書き続けていると、
どこかで自動書記状態になって、
言葉が溢れてくることがある。
自分はこんな言葉を持っていたんだ、
と自分で驚いたりする。
それはどこから出てくるのだろうか。
僕は、実はそれ以前の原稿から出てくるんじゃないかと思っている。
自動書記状態は最高の憑依状態で、
新しい言葉、
熱のある言葉、
天地をひっくり返す言葉が出てくることがあり、
自分の実力以上が出る瞬間だ。
毎日これだったらいいのに、と思うんだけど、
全くそう都合よくは行かない。
で、どうやったらこのゾーンに入れるのかというと、
何もせずにぼーっと待っててもならない、
というのが僕の経験則なのだ。
このハイに来るためには、
多分決まった何千か何万字を書くことが、
条件なんじゃないか、
と今のところ僕は考えている。
無から有は生まれない。
白紙にいきなり雷が落ちて、
生命が生まれることはない。
ゾーンに入るのは、
それまで書いて来た何千字かが必要で、
それが栄養になるんじゃないか、
というのが僕の仮説。
言葉を尽くして尽くしてそれまで書き綴り、
ああもう書くことがなくなった、
という時に、
突如それまでの言葉が有機的に繋がり始めて、
新しい言葉を生むのではないか、
というのが僕の経験的な法則だ。
だから、とにかくコツコツ書けばいい、
というのが当たり前の結論になる。
僕は今、一日3000から5000字を毎日書いていて、
そろそろ三週間になる。
うち1日だけ休んだ。
で、それくらいやって、
ようやく、いきなりゾーンに入った。
神がかり的なテンションで、
それまでに計画されていたすべての計画以上の原稿をものにした。
ちょうどミッドポイントの、これまでの最大のヤマだったから、
最も緊張が高まっていたこともある。
その前のターニングポイントが劇的で、
それはプロットになかったものだった。
途中で思いつき、そこに向けてうまくはまるように、
周到にアドリブで準備して来た感じだった。
こういう導火線があって、
初めてゾーンはあるんじゃないかなあ。
天から降って来るんじゃない。
それまでの積み上げが、花を咲かせる。
自動書記状態は、そういうことなんじゃないかと思う。
これを超えるゾーンを、真のクライマックスに持ってきたいが、
もう倍書く必要があるかも知れない。
ピークに体を持っていく、
アスリートみたいだなあ。
2018年05月12日
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