2018年05月17日

少し過去や、少し未来を想像する

執筆中はとかく行き詰まる。

滑らかにかけるのなんて、オープニングと数シーンくらいだ。

どこの時点で見ても、
執筆は常に行き詰まっているものだ。

そういう時は、
少し過去と、少し未来を想像すると良い。


まず少し未来を想像しよう。

まあこれでいいのが思いつかないから困っているのだ。

そういう時は、
5分先はどうだろう?
10分先は?
一時間先は?
三時間先は?

などの、短期的な先を想像するとよい。


三時間もすれば家に帰ってるだろ、
と想像し、
じゃ家で起こることはなんだろ、
なんてことに頭を切り替えられる。

途中で電車に乗るかも知れないし、
寄り道をするかも知れない。
普段のルートか、違うルートか。
立ち寄った公衆トイレはどんなか。
コンビニで手に取った雑誌は。

なんでもいい。
些細なことを想像するといい。

それは全く何も使うことがなくても、
そのキャラクターのリアルを埋めることに繋がる。
そういう日々を経て、
次の出番のシーンまで出てこないわけだから。


勿論何か思いついたら最高だけど、
これだけじゃなかなか思いつかない。

で、ちょっと過去を振り返るといい。

直前に何が起こったっけ。
その前はなんだっけ。
どういう過程でここまで来たんだっけ。

前のシーンと今のシーンの間には、
省略されてる何があったんだろうか。

前のシーンを読んでみる。
前のブロックを読んでみる。
プロットを眺めてみる。
今緩急のどっちのパートなのかも考慮する。

つまり、「現在」を、過去と未来の両方向から、
しゃぶり尽くしてみるのである。


それを、全キャラクター目線でやってみよう。
時間の前後。
そもそもの目的はなんだっけ。


だれかがなにかを言い始め、
だれかがなにかをやり始めるだろう。


誰も何もしないときもある。

それは何らかのデッドロックに陥っている。

そういうときは、
全員の目的を一覧にして、
今現在、誰が誰の目的を把握してるのか、
マトリックスを作ってみよう。

Aの知らないBの目的、
自分しか知らない目的、
などがあるはず。

それが誰かしらに、
「知られてしまう」というシーンを書いてみよう。

なぜか、どうしてか、どういうきっかけか。
必ず知った側、知られた側はリアクションをする。
それがまずストーリーを進め、
その次に書くことの糸口になる。

ちょっと想像した未来の何かを、
そこに使える事は多い。

立ち寄ったラーメン屋でニュースを知ったり、
家に帰ったら誰かが待っていたり、
夜中に相談の電話がかかってきたり、
深夜のバーに連れて行かれたり、
次の朝の電車の中吊りで知ったり、
なんて「知る」シーンはいくらでも作る事は出来る。
さっきの想像を生かすと良い。

あるいは、「一斉に知ってしまう」でも良い。
クラスで発表されてしまう、
辞令が廊下に張り出される、
メールやラインで出回る、
ニュースになる、
ランチの場で、
などなど、
いくらでもやり方はある。

知ってどう思う?
知ってどうする?
何かしないと困る?
何かしたくなる?

それが、次のシーンへのヒントを連れてくる。

行動さえ始めればそれが道筋、ストーリーになる。

あとから見れば、
その知るシーンがターニングポイントになるだけだ。


(そのときはぎこちなく上手なやり方で書けないかも知れない。
それでも構わず、とにかく先に進めると良い。
なりふりは構わないこと。
リライトの時に、スムーズでスマートにすれば良い。
あるいは、そのなりふり構ってない感じが、
案外魅力的なこともあるからな。
必死であることは、なかなか大事だ)
posted by おおおかとしひこ at 13:16| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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