僕は物書きだ。キーボードは万年筆だ。
何万出したっていい奴なら買う。
一生使うし、駄目になったら同じのを買う。
先日のhhkbユーザーミートアップで、
僕はいいキーボードなら25万くらいまでなら出してもいいと思って手を挙げた。
それ以上手をあげなかったのは、
それ以上ならバイトを雇って入力させたほうがいいと思ったからで、
自分が書く画材のためなら、別に100万くらいは出してもいいと思っている。
で、1年ほど愛用してきた日本最高のキーボードのひとつ、
hhkbを上回るものを手に入れてしまったので、そのレポートをする。
今のところ、
PFU Happy Hacking Keyborad BT/JPが、
NiZ Plum 75に勝てる要素がない。
あるとしたら、「日本製という安心感」くらいではないか?
それも、日本メーカーが怪しくなってきた
(こちらのニーズがとどかず、受けるやつしか商売にしようとしない気骨のなさ)
こともあって、品質管理だってもうメイドインジャパンじゃないし、と、
どうしようもなくなってきた要素ではある。
僕の要求する用途は、
「カフェで2〜3時間程度で1万字書く」
というものである。
だから持ち運べる、
ケーブル不要のブルートゥースであるべきだし、小さいほどよい。
(キーピッチは小さすぎるのはよくない。18から19)
この時点でリアルフォースは視野から外れる。さすがに重すぎる。
愛機だったhhkb BT/JPは、
Nizのファンクションキー列ぶんだけちいさい。
実はこの分しか勝っているところがなく、
いずれ日本でも発売するであろう同数のキーのNiZ atom66には、
もう勝てる要素がなくなると感じた。
それくらいにNiZはよい。
hhkb信者を脱退してもよいなこれは。
先週ミートアップにいってきたばかりだというのに。
全貌がみえたら幻滅して好きじゃなくなる、ってのはよくある心理だよな。
底割れしたのかもなあ。
僕がポータビリティの次に大事にしているところは、軸である。
静電容量無接点30g>静電容量無接点45g≒メカニカル赤軸45g
>メンブレンの軽いやつ>メカニカル茶軸
>その他パンタグラフ、メンブレン
の順に良いと思う。(Gatron35gは未経験)
この時点で、フォルダブルな超小型のものは脱落する。
たいていがパンタグラフだからだ。
この時点で僕はポメラをあきらめた。
別キーボードがペアリングできるようになったら買うかもしれない。
(いや、薙刀式が使いたいから、
かえうちの刺さるUSBポートは必要かもだ)
キーの物理的な要素は、
配列と、キーの重さと、全体の大きさと形だ。
そのうち配列なんて、DvorakJやかえうちでなんとでもなる。
形は、最悪自作を考えていた。
しかしキーの軸(重さ)だけはどうしようもない。
僕の愛する静電容量無接点方式は、
自作には向かないらしい。
ということで、
静電容量無接点がつかえるのは、
実質、
hhkb(45g)、リアフォ(45g, 30gしかしモバイルではない)、
Leopold(45g)、
NiZ(35g)の、
4ブランドしかない。
僕がこんなにも静電容量無接点を愛する理由は簡単で、
「最も力がいらないから」だ。
筆記具は消えるべきだ。
そこに存在しないようにするべきだ。
だから鉛筆も僕はBか2Bを使う。
HBは固い。柔らかいやつがほしい。
たったそれだけのことで、
軽いキーをずっと探していた。
茶軸は悪くない。赤軸も悪くない。
しかし静電容量だけが、
底打ちしなくてよい、ずっと打っていける環境をつくってくれた。
実際、1万字書く程度では大した差はない。
高級か安物か、程度の感触の差しかない。
しかし3万字書くと、その差が顕著にわかってくる。
静電容量は疲れない。
仕組みがスイッチではないところに起因している。
オンオフをアナログ的に感知しているところが、
底打ちしなくて良い理由だ。
慣れると、カメラのシャッターの半押しのように、
ずっと半押しのまま文章を打っていける。
雲の上をゆくような、とか、流水のような、
とか表現される打鍵感覚になってゆく。
これが僕は気に入って、
hhkbを愛用していた。
しかし45gが足かせになってきた。
10万字を書くのに45gは向いていない。
それ以下のキーボードは二つしかない。
リアフォ30gか、NiZ35gだ。
で、モバイルできるNiZを買った。
結論で言うと最高。
NiZ Plum 75がhhkb BT/JPより勝るところ
・キー押下圧35g
・アクチュエーションポイントを浅くできる
・ペアリング先を3つまで登録し、切り替え可能
・USBでも接続できる(充電しながら)。つまりかえうちが刺さる。
・ファームウェアでキーを入れ替え可能
(そもそもDvorakJやかえうちがあればどうでもいい機能だが、
修飾キーをハードレベルで動かせるのは大きいかも)
・PBTキーキャップの手触りがよい
(しかもCherryMXのキーキャップがつくらしい)
・打鍵音はType-S以上に静か。強い力で打たないところも関係しているかも
同等のところ
・コントロールキーの位置は同じ(A外)にできる
劣るところ
・US配列しかない
(ここがまさにhhkbJPを使っていた僕にとってのビハインドだった。
しかし薙刀式を、親指部を使わないUS版に改造することでそれをかわしている)
・一列分大きく、重量がその分ある
(これは次のモデルatom66が出たら同等になる)
・デザインがダサい
(我慢するしかないが、キーキャップを交換することでなんとかなるかも)
・電源スイッチがへんなところにある
(hhkbのもたいがい入れにくいけど)
勝ち負けどちらともいえないところ
・hhkbは単三電池、NiZは充電式
(バッテリーが仮にへたったら、USB接続するしかないか……)
・hhkbJPの悪名高いz段ズレ
(僕はもうhhkbに慣れてしまったので、逆にふつうの配列に戸惑っている。
このズレ、いるのかな?)
・ボディが歪んでいたり(ねじると直る)、大きなキーの品質がそろっていないところ
(配列を変更して真ん中しか使っていないので関係ない)
とにかく35。アクチュエーションポイントが浅くできるところ。
この二つだけで、もうhhkbの打鍵感は勝てない。
あとはだいたい同じだから、
hhkb勝てるところないやんけ。
寿命は、あるかも。
PFUも東プレも、もっと焦ったほうがいいぞ。
信者は一人転んだ。
これで次の作品が楽に書ける。
一年くらい付き合ってきた、腱鞘炎が完治するかもだ。
昨日一日中NiZを触って、
今朝hhkbを触ってみた。
あれ? こんなに重かったっけ?
結構ショックだった。一年以上、これ以上ないと確信してきたというのに。
僕は、
1万字書きたい。(一日に書く限界)
5万字書きたい。(脚本一本)
10万字書きたい。(長編小説一本)
何百万字書きたい。
その道具を探しているだけだ。
2018年06月11日
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