1. 空間方向、一次元と二次元
2. 空間方向、高さ
3. 時間方向
4. 人間関係の1
5. 人間関係の2
6. 人間関係の3
7. 知ること、出来ること
8. 間違った方向と正しい方向
1. 空間方向、一次元と二次元
前に進むと風景が変わる。新しい場所に行く。
新しい場所に現在地が変わることは、
世界の拡大そのものだ。
だから、場所が変わると、展開したように思える。
ロードムービーがなんとなく面白いのは、
こういう理由だ。
しかし気をつけたいのは、
「空間だけ変わってもストーリーが進んでいない」場合である。
空間を変えることが、
ストーリーが進んでいないことのごまかしに使ってしまうことが、
稀によくあることだ。
(二軒目三軒目にいっても、ちっともあの子を口説けてないのは、
よくある例だろう)
ステージが変わってもストーリーが進んでないのは、
最初は目を引かれても、いずれ馬脚を現す。
移動がストーリーの進展にシンクロしているのが理想だ。
河岸を変えると、ワンシチュエーションの行き詰まりを、
取ることができる。
だから映画では、大抵室内のシーンのあとに屋外のシーンがあり、
屋外のシーンのあとに室内のシーンがある。
目的があるときの、目的地への旅は、
最も強い行動になる可能性がある。
危機(間に合わないと○○など)があるなら、
さらに最高である。
ちなみに基本的に移動は「前後」しかないことが多い。
進むか戻るかだ。
第三の選択肢があるときだけ、横移動の感覚があることに注意されたい。
2. 空間方向、高さ
1の感覚は基本的に地べたを這っているわけだが、
z軸方向に拡張することもできる。
ジャックの豆の木がわかりやすいか。
ドルアーガの塔(上)、地下ダンジョンや海底探険(下)、
などもある。
最初に目的地を決めたら、
進む/戻るという一次元の感覚になることに気づこう。
最初の状態が上下ひっくり返って脱出することになる、
「ポセイドンアドベンチャー」は、
本当にナイスアイデアだ。
(未見なら是非オリジナルを見ること。
人間ドラマの進展と空間移動がかみ合っていることに注意せよ)
「キューブ」は一見3D方向の探検に見えるが、
「進む/戻る」「分かれ道」の、二次元の感覚でしかないことに注意。
3. 時間方向
未来と過去の方向。
一回やったことをもう一回やるのは、戻っているわけだ。
「タイムスリップで過去へ行く」
という行為だけが、
「戻っているにも関わらず、
二周目の過去にいる、という進んでいる感覚」
であることに留意されたい。
あるいは、ループのように見えながら、
さっきと違う、と気づくことで進むこともある。
4. 人間関係の1
人間関係の進展は、基本的に「異動」でおこる。
これまでの人間関係と違う人間関係に移動することだ。
引越し、部署異動、留学、旅行中に知り合う人、
などなど、人間関係の水平移動は、
もっともストーリー展開のきっかけになりやすい。
こっちから行かなくても、
向こうから来る(新キャラ登場)ということもある。
あるいは、同じ人、人々を違う角度から見たときに、
全然別の要素があることを発見するのも、
これに含んでいいだろう。7との複合技だけど。
5. 人間関係の2
人間関係の垂直移動は、上下関係についてだ。
基本的には出世、レベルアップなどが進む方向、
降格が戻る方向。
しかしループ物のように、
「一から出直し」のパターンもある。
6. 人間関係の3
人間関係の時間方向は、
たとえば過去の人間関係などだ。
あるいは人の過去についてもあるだろう。
過去のことが出てきても、
話が戻るとは限らない。
そのことが現在および未来に影響するのなら、
それは二周目の過去だ。
最悪なのは、
過去が現在や未来の伏線にも、
糸口にも材料にもなっていないことで、
これは単なる停滞だ。
(例: うんこ映画実写ガッチャマンの過去シーン。
セットアップでなく、単なる説明)
7. 知ること、出来ること
知ることが増えると、世界が広がる。
事実関係、秘密などを知るだけで、
世界は拡大して展開するだろう。
忘れること、出来なくなることは後退か。
過去の二周目のように使えれば前進になる。
8. 間違った方向と正しい方向
ただ拡大して行くのもよいが、
ミスリード、誤解は展開のひとつだ。
それで真相がわかったとき、
グッとストーリーが前進する。
180度認識が変わってしまうくらいの衝撃は、
どんでん返しと呼ばれるわけだ。
ざっと分類してみた。
気をつけたいのは、
「ひとつだけ進める」のはバカだということ。
何かと何かが同時で進んだり、
何かは進むが何かは戻る、
などのように組み合わせて使うべきである。
要素が多ければ多いほど、
複雑で、興味深いが、混乱しやすく交通整理の腕がいる。
要素が少ないほど、
扱いやすいが、退屈だ。
展開や世界の発展に困ったら、
今どういう要素で、
何を足したり引いたりすればいいか、
と立ち止まって考えるべきだ。
2018年04月11日
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