サブプロットについて、
理論的解説をしている入門書はあまりありません。
「それはメインプロットと同様である」
なんて簡便な解説でお茶を濁しているものがほとんどです。
サブプロットというのは、
「主人公以外の人物から見たこのストーリー」ということです。
この例でいえば護です。
彼にとっても、ストーリーがあるべきです。
つまり、事情があって、目的や動機があって、
ターニングポイントがあって、
三幕構成(発端、途中、結末)があって、
その行動の意味、つまりテーマがあるべきです。
これを、その人物について、しっかりとサブプロットがある、
といえます。
そうでない場合、
その人物はメインキャラクターとは言えないと思います。
メインキャラクターでない、ということは、
メインのストーリーの進行に合わせた、
都合のよい人形であることを意味します。
たとえば、
ここでいう自転車に乗っていた子供は、
人形でしょう。
彼らにも別の人生はあるでしょうが、
ここで語るべきことではありません。
NPCとかモブとかいう言い方もあります。
つまりは、背景とたいしてかわらない、ということになります。
護は明らかに背景であるべきキャラクターではないので、
彼にもストーリーを用意するべきです。
彼はメインの一人でしょう。
あるいは、用意しないなら、
たとえば双葉やヤブにストーリーを用意するべきです。
ハチ以外の誰もストーリーを持っていない、
ということが初心者の書く脚本にありがちなことです。
他人との齟齬をうまく書けないレベルだと、
「自分一人で精一杯」になってしまって、
一人だけのストーリー(それは一人よがりということ)
になってしまいがちです。
しかしストーリーとはなんであったかを思い出しましょう。
コンフリクトでした。
つまり、主人公と誰かのストーリーが交錯することです。
具体的にいえば摩擦を起こすことです。
目的が異なることで起こるトラブルこそがストーリーです。
そしてそれが解決することがストーリーです。
(「救われた心臓」ではそういうストーリーが全くない為、
メアリースーの餌食になるわけです)
メインストーリーとサブストーリーが絡み合い、
影響しあって、もつれあい、
いろいろあって決着がつくのが、ストーリーです。
普通は主人公が強くて、サブプロットが弱いものですが、
このストーリーの場合、
バディものだと思うので、
双方がメインを張るくらいに作っておくとよいと思います。
つまり、ストーリーというのは、
2本以上のストーリーの組み合わせ、絡み合いでつくられます。
主人公のものをメインプロット、
その他をサブプロットというだけのことです。
それらは軽重がある、というだけのことで、
それぞれがストーリーになっているべきでしょう。
ということで、護から見たこのストーリーのことを、
なんとなく妄想してみます。
色々妄想しながらストーリーを形作ろうとしているので、
全部は使わないかもしれません。
僕がよくやるやり方です。
まず基本設定。
8歳くらいか。
北原要のクローン体。
体は子供だが、知識と考え方は要のコピー。
どうやって成長した?
要博士は自分が殺されることを予感していて(あるいは不治の病で)、
成長に必要な知識、科学知識を動画に残していた。
クローン体は全部で8人いたが、
互いに遭ったことはない。
しかも7人は成長するまでに死んだそうだ。
4歳まで世話してくれた人もいたが、
ウィルスを奪おうとする人たちに殺され、
以来護は一人で生きてきた。
山の廃屋とかで、ずっとサバイバルをしてきた。
だから子供として遊んだことがないし、
自転車の乗り方も知らない。
「教科書」の北原博士の動画にはないからである。
目的は、テロ組織の生物兵器のワクチン開発。
4年かけて、ウィルスは再現、培養できた。
あとは血清が必要
(犬に注射して、人を噛ませたものからしか抽出できない。
狂犬病の変異ウィルスの為)。
したがって護の目的は、
秘密裡に血清をつくり、WHOに届けること。
(この血清実験の為に、護はハチを被験者に)
WHOという公的機関でなくてもいいかもしれない。
別の対テロ組織でもいいかも。
これは北原要の大本の目的であった。
8歳の子供、護の願望としては、
友達が欲しいこと。
ハチはそれを知らず、
テロ組織から北原要暗殺を請け負っていた。
ハチの所属する組織は善悪関係なしに仕事を受ける。
それは双葉もしらないことであり、
このことが組織を抜ける動機となる。
この任務を完遂したら、やっと戸籍という名前をもらえたのに。
事件は、
北原博士しか知らないサイトに地方からアクセスがあったことを組織が突き止め、
「北原が生きているか確認し、生きているなら殺すこと」
の任務にハチが選ばれたことから始まる。
こうすると、大体のもと原稿におおまかな流れが一致したまま、
ストーリー展開ができそうです。
それぞれのストーリーが絡み合いそうです。
注射して血清を得ること。
医者にいくこと。
ラーメンを食べること。
自転車に乗ったり、ドボンで遊ぶこと。
これらの場面を生かしながら、
メインストーリーとサブストーリーが絡みそうです。
ハチは親の顔を知らない孤児で人間兵器。
護もクローン元は知ってるけど、子供として生きたことがない。
二人には共通点があり、
なおかつ誤解によってコンフリクトがうまれるはず。
「犬にケツを噛ませる
(寝てる間に注射するよりも、
面白そうな場面になりそうなので)まで」が、前半戦、
ハチから血清ができるけど、居場所を組織に悟られ、が、
後半戦になるかと。
こうなると、双方に関係する双葉が、
裏切り役になりそうですなあ。
双葉が追手になる、と思わせておいて、
実はヤブが養護施設出身の「イチ」であった、
(ナンバーは歴代の成績順としておいて、
歴代の一位は今頃中東で傭兵やってるとでも前振っておいて)
とでもしましょうかね。
組織関係の話は入らないかも知れないので、
オプションにしておくか。
双葉とのちょっとしたラブストーリーも入れたいなあ。
ちょっと中二病漂う、抜け忍のストーリーになりそう。
大まかにいうと、
ボーンアイデンティティー的な世界観でしょうかね。
登場人物が複雑になってきたら、
ヤブか双葉のどっちかは切るかもしれません。
二人の絆はドボンでどうにか考えないとなあ。
地に伏せると、全部が見える、
地に伏せることは悪いことじゃない、
みたいなことを公園で言っておいて、
テーマに結び付けるかな。
15分でうまいこと書けるかな。
次回。
2018年05月06日
この記事へのコメント
コメントを書く