数字では出した人もいるかもしれないけど、
もっと直感的に把握したかったので、イラレでつくってみた。
1ブロックが1文字に対応している。
ここでいう1文字は、拍(モーラ)単位とした。
たとえば拗音は2文字表記だが、1文字扱いとする。
濁音、拗音、外来音(ふぁなど)も1文字。
、。ーと小書きも1文字とした。
これに対して、各配列の1打鍵を1ブロックに対応させた。
シフト、同時打鍵は0・5打、前置シフトは1打とした。
まずは上の、日本語と英語の比較を見てみよう。
清音50音(正確には46音)と記号、
濁音、半濁音、小書き、
拗音、濁拗音、半濁拗音、
外来音(薙刀式で使用している22音)を並べてみた。
計139音が並んでいる。
これにくらべ、
英語の26文字というのがいかに楽勝か、
見ただけで嫌なため息がでる。
この英語を打つ為のキーボードで、
これだけの日本語の音を打ち分けようというのだから、
どこかに歪みが出て当たり前だなあ、
という感想だ。
(さらに漢字変換や漢直とか変態の極み)
本題。
ローマ字とJISかなを見てみよう。
ローマ字の打鍵数が多いのは火を見るより明らか。
母音と「ん」以外は基本複数打だからしょうがないよね。
拗音の3打も痛い。
注目するべきは、外来音の打鍵数が少ないこと。
FVWあたりが効いている。
かな配列は拗音外来音で苦労しているが、
それをあざ笑うかのような意外と少ない打鍵。
これがローマ字が最悪とまでは言われない原因かもしれない。
JISかなはさすがの打鍵数最小。
例の打鍵範囲でいいんなら、という条件がついてくるが。
濁音、半濁音が全部2打になっているのは方式としては当然か。
拗音、外来音は等しくシフトの小書きを伴うので、
平均的に打鍵数がかかる。
濁音半濁音もふくめ、
ここは改善の余地があると誰もが思うに違いない。
次に月をあげた。
打鍵数の多さが、ほかのかな配列と大きく違った為だ。
清音の半分ほどが2打になってしまうのは、機構上しょうがない。
しかしローマ字とJISかなの中間程度に清音をおさめ、
濁音半濁音に関してはJISかなと同等、という点においては、
打鍵範囲もふくめ、
あきらかな改良だといえよう。
しかし拗音外来音の打鍵数の多さが、
月の欠点であることがこの図から明らかだ。
3打はあたりまえ、4打もたくさん。
(そしてそれは後続の月系列での改良の主眼となる)
さて、同時打鍵の始祖、親指シフト(ニコラ)だ。
清音濁音に関して、同時打鍵による打鍵数の削減が実現していて、
この感覚こそが親指シフトの良さだ。
ローマ字、JISかなよりはたしかに良い。
しかし拗音外来音に関しては、
そこそこ打鍵数が多いことがわかる。
(基本同時打鍵2アクションになってしまう)
飛鳥がこの拗音部分をずいぶん改良していることが、
この図をつくってみて初めて納得した。
飛鳥がつくられた当初の仮想敵は、
親指シフト、ローマ字、JISかなであったと思う。
作者のRay氏がよく言っていた「倍速打鍵」というのがよくわからなかったのだが、
この拗音部の改良こそ、
「拗音に関する倍速打鍵」だとやっとわかった。
親指シフトは、単打にゃゅょがなく、イ段かなも分散しているのに対して、
飛鳥は単打にゃゅょが出て、
かつイ段かなが左手に集中、
かつ濁音のイ段かなが単打にあることで、
すべての拗音の打数を削減しているのだ。
なるほど、
僕は親指シフトをそこまで触っていないので、
「倍速」というのは、対ニコラであったのか、
とようやく納得した次第。
新下駄はさすがだ。
同時打鍵の多用により1・5か1しかない。
打鍵数で最強の座は揺るがない。
(下駄配列当時から落とした、ヴァヴィヴェヴォのみこの数え方で3打相当)
さてわれらが薙刀式だが、
拗音、外来音のすっきりさが売りである。
配列図が飛鳥や新下駄と段違いにシンプルなことも売りだ。
つまりはとっつきやすさの違いが利点。
上級配列には、極めたら負けるだろう。
しかし
「極める必要がなく、薙刀式はそこそこいい」
というポジションがみえてくる。
かな配列では、打鍵範囲は最小クラスではないだろうか。
さて。
これまでの表は、出現率を無視して網羅的に文字を見てきた。
我々がその配列を打つとき、
1文字ごとに打っていくから、
すべての文字を打てないとマスターしたことにはならないからだ。
しかし実際の文章では出現率が大きく異なるものである。
すべての文字は等価ではない。
で、
ざっくりブロックでまとめて、
濁音ブロック30%、拗音3%、外来音1%、
清音残り、という感じで、
出現率に比例させて面積比で示した。
拗音外来音のうっとうしさなどたいした違いではない、
ということが俯瞰されて見えてくる。
それよりも、
打鍵数が多いローマ字、JISかな、月の三者と、
その他、
と大きくふたつに分かれる感じだ。
もっとも、月は実装にエミュレータを必要としないという最大の利点がある。
それは置いといて、月はやはり打鍵数が多いんだなあ、
他はだいぶん減らしているんだなあ、
という印象だ。
(高速領域においては、
同時打鍵よりも前置後置の二打のほうが速いかもしれず、
どっちが速い、とは言い切れないことは付記しておく)
にしても、やはりローマ字は打鍵数多すぎ。
図で直感的に把握したい、
というのがやってみたくて作ってみた、という程度だ。
同時打鍵配列使用者が逐次入力を嫌がる理由が、
この表からなんとなく想像できるかも。
(シフトは1・5打で示しているが、同時打鍵使用者には1打の感覚だからね)
2018年06月01日
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