執筆中はとかく行き詰まる。
滑らかにかけるのなんて、オープニングと数シーンくらいだ。
どこの時点で見ても、
執筆は常に行き詰まっているものだ。
そういう時は、
少し過去と、少し未来を想像すると良い。
まず少し未来を想像しよう。
まあこれでいいのが思いつかないから困っているのだ。
そういう時は、
5分先はどうだろう?
10分先は?
一時間先は?
三時間先は?
などの、短期的な先を想像するとよい。
三時間もすれば家に帰ってるだろ、
と想像し、
じゃ家で起こることはなんだろ、
なんてことに頭を切り替えられる。
途中で電車に乗るかも知れないし、
寄り道をするかも知れない。
普段のルートか、違うルートか。
立ち寄った公衆トイレはどんなか。
コンビニで手に取った雑誌は。
なんでもいい。
些細なことを想像するといい。
それは全く何も使うことがなくても、
そのキャラクターのリアルを埋めることに繋がる。
そういう日々を経て、
次の出番のシーンまで出てこないわけだから。
勿論何か思いついたら最高だけど、
これだけじゃなかなか思いつかない。
で、ちょっと過去を振り返るといい。
直前に何が起こったっけ。
その前はなんだっけ。
どういう過程でここまで来たんだっけ。
前のシーンと今のシーンの間には、
省略されてる何があったんだろうか。
前のシーンを読んでみる。
前のブロックを読んでみる。
プロットを眺めてみる。
今緩急のどっちのパートなのかも考慮する。
つまり、「現在」を、過去と未来の両方向から、
しゃぶり尽くしてみるのである。
それを、全キャラクター目線でやってみよう。
時間の前後。
そもそもの目的はなんだっけ。
だれかがなにかを言い始め、
だれかがなにかをやり始めるだろう。
誰も何もしないときもある。
それは何らかのデッドロックに陥っている。
そういうときは、
全員の目的を一覧にして、
今現在、誰が誰の目的を把握してるのか、
マトリックスを作ってみよう。
Aの知らないBの目的、
自分しか知らない目的、
などがあるはず。
それが誰かしらに、
「知られてしまう」というシーンを書いてみよう。
なぜか、どうしてか、どういうきっかけか。
必ず知った側、知られた側はリアクションをする。
それがまずストーリーを進め、
その次に書くことの糸口になる。
ちょっと想像した未来の何かを、
そこに使える事は多い。
立ち寄ったラーメン屋でニュースを知ったり、
家に帰ったら誰かが待っていたり、
夜中に相談の電話がかかってきたり、
深夜のバーに連れて行かれたり、
次の朝の電車の中吊りで知ったり、
なんて「知る」シーンはいくらでも作る事は出来る。
さっきの想像を生かすと良い。
あるいは、「一斉に知ってしまう」でも良い。
クラスで発表されてしまう、
辞令が廊下に張り出される、
メールやラインで出回る、
ニュースになる、
ランチの場で、
などなど、
いくらでもやり方はある。
知ってどう思う?
知ってどうする?
何かしないと困る?
何かしたくなる?
それが、次のシーンへのヒントを連れてくる。
行動さえ始めればそれが道筋、ストーリーになる。
あとから見れば、
その知るシーンがターニングポイントになるだけだ。
(そのときはぎこちなく上手なやり方で書けないかも知れない。
それでも構わず、とにかく先に進めると良い。
なりふりは構わないこと。
リライトの時に、スムーズでスマートにすれば良い。
あるいは、そのなりふり構ってない感じが、
案外魅力的なこともあるからな。
必死であることは、なかなか大事だ)
2018年05月17日
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