2018年05月21日

和音を形成しよう

よく言われることだけど。

三人組がメインなら、
それそれが全くバラバラでありながらも、
三人が一緒になると単独以上の何かがあるようにしよう。
二人組がメインなら、
大抵の要素は真逆にしておいて、
二人が一緒になったとき響き合うようにしよう。

性格、行動、見た目、動機。
色々あるけれど。


分かりやすいのはバンドだろうか。
全く違う個性のやつらが集まって、
ひとつの曲を奏でる時に、
うまく噛み合う感じ。
チームものは大抵そうだ。

正義と悪が軸になる話は、
大抵正義と悪はあらゆる部分が真逆だ。

恋愛ものでも、
主役の男女は大抵なんでも真逆だ。

しかし正義と悪が対峙する時、
男女が喧嘩したり仲直りする時、
特別な響きが生まれる。

そういう感じにできると最高だ。



勿論、最初からそれを狙って最後までやれれば最高だが、
なかなか初手でそうなるのは難しい。

こういうことは、
リライトで意識したほうがいいかも知れない。


メインの人物は何人いる?

それを数え上げて、
和音のようにできないかを考えるのだ。


設定の被りを避けるのは当然だ。
似たようなものを避けて、違いを明確にしよう。

よく似ていたとしても、
どこが違うかを強調することは悪くない。

で、もっと、より違うように作れるか、
をさらに追求すると良い。

そうすると、
「全然違う物なのに、
いざ噛み合うと不思議な組み合わせになる」
というものが作れるだろう。


チームや敵同士に限らない。
全く会わない人物同士にそういう要素があってもいいだろう。

キャラを立てるというのは、
それぞれのキャラ目線で立てるだけでなく、
全体の中でのコントラストを調整する行為でもある。


長編想定だと、
そういう和音をのちのちつくる予定で、
さまざまな設定が用意されてるけど、
うまく機能せずに放置されることも、
まれによくある。

映画のシナリオはこれらと違い、
書き終えた後に、
全体を考慮してリライトすることが可能なところが、
長所でもあると思う。

とにかく書きあげろというのは、
こうした和音に関することは、
あとで調整することが可能だからだ。

一番大事なところ、
つまり動機と行動と結果(縦方向)が、
矛盾なく面白くできれば、
今度はキャラクター同士の和音(横方向)を、
広げて立体的に直すことが可能だ。

(逆の作り方は、多分できない)

キャラクター同士のギャップを、
どんどん広げることは可能だろう。
広げれば広げるほど、
「こんなさまざまな人たちが?」
という組み合わせになる。

その振れ幅こそ、作品世界の振れ幅になるだろう。
それはつまり、
どれだけ和音が豊かになるかである。


振れ幅だけ大きくて、和音にならないのなら意味がない。
それは単にバラバラの人たちがバラバラに何かをする、
噛み合わないノイズである。

一見バラバラに見えるのに、
このストーリーのこの場面で、
こんなに息がぴったりになり、
まるで運命の歯車同士のように噛み合うのが、
和音というものだ。


だからライバルは真逆の性格だし、
だからチームメイトは個性の塊たちで、
だから浮気相手は真逆の容姿と性格だ。

人間たちの振れ幅を、
大きくとろう。
一回和音を書ければ、
それを増幅して、キャラクターを広げることは簡単だ。


これはおそらく、リライトでやるべきことだ。

最初から出来なかったことを、
微調整して、彫り込みを深くするのである。


全く違った複数の人たちが、
同じ場所に偶然集まり、
呉越同舟の旅をする。
その数奇な組み合わせと出会いは運命のようであり、
ひょっとすると必然だったのかも知れない。

そういう風に、和音を響かせよう。
posted by おおおかとしひこ at 11:46| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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