「かえうち」とは、
PC本体のUSBポートとUSBキーボードの間にかますアダプタで、
キーボード信号を変換して、
好きなように本体に渡してくれる夢のようなメカです。
9000円とお高いですが、個人製作というのがすごい。
OSに依存しない仕組みなので、
ウィンドウズだろうがMacだろうがiPhoneだろうが、
挿せばすぐ使えるのがメリット。
かえうちには親指シフトや飛鳥配列などが同梱されていますが、
「薙刀式v6」が動く設定を公開します。
最初に少しだけ設定をして下さい。
・ウィンドウズ、日本語キーボードの場合
MS-IMEを使っている方は、
「無変換」単独押しを、「IMEオフ」になるように設定して下さい。
右下のIMEアイコンを右クリック→プロパティ→詳細設定→全般→編集操作
→キー設定変更→無変換単独をIMEオフに。
その他のIMEの方は「無変換単独押しがIMEオフになる」
ように設定して下さい。やり方はちょっとわからないので各自で。
これにより、スペースキーの左右のキーで、
「英数」「かな」入力にする、
ということが可能になります。
・Mac、日本語キーボードの場合
無設定で挿すだけです。
「かな」キーはエンター兼右編集キー、
右コマンドキー単独押しは「かな」です。
ただしMacはBluetooth化しているので、
USBキーボードを探すのが困難かも知れません。
Macでもウィンドウズでも使えるUSBキーボードは、専門店に行くと売っています。
僕はvortex core という変態キーボードでMacで使っています。
・US配列キーボードの場合
US配列には無変換変換キーはありません。
左Altを「英数」キー、
右Winキーをエンター兼右編集キー、
Menuを「かな」キーにする、
という初期設定にしています。
そうすると右親指が遠くなるので、
右手を一列右にずらす、orz配列で設定しています。
(英数字はもとの配列です。改造はご自分で)
orzにしないときは、Windows, Mac用のものをそのまま使ってください。
※ かえうちパートナーをインストールしないと、
編集モードのいくつかの記号がおかしなことになる場合があります。
【いくつかオリジナルと異なる所】
●最下段の親指関係がややこしいので、
どれも共通で、以下のショートカットを定義しました。
←を押しながら→で、「かな」(IMEオン)
→を押しながら←で、「英数」(IMEオフ)
カーソルキーでも使えます。
薙刀式のカーソル位置、TY位置でも同様に機能します。
慣れたら超楽です。親指位置に左右されないものになるので。
(日本語デフォルト切り替えに普及して欲しいくらい)
●3キー同時押しは厳密には機能しません。
かえうちは、3キー同時押しを持っていなく、
「押すとき」に判定せずに「離す」ときに判定する仕様です。
同時押しは「押し込んで」「離す」を意識するとうまくいきます。
また、「じょ」などの拗音系は、
「し」を押しながら「濁音」「よ」同時押し、としました。
(仕様上、「じ」も、「し」を押しながら「濁音」)
同時押しがうまくいかないときは、
「左手のキーを押しながら右手キー」を試してみてください。
●同時打鍵の判定は初期設定で160ミリ秒を設定しています。
ある程度打てる人用なので、これで初めて薙刀式に触れる人は、
かえうちの設定→全般→160の部分を300や600にしてみてください。
●その他薙刀式に関しては、こちらへ。薙刀式
定義ファイルです。WinMacの違いは編集モードのショートカットです。
文字を打つだけなら、どちらでも使えます。
Win/JIS 薙刀式v6_標準.kaeuchi
Mac/JIS 薙刀式v6_標準-Mac.kaeuchi
Win/US orz 薙刀式v6_US_orz.kaeuchi
Mac/US orz 薙刀式v6_US_orz-Mac.kaeuchi
台湾製キーボードvortex core用
Win 薙刀式v6_vc左ずらし.kaeuchi
Mac 薙刀式v6_vc左ずらし-Mac.kaeuchi
●vortex core (US配列)用設定ファイル
以下のようにハードで設定してからどうぞ。
・たとえばF1レイヤーを薙刀式用に使うと決める。
・右スペースキーをエンターキーにする。
・Fnキーを左Ctrlキーに入れ替えする。
・元FnキーをMenuキーにする。
元左Altが「英数」兼左編集キー、
元右スペースがエンター兼右編集キー、
元Fnキーが「かな」キーです。
(Pnキーが動かせないので、やむなくこうしています)
左Win+元左Alt+元右スペースで切り替えられる、
「右下の十字カーソル」も有効です。
(これをオンにしているときはコントロールキーが死ぬのでご注意)
この十字カーソルを生かすため、
全キー一個左ずらししています。つまりESC, Tab, 右Shiftはつかえません。
英語は印字通りするため、元のままにしています。
(vortex coreで文章書こうと思ったら、十字カーソルがないと死ぬので)
バグチェックは全バージョンできていません。バグレポお願いします。
大岡様のブログを拝見しながら、そのエネルギッシュなパワーに圧倒される思いです。
早くも連休明けには「かえうち」の設定を発表され、その作成スピードに感服しています。
また「薙刀式V6β」で、A・B2キーの同時打ちをAB 打ちでもBA打ちでも同様な結果を得られる設定方法も感心しました。
さて、大岡流「かえうち」設定を早速愛用のキーボード用にアレンジし「かえうち」で使用してみました。「かえうち」の「同時3打鍵の仕様なし」の制約を克服されて「濁拗音」等の入力を可能にされた設定は素晴らしいものがあります。
ただ、配列面1上に「同時押しMOD」と「ユーザーMOD」が混在することから、「打鍵キー」が「同時押しキー」か「先行キー」かを常に意識しなければならないことです。
高速打鍵が出来るようになれば問題なくなるのかもしれませんが、毎分70〜100打鍵が現状のわが身でも、この「頭の中での切替」は、きついです。予期しない打鍵結果が出ると、打鍵ペースも乱れてしまいます。
また「同時3打鍵」も75歳の身には、きついものがあります。
それらの結果、「薙刀式配列V6」を次のようにアレンジして使わさせてもらっています。
OSは「macOSハイシェラ」、キーボードは「Truly Ergonomic Mechanical Keyboard - Model 229」というカナダ製の「親指シフトに最適なキーボード」、IMEは「ATOKパスポート」です。
このキーボードは、それ自体で「自由にキー配置の変更」が可能です。私は、手前中央を「Enter」、その左を「Space(左親指シフト)」、「Enter」の右に「変換(右親指シフト)」と設定しています。
「ATOK」は、「右親指」で「変換・次候補」、「左親指」で「部分確定」、中央「Enter」で「全文確定」と設定しています。
アレンジその1。高齢者には難しい3打鍵を廃止しました。
3打鍵での「濁拗音」は、1つ内側(左側)のキーに割り当てました。
拗音「しょ」は「RI」、「じょ」は「RU」。「しゃ」は「R+」、「じゃ」は「RL」。「しゅ」は「R<」、「じゅ」は「RM」です。なお「ひ」の拗音は「ひょZI」「びょZU」「ぴょZO」のように「基準きー」の左右に割り当てています。
アレンジその2。同時打ちの難しい右指2本の打鍵を鏡面の左手にも設定しました。
「ふぁ>J」「ふぃ>K」「ふぇ>O」「ふぉ>M」「ふゅ><」に加えて「ふぁ>F」「ふぃ>D「ふぇ>W」「ふぉ>V」「ふゅ>C」を新設しました。
これにより右面での指の混乱防止が出来るかと思います。「ぁぃぅぇぉゃゅょゎ」の配置がキーボードの中央を中心とした「鏡面」にすることから「覚えやすく・思い出しやすい」高齢者にも優しい仕様になるのではないでしょうか。
アレンジその3。氏の「V6β」の組立を参考にして、2打鍵AB をA→BでもB→Aのどちらでも同じ結果となるようにA・Bの両キーに「同時打鍵」を設定しました。この結果、ほぼ「V6β」に近いものが出来ました。
アレンジその4。私の愛用キーボードが「親指シフト」に最適なものなので、濁音キーを「中指から親指」に替えています。
具体的には、「左親指(space)」で「右面の濁音」と「左面の裏音」、「右親指シフト(変換)」で「左面の濁音」と「右面の裏音」を打鍵します。こちらも可能な範囲で、その3を追求しました。「が」は「F→変換」でも「変換→F」でも可能です。というよりも右指・左指のどちらが先行かを意識することなく、ほぼ同時の打鍵で期待する文字が出ます。
アレンジその5。「濁音等シフトキー」を「親指」に移したことから、「半濁音小書きキー」を「V・M」から「F・J」に変えました。
以上が私なりのアレンジの様子です。参考までに、作成した「かえうち」設定を添付します。
「薙刀式」の理想からはなれた部分もあろうかと思いますが、私なりの使いやすい環境作りにチャレンジしてみたつもりです。
「清・濁・拗・外来音同置」の「大岡流」に遭遇して、「高齢者にも優しく・覚えやすく・思い出しやすいキーボード配列」にやっとたどり着いた思いです。
かさねて、大岡様の「薙刀式配列」の発案に感謝します。
追伸
コメント欄に「設定」を添付する方法がわからず、添付できませんでした。
後日、「かえうち」のほうに投稿しておきます。
3キー同時押しは人によっても苦手があるだろうなあとは思っていて、
現状のv6βなら「どれから押し始めてもよい」という感触になっているので、これが一番お勧めですね。
(3キー同時押し非対応のキーボードもあるくらいだし……)
そもそもかえうち版でこれをやろうとしたんですが、レイヤーとシフト数が全然足りず、
「一方を押しながら」と「同時」の混在にならざるをえませんでした。
慣れたら「左手始動→右手」に手が統一できるので、そこまで困ることはないかなあと考えております。
(左利きは考慮の外です)
全般/同時押しMODの160msに設定されている所を少々遅くするといいかもしれません。(200とか、300とか、500とか)
改造してやってもらうのは全然かまわないと思います。
僕も今まで自分にしっくりくるものを探しつづけていたので……。
ちなみに僕は左手がほんとに不器用で、薙刀式の左手薬指小指、右手不使用版(親指2シフト)をつくってしまうくらいです(現在最終調整中)。
そのうちまとめて発表しますので、お楽しみに。