「一気に吐き出せる量を超えているから」
だと僕は思う。
15秒のストーリーなら、
頭から吐き出せるだろう。
30秒、60秒。
まあなんとかなるかもしれない。
30分の話。
原稿用紙30枚、つまり1万2000字。
多くの人は無理だろう。
休みなしで人は1万2000字を書くことは、
不可能だと思う。
経験上、集中しても3000字/時くらいが、
普通の巡航速度で、
それを4時間一気書き、
というのは余程のことだと思う。
不可能ではない。
月に一回はある「ゾーン」に入れば出来る。
しかし常態ではない。
多くの文筆業未経験者は、
そこまで集中力がないと思う。
で、
そもそも、
「自分の中にそれだけの内容があるか」
の方が大事だ。
1万2000字も書くことがない、
というのが殆どだろう。
しかも明日もまた書かなきゃいけない、
というのが脚本家の日常だ。
人には、そんなに書くことがないんだ。
経験的に、
一日3000字前後なら、
「湧き出させる」ことが出来るようだ。
これくらい書いても、
次の日はまた3000字くらいなら、
「湧いてくる」という感覚である。
だから、僕は長編を書くなら、
一日3000字程度にしときなさい、
というアドバイスをすることにする。
明日書くことがなくて困らないようにだ。
今日たくさん書けても、
明日書くことがなくなってしまっては、
それ以上進まなくなる。
だから乗っててもやめることだ。
続きは明日書くといい。
書くことがないときは、
どんなに頑張っても書けない。
無理矢理ひねり出せても、
無理矢理は伝わるものである。
皆が求めるのは極上のエンターテイメントであり、
あなたの誤魔化しではない。
で、コンスタントに出来るのは、
3000くらいじゃないかな、
というのが僕の経験談。
4000の人もいるし、2000もいるかもだ。
ちなみにここの記事は大体2000字で、
これくらいなら毎日楽に書ける。
なぜ長編を書くのに時間がかかるのか?
毎日毎日書くことがなかなかに辛いからだ。
仮に3000ペースなら、
映画脚本なら休みなしで18日、
週休二日で3週間と半。
小説単行本一冊なら、10万字あたりが平均なので、
休みなしで33日、
週休二日で7週間と半。
これは第一稿にすぎず、
リライトを考えていない。
リライトは倍かかる。
3倍かかる時もある。
そりゃかかるわけだ。
一日3000字ペースを増やせるかな。
人による。
ペースを上げてダメになるくらいなら、
ペースは落とした方がいい。
面白いストーリーを書くのが目的であり、
ペースを上げるのが目的ではない。
キリのいいところまで書くとオーバーペースになるときは、
キリの悪いところで止めよう。
明日そのキリの良いところまで書くべきだ。
その方が気力が充実しているから。
ペースを崩して酷い目にあった経験があれば、
それは賢い判断だとわかるだろう。
執筆はマラソンである。
そう考えないと、
長くかかる理由を説明できない。
2018年04月26日
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