2018年06月01日

【薙刀式】各入力方式の打鍵数比較を視覚化してみた

数字では出した人もいるかもしれないけど、
もっと直感的に把握したかったので、イラレでつくってみた。


打鍵数比較1.jpg


1ブロックが1文字に対応している。
ここでいう1文字は、拍(モーラ)単位とした。
たとえば拗音は2文字表記だが、1文字扱いとする。
濁音、拗音、外来音(ふぁなど)も1文字。
、。ーと小書きも1文字とした。

これに対して、各配列の1打鍵を1ブロックに対応させた。
シフト、同時打鍵は0・5打、前置シフトは1打とした。


まずは上の、日本語と英語の比較を見てみよう。

清音50音(正確には46音)と記号、
濁音、半濁音、小書き、
拗音、濁拗音、半濁拗音、
外来音(薙刀式で使用している22音)を並べてみた。
計139音が並んでいる。

これにくらべ、
英語の26文字というのがいかに楽勝か、
見ただけで嫌なため息がでる。

この英語を打つ為のキーボードで、
これだけの日本語の音を打ち分けようというのだから、
どこかに歪みが出て当たり前だなあ、
という感想だ。
(さらに漢字変換や漢直とか変態の極み)


本題。

ローマ字とJISかなを見てみよう。

ローマ字の打鍵数が多いのは火を見るより明らか。
母音と「ん」以外は基本複数打だからしょうがないよね。
拗音の3打も痛い。
注目するべきは、外来音の打鍵数が少ないこと。
FVWあたりが効いている。

かな配列は拗音外来音で苦労しているが、
それをあざ笑うかのような意外と少ない打鍵。
これがローマ字が最悪とまでは言われない原因かもしれない。


JISかなはさすがの打鍵数最小。
例の打鍵範囲でいいんなら、という条件がついてくるが。
濁音、半濁音が全部2打になっているのは方式としては当然か。

拗音、外来音は等しくシフトの小書きを伴うので、
平均的に打鍵数がかかる。
濁音半濁音もふくめ、
ここは改善の余地があると誰もが思うに違いない。


次に月をあげた。
打鍵数の多さが、ほかのかな配列と大きく違った為だ。
清音の半分ほどが2打になってしまうのは、機構上しょうがない。

しかしローマ字とJISかなの中間程度に清音をおさめ、
濁音半濁音に関してはJISかなと同等、という点においては、
打鍵範囲もふくめ、
あきらかな改良だといえよう。

しかし拗音外来音の打鍵数の多さが、
月の欠点であることがこの図から明らかだ。
3打はあたりまえ、4打もたくさん。
(そしてそれは後続の月系列での改良の主眼となる)


さて、同時打鍵の始祖、親指シフト(ニコラ)だ。
清音濁音に関して、同時打鍵による打鍵数の削減が実現していて、
この感覚こそが親指シフトの良さだ。
ローマ字、JISかなよりはたしかに良い。

しかし拗音外来音に関しては、
そこそこ打鍵数が多いことがわかる。
(基本同時打鍵2アクションになってしまう)

飛鳥がこの拗音部分をずいぶん改良していることが、
この図をつくってみて初めて納得した。

飛鳥がつくられた当初の仮想敵は、
親指シフト、ローマ字、JISかなであったと思う。
作者のRay氏がよく言っていた「倍速打鍵」というのがよくわからなかったのだが、
この拗音部の改良こそ、
「拗音に関する倍速打鍵」だとやっとわかった。
親指シフトは、単打にゃゅょがなく、イ段かなも分散しているのに対して、
飛鳥は単打にゃゅょが出て、
かつイ段かなが左手に集中、
かつ濁音のイ段かなが単打にあることで、
すべての拗音の打数を削減しているのだ。

なるほど、
僕は親指シフトをそこまで触っていないので、
「倍速」というのは、対ニコラであったのか、
とようやく納得した次第。


新下駄はさすがだ。
同時打鍵の多用により1・5か1しかない。
打鍵数で最強の座は揺るがない。
(下駄配列当時から落とした、ヴァヴィヴェヴォのみこの数え方で3打相当)


さてわれらが薙刀式だが、
拗音、外来音のすっきりさが売りである。
配列図が飛鳥や新下駄と段違いにシンプルなことも売りだ。
つまりはとっつきやすさの違いが利点。

上級配列には、極めたら負けるだろう。
しかし
「極める必要がなく、薙刀式はそこそこいい」
というポジションがみえてくる。

かな配列では、打鍵範囲は最小クラスではないだろうか。



さて。

これまでの表は、出現率を無視して網羅的に文字を見てきた。

我々がその配列を打つとき、
1文字ごとに打っていくから、
すべての文字を打てないとマスターしたことにはならないからだ。

しかし実際の文章では出現率が大きく異なるものである。
すべての文字は等価ではない。

で、
ざっくりブロックでまとめて、
濁音ブロック30%、拗音3%、外来音1%、
清音残り、という感じで、
出現率に比例させて面積比で示した。

打鍵数比較2面積比例.jpg


拗音外来音のうっとうしさなどたいした違いではない、
ということが俯瞰されて見えてくる。

それよりも、
打鍵数が多いローマ字、JISかな、月の三者と、
その他、
と大きくふたつに分かれる感じだ。

もっとも、月は実装にエミュレータを必要としないという最大の利点がある。
それは置いといて、月はやはり打鍵数が多いんだなあ、
他はだいぶん減らしているんだなあ、
という印象だ。

(高速領域においては、
同時打鍵よりも前置後置の二打のほうが速いかもしれず、
どっちが速い、とは言い切れないことは付記しておく)

にしても、やはりローマ字は打鍵数多すぎ。




図で直感的に把握したい、
というのがやってみたくて作ってみた、という程度だ。

同時打鍵配列使用者が逐次入力を嫌がる理由が、
この表からなんとなく想像できるかも。
(シフトは1・5打で示しているが、同時打鍵使用者には1打の感覚だからね)
posted by おおおかとしひこ at 18:49| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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