応募作品全作(受け付け順)です。
読む順番はご自由に。
「故郷(ふるさと)のみやげ」故郷のみやげ.pdf
「僕の命はお前が守る」僕の命はお前が守る.pdf
「敗者へ贈る言葉」敗者へ贈る言葉.pdf
「カウントダウン―ある男の物語―」カウントダウン.pdf.pdf
「ニートの妖怪退治」ニートの妖怪退治.pdf.pdf
「おかえり疫病神」おかえり疫病神.pdf.pdf
「コウノトリか? ケッコンサギか?」コウノトリかケッコンサギか.pdf.pdf
「The Walker 旅路の果て」The Walker旅路の果て.pdf.pdf
「思春鬼」思春鬼.pdf
「救われた心臓」救われた心臓.pdf
「恋々自販機」恋々自販機.pdf
出来の順に並べます。
---プロの壁
「僕の命はお前が守る」
「思春鬼」
---出来てるけど心に来ない壁
「故郷(ふるさと)のみやげ」
「敗者へ贈る言葉」
「救われた心臓」
「恋々自販機」
---メアリースー/自主制作の壁
「カウントダウン―ある男の物語―」
「ニートの妖怪退治」
「おかえり疫病神」
「コウノトリか? ケッコンサギか?」
「The Walker 旅路の果て」
これは「内輪から見たひいき目」であることを考慮にいれてください。
ふつうの観客から見たら、
「どれもプロレベルに達していない、
つまらない作品」
であることに留意してください。
勿論、
なにか足りないと感じているからこそ、
こういうものに応募しているのだとおもいます。
「つまらないものを、どうすれば面白くなりますか?」
という質問はとても難しいことです。
あなたが面白いものを思いつくようにすることは、
僕にはできません。
少なくとも、
「面白いと思うまで書いてください」
というしかありません。
その「面白い」という感覚こそが、
もっとも大事なものです。
しかし、人間というのは客観的になることがとても難しいものです。
過大評価したり、逆に過小評価したりする傾向にあります。
応募してきたみなさんは、
他の人の作品なら、
客観的に見れると思い、
こうして事前に公開しています。
他人の作品を見て考えてみてください。
これ、おもろいの?
簡単な講評を。
「カウントダウン―ある男の物語―」
「ニートの妖怪退治」
「おかえり疫病神」
「コウノトリか? ケッコンサギか?」
「The Walker 旅路の果て」
書く経験が圧倒的に足りていません。
あと100本書いてから出直してください。
もし面白い映画を見たことがないなら、
あと1000本くらいは面白い映画を見てください。
どこかに上がる面白い映画100選は、
すくなくともこの5本より面白いので、
何を見ても大丈夫でしょう。
最近だと「ダンガル」ですね。同じスタッフの「pk」も最高でした。
ここの脚本添削は「予算に制限をつけない」という点がちょっと違うところです。
いくらかかってもいいから、まず面白いのを持ってこい、
というスタンスです。
とにかく、予算度外視(尺は15分以内ですが)で、
まずは面白いものを考えてください。
ちなみに、自分の作品の面白いと思うところに、
傍線を3箇所引いてみてください。
他の応募者の作品の面白いと思う所に、
同様に傍線3箇所引いてみてください。
さらに、ほんとうに面白い映画の面白いと思う所に、
心で傍線3箇所を引いて、
それぞれ一行程度で書きだしてみてください。
これらが同レベルだと思うなら、
脚本は向いていないと思います。
何かが足りないと思ったら希望はあります。
沢山書くことでしかうまくなりませんので、
あと100本は書くことです。
「敗者へ贈る言葉」
題材はよくある転校ものです。
それをゲームでやったのが斬新?
もうゲーセンは古いんじゃないかな、と感じました。
ネオジオの全盛期ならわかりますが、
ヴァルブレイヴなんて誰もやってないでしょう。
そもそもコンボがコミュニケーションの道具になるなら、
それがどういうものか客にわからせるべきです。
なにが起こっているのか観客にわからないなら、
なにも起こっていないのと同じです。
自分の経験でいうなら、
「中段で下段ガードを崩して、思わず立ったところからの下段始動コンボ」とか、
「なにが起こっているのか、わかる」仕組みを用意すべきでした。
いつもの癖を前振っておいて、
それに引っかかることがフェイントで、
弱点を克服したことを最後まで隠しておいて、
いい所でそれを解禁する、などの展開が王道でしょうかね。
「ハスラー」「ハスラー2」が完璧なものを見せてくれるので、見てないならどうぞ。
(ちなみに「何が起こっているか全くわからないため、観客はずっと顔芸を見続けさせられる」
というしょうもない作品に、
「聖の青春」があります。悪い例で参考に)
で、これ、ゲームでしなくても、
今話題の将棋でもよかったのではないかなあと。
「将棋が分からないレベルでも楽しめるのはなにか」で考えると、
「昼食でなにを取るか」
でドラマが作れたのではないか、
と考えます。
専門的なジャンルは、
「それを知らない人をどうストーリーが楽しめるよようにするか」が勝負です。
となると、
そのジャンル特有のものはストーリーに使えない、
ということが自動的に理解されるでしょう。
(うまく説明できれば別。ハスラ―のように)
ということは、
ゲームだろうが、将棋だろうが、
ビリヤードだろうが、カーリングだろうが、
なんでもいい、ということが分かります。
これらはガワにすぎません。
じゃこれはそれを通して「何を描いているドラマか」
ということが問題です。
「言えなかった言葉が言えるようになった」ドラマは、
癌にかかって死にそうな父の前でも出来るし、
ブラジルに留学する彼女を見送る成田でも出来ます。
転校していく子のドラマは、
僕は「この窓は君のもの」が最高だと考えています。
古厩智之という天才の、初期の傑作です。
岩井俊二の「打ち上げ花火」も手にはいるなら、
どこかで見てください。
どちらも80年代(90年代入ってたかも)なので、レンタルでは置いてないかなあ。
こういう傑作こそ、ネットではちゃんとやるべきだと思うんだけど。
全体に物足りない感があります。
どこがキモだったのか、
それが見えませんでした。
15分の尺に対して、話が小さすぎたのかもしれない。
なにか大きなドラマがないといけないと思います。
それには、逆境が小さすぎたのでしょう。
「故郷(ふるさと)のみやげ」
以前に応募されたものの改作。
前のほうが面白かったように思います。
なんでか考えると、
今回のメインであるところの、
「子供と主人公の心の交流」がちっとも面白くなかったからではないでしょうか。
人はどうして友達になるのだろう。
ここをもっと掘り下げないと、
心と心の交流のドラマにはならないと思います。
猫の話が全然魅力がないので、ずっと退屈でした。
「救われた心臓」
これも同様です。
心臓移植の悲しみとかつらさが全く伝わってきません。
子供がサッカーしたいからさせた、
というドラマの何が面白いのかわかりません。
地下格闘技はドラマに必要とは思えません。
心臓の話が面白くないから、
とりあえず面白そうな要素足しとけ、みたいな保険を感じます。
地下格闘技なしで、心臓と父と兄の子供とのドラマだけでこれを書き直してみると、
スカスカであることが分かるとおもいます。
何がこの話の本線なのか。それが弱い。
「恋々自販機」
発想はよくあるラブコメだとは思います。
しかしストーリーが平凡すぎる。
キャラクターが全然立っていない。
「この話にしかないキャラ」
が一人もいないので、ロボットの劇を見させられた感じ。
この台本を受け取った役者は、
勝手に新しいエピソードを加え、
勝手にセリフをかきかえるでしょう。
だってこのままじゃ詰まらないんだもの。
セリフに無駄が多いです。
このままなら、1/3に縮められると思う。
「思春鬼」
何回か読んでも、よくわかりませんでした。
とても暇ならリライトの対象になると思うけど、
パズルのような事件でもなし、
どんでん返しというほどでもなし、
結局なんだったのか、テーマが明快ではないし、
新しいドラマもありませんでした。
登場人物が多すぎて、芯が見えてこない。
以前と作風を変えてきたのは一種のチャレンジであることは認めますが、
そのチャレンジは失敗だったと評価します。
なにがこの話の中心的オリジナリティなのか、
中心が分からない。
最後にネタバレする高速カットバックに、
「パーマネントのばら」があります。
途中までは退屈ですが、
ラストの感じはとても面白い。
こういう風になるには、その前の仕込みこそが重要だとわかるはずです。
一回見たら、前振りとネタバラシの関係を整理してみるといいかもしれません。
「僕の命はお前が守る」
色々無理がある箇所が多く、伏線の張り方も上手とは言えませんが、
一番観客を楽しませようとしている点が評価されます。
これを今回はリライトすることにしました。
おそらくテーマが「自分探し」と明確であったことが、
リライトの方針が立てやすいと感じたからだと思います。
他の作品でも、
技術的に添削しておいたほうが、
皆の為になると思えることを、
まずは示してみます。
2018年04月30日
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