公なのか、
どうやって巻き込まれたのか、
大きなこのストーリーの目的はなにか
(どうなればこのストーリーは終わりか)、
主人公はなぜそれをしようと思うのか、
これらが、
出来るだけコンパクトになっていれば、
中盤に時間をかけられるわけである。

これは、ただ短くすることを意味しない。

十分な感情移入と、
十分な興味を湧かせられるだけの、
魅力的な序盤を、
しかも短く作らなければならない、
ということなのである。

これが難易度が高いからこそ、
多くの初心者は、
ダラダラと長い序盤になってしまい、
感情移入も興味もそこそこ、
中盤に入ったら迷走、
という前半戦になってしまうのだ。

ほんとうは、
キリッとしたセットアップが終わり、
さあ本格的に面白い中盤が始まり、
もうなにか分からないまま夢中になるように、
作っておくべきなのにだ。

原因は?
ダラダラとしたセットアップで、
あなたの労力や才能がほとんど使い果たされることにある。

あなたの労力や才能は、
全体の半分はある中盤、
それは主人公をより深く魅力的に見せたり、
主人公を食いかねない魅力的な脇役たちが、
縦横無尽に活躍する、
その部分にこそ注ぐべきなのだ。
そして当然のことだが、
終盤、クライマックスこそが、
最も労力と才能の爆発になるべきなのだ。

つまりストーリーというのは、
どんどん面白くならなければならない。

にも関わらず、
セットアップに時間がかかるだけで、
あとは伸びたラーメンのようになってしまうのだ。


出来るだけキリッとセットアップしよう。
話はそれからなのだ。


上手い人ほどコンパクトに書ける。
序盤の上手さは、実は最も技術が必要なところだ。
これが難しいならば、
後半の重要な場面を、
たったひとことのセリフで劇的にするなど、
シーンをコンパクトに、かつよりよくすることを、
試して見るとよい。
(どのシーンでもよい)

そうすると、序盤のどのシーンのどこをどうキリッと出来るか、
わかってくるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 10:34| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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