チェーホフの名言。
とても分かりやすい例を見たので書いておく。
シュワルツェネッガー版の「トータルリコール」。
何回も見てるはずなんだけど、
ババアの中から割れて出てくるところと、
目玉が飛び出てくるところしか覚えていない。
あと火星が舞台なんだっけ。
中盤の、
「今見てる光景は、実は夢見るマシンのバグなんだ」
という名シーンを改めて研究するために、
久しぶりに見て見たのだが、
いやいや脚本のお手本のような伏線の使い方があって、
手を叩いて喜んだ。
以下ネタバレ。
まず驚いたのは、鉱山で使うであろうドリルマシーン。
壁にかけられた状態、
つまり伏線としては、
「火星は危険な町である」というような意味合いで使われる。
タクシーで向かう場所も売春宿だし。
それがラス前のボスとして立ちはだかる。
これが銃として使われるシーン。
いやあ見事だ。
中盤にもう一回、
チェイスシーンでヒヤヒヤさせるためだけに出てくる。
二回伏線として出てきているわけだ。
うまいなあ、なんという自然な伏線か、
と感心していたら、
忘れた頃のホログラム。
いや、最初から使うんだろうなとは思ってましたが、
この土壇場で、
という見事な使い方。
伏線とその回収の見事さは、
脚本技術の華だなあと。
一回ドリルで、伏線見事だなあと思わせてからの、
忘れさせといての使い方も見事だった。
マジックの視線誘導に似ていると思った。
こんな単純なことなのに、
うおおって唸るんだぜ。
こういう単純なのに面白いことを、
やるべきだと思うなあ。
色々なものが最高のレベルで噛み合った、
傑作の一本だったことを、
改めて確認した次第。
見るものがなくて暇な人は、
「トータルリコール」の、
伏線と回収を研究しよう。
分かりやすくて切れが良い。
あ、そもそも件のシーンはなかなかに周到なシーンだった。
会話劇だけであそこまで認識を揺さぶるのは最高。
一種の催眠術だよな。
2018年05月29日
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