という脅しに対して、
「また一から作ればいいじゃない」
と言えない人が、
老害を生んでいるのではないか?
話は戦後まで戻るけど、
焼け野原から、
一から作ってきた人たちがいて、
それは70年代くらいまでは普通にいた。
たとえば「プロジェクトX」で特集された人たちばかりでなく、
ものづくりの裾野には、
もっともっと膨大な人たちがいたはずだ。
ものづくりにはふたつある。
ものそのものを作る発明のこと。
それを大量生産して安定供給して販売網をつくり売り込むこと。
前者はクリエイターの仕事で、
後者は営業や経営の仕事だ。
戦後はどっちも焼け野原からの出発で、
つまり、
ものそのものの発明と、
販売網の開拓の、
両方がなされた。
テレビの黄金期の前には、
テレビを売ったり番組づくりのノウハウをつくったり、
スポンサー集めからはじまったはずだ。
そういう、開拓者たちは引退した。
今は、その開拓した網を、継ぐところから始めた人が、
会社組織のトップにいる。
だから、
「失敗したらどうするんだ」と怯える。
彼らは一から網を開拓したことがないからで、
失うことしか知らないからだ。
これが一から開拓した人なら、
「またどうにかして開拓するわ」と、
開き直れるはずだ。
開き直って全力を出す人と、
怯えながら左右ばかり見る人は、
どちらが多く成功するだろう。
我々は開拓者だ。
白紙から面白いフィニッシュを作り出す魔法使いで、
白紙の畑を開拓して面白さの果実を得る者である。
ところが、
会社組織で網を持つ者は、開拓者ではなく継いだ者に過ぎない。
だから彼らは、
「また開拓したらいいじゃない」とは、
思っていない。
「失敗したらどうするんだ」
ばかり言う。
これは、
日本全体の問題かも知れない。
ざっくりした世代論だ。
働き盛りの人たちよ。
新しく会社を興し、
新しく網ごと開拓すればいいんじゃないか?
電子書籍で個人で出して、
出版社に頼らない、
なんて作家が出始めている。
ライブと配信で、
レコード会社に頼らない、
アーティスト達が出始めている。
テレビ電波と放送作家に頼らない、
ユーチューバーたちもいる。
ネットという網が、
現実の網に対してどれほど強いかは現時点でも不明だが、
開拓者たちは沢山いる。
過去の網を守り、作らない者。
網を開拓し、作り続ける者。
前者が今の大企業なんだなあ。
失敗したらどうするんだ。
また作ればいいじゃない。
何を怖がっているんだ。
先人たちは大変な苦労をしてここまできたんだ、
なら、
僕らも大変な苦労をすればいいじゃない。
ものづくりなんて、大変な苦労ばかりなんだから。
でもそれがとても面白くて、傑作を生めるから、
ものづくりって楽しいんだろ?
失敗したらどうするんだ、っていう人は、
成功したときの楽しみを知らない人だと、
僕は思うよ。
2018年06月14日
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