僕は物書きで、qwertyローマ字の不合理性が嫌で、
配列道に入った。
ところがタイピングの世界と、実際に書いていく世界では、
「速い」の基準が違うような気がしている。
↑タイピングの世界
秒○打
分○文字(かな換算)
10分○文字(変換後)
一時間○千字(エディタで数えるから、純粋字数)
日産○枚(原稿用紙で数えるから、空白改行全含み)
月産○枚
↓物書きの世界
10分700字が一級、などと言っているのは、
普通の業務レベルのタイピング
(報告書、会議に必要な資料作成)で、
精々1時間単位の従事だと思う。
あるいは、ブロガーあたりの数字かな。
一時間○千字だと、一日に1〜3時間程度しか取れない、
兼業作家の基準のような感じだ。
日産も作家にはどうでもよくて、
月産ぐらいでようやく月収と直結することになるだろうね。
ここまで来ると、スピードどうこうよりも、
内容の方が大きなウェイトがかかるだろう。
でも、日々のタイピングに不合理があり、
それを改善するために、
qwertyローマ字を辞めて配列を変えようとする人に、
タイピングレベルのことを示すのは本当には意味がないと思う。
たとえば、
親指シフトをやると速くなりますか?
という問いに、
10分○文字になりますよ、
という答えは正解なのだろうか。
タイパーは実用入力のことはどうでもよくて、
ゲームとしてタイピングをしている、
という話はよく聞く。
それはそれで人間の限界として興味はあるけど、
僕は物書きに使えるのか?
に一番興味がある。
で、親指シフターたちは、
「速くなるというより楽になる」しか言わない。
月産100枚として、
それに関わる時間は、
書いている時よりも、書かない時、
つまり考えている時間のほうが遥かに大きい。
だから配列や環境を変えたって、
速いことにあまり寄与しない。
しかし確実に楽に速く書けるから、
「楽になった」という印象が残るわけだ。
速くなりますかという配列変更希望者には、
「同程度には最低限速くなるし、
その時は恐ろしく楽になる。
そのあと、速さが超えることもあるよ」
と、きちんと答えてあげればよいのに。
僕は、
qwertyローマ字が10分530字だったのが、
薙刀式で10分1500〜1000字程度になった。
(文章の質でかなり変わる)
期間は半年。
間にキーボードやパームレストの改良も含む。
これは効果測定をちゃんとやっていたから答えられることだ。
配列を変えたい人は、
こういう風に答えてほしいと僕は思う。
僕がそうだったからね。
楽になるというのは数値化できないから、
感想でしかない。
証拠が欲しい人に感想を言ってもしょうがない。
基準がタイピングの数字しかないところに、
問題があると僕は思っている。
しかし、長い文章ほど内容によって速度が変化するので、
純粋なタイピングの寄与が分離できない、
という別の問題があり、
じゃ結局タイピングの数値で比較するしかないんだな、
ということになってしまう。
でも「タイパーに親指シフターがいないから、親指シフトは速くない」
というのも早計で、
親指シフターにタイパーなる変態がいないだけだ。
ちなみに親指シフトの根拠となっている、
かつてのタイピングコンテストの優勝者は、
10分800字程度であったらしい。
実用的には速いけど、タイパー的には遅いよね。
つまりタイパーが実用を捨てたところから、
話はややこしくなっているのだなあ。
配列作者たちは、
タイパー的速度を誇る意味はないと僕は思っている。
基準となるqwertyローマ字とその配列の、
実用入力の速度(たとえば一時間の平均)を示した上で、
ついでにタイプウェルXXとか言うのなら全然いいけど。
(とかなんとか言いながら、
GANGASのランキングに参加してしまいました。
この競争感がタイピング競技の魅力であるのはとてもわかる)
コピー打鍵と創作打鍵でまた全然変わって来るのも問題で、
僕はコピー打鍵にはなんの興味もないのに、
タイピングではコピー打鍵で測定されるのも腹が立つ。
これらの問題は「分○文字」のように、
簡単に言えないところがややこしい。
実用入力創作打鍵一時間程度において、
qwertyローマ字○文字、
その配列○文字、
というのを何回もやって、平均を取ることでしか、
これらのファクターを除去することは難しいだろう。
測定そのものが面倒だし。
で、僕の場合、そうやって測定してきたので、
qwerty530字/10分
薙刀式1200字程度/10分(ブログ程度の文章)、タイプウェル総合SI
と答えられる。
カタナ式はこういうやり方で測定していないが、
タイプウェルは総合SI、コピー打鍵を数時間で790字/10分。
親指シフト(ニコラ)は最善だとは僕は思っていない。
薙刀式や、飛鳥や新下駄のほうがいいと思うよ。
>親指シフトの根拠となっている、かつてのタイピングコンテストの優勝者は、10分800字程度であったらしい。
→という部分はどこかにソースがあるでしょうか?もしくは大岡さんが実際に見聞きした話でしょうか。
以前から親指シフトの記事の中でNICOLA公式の「ワープロ検定合格率No.1」というページに対して疑問を書いているのですが、
http://pasokatu.com/19346#i
http://nicola.sunicom.co.jp/thumb2_3.html
金賞・銀賞、のような分け方がされていて、どのような問題をどのくらい入力したのか数字が未だに見つかっていません。個人的には当時のシェアや、入力業務に従事している人が親指シフトを使っている割合が多かったことが原因なのかと思っているのですが、予想の精度が低いだろうから謎に包まれているのが現状です。
親指シフトの記事を書いた当初から気になっているのに見つからないので、手がかりがあれば良いなぁと思っているのですが・・・。
もし優勝者がコピー打鍵で10分800文字だったら、大会としてはローマ字入力者でも明らかに遅いので、昔は全体のレベルがそのくらいだったのか、とか、いろいろ気になります。
この数字は親指シフトのことをいろいろ調べていたときに知った数字で、複数のところで見聞きしたものです。
ソースの一つは見つけました。
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/hard/1486150671/l50
の953。
当時のコンテスト状況だと、
ブラインドタッチの普及率(たとえばパソコンの普及率自体が10%程度の模様。http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h18/html/i1231000.html
98とかオフコンとかいってたころでしょう)
とか、わざわざ会場まで行く手間のことを考えると、
黎明期と考えた方が納得がいくかもですね。
IMEがどれだけの性能だったかも分からないし。
ネットに誰でもつなげる今のほうが、全体のレベルは上がっていると思います。
ブラインドタッチ普及率は30%だそうで。
タイプライターでDvorakが優勝したやつだって、いまのQwertyには全然負けるかもしれないですしね。
ということで、
僕はずっと親指シフトが速いということに懐疑的ですね……
スレ内で煽っていた漢字変換込み300文字/分の人は自分より1.5倍くらい速くてタイパーの中でも上位レベルだと思うんですけどいったい誰なのか。
>ワープロコンテスト82
→当時の様子を垣間見れてモヤモヤが少しスッキリしました、ありがとうございます!レポートしてくれた人に感謝ですね。しかも写真付き。
ざっと読んだところ、優勝した人がどの入力方式だったのかまでは書いてなかったですが、「マイオアシスを」と書いてあるし、タイパー辞典の書き方を見ても、親指シフトオンリーだったのかもしれないですね。
10分892文字についてですが、確かに黎明期だったことやIMEを考慮すると妥当かも知れないですね。早とちりでした。
>ブラインドタッチ普及率は30%
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/47594
→現代の社会人でも似たような割合ですね。
あとは大学生を対象としたアンケートでは概ね20%以下の割合みたいです。
http://pasokatu.com/18706#i-8
まぁこれは普及率が昔とは段違いになったから不慣れな人も多いとも言えますが。
>Dvorak
→DvorakとQEWRTYの歴史についても若干検索したことがありますが、Dvorakは確かに優れている配列だけど、商業的に恣意的なアピールが指摘されたりしているので、実際のところそこまで大きな差がないんじゃないか、っていうふうに見えます。コンテストの成績が拮抗していたという情報も見かけたことがあるような気がするんですが、どこで見たか、ちょっと検索しただけだと見つけられませんでした。
↓関連する話題の書籍だとこれをよく見かけましたね。
キーボード配列QWERTYの謎
https://www.amazon.co.jp/dp/4757141769
(写真を見る限りマシンが全部オアシスっぽい。オアシス上でqwertyローマ字が選べるのかは、わかりませんが)
商業上の理由がなくて、人が好きに配列の優劣や好みを語れる時代になってよかったのかもしれません。
キーボード自作勢なんて見てると面白い。
新しく始める人は大変でしょうが。
(フリックがデフォで、qwertyが二番目で、それ以上はほとんどの人が出来ない時代になるかもしれませんし)
Qwertyの謎は、文献としてよく引かれますよね。
そこまでqwertyが好きじゃないので手は出してないです…
だいぶん長大な記事になってきましたねえ。
当時のレベルが低かったというよりも、
Windowsの普及で、qwertyローマ字タイピングのスキルが爆発的に上がっただけかも知れませんね。
(あと当時の大会は課題は初見かどうか明記されてましたっけ。現在の大会も初見か練習OKかで数字は随分変わってくるような)
ここまで煽ったら、そろそろ親指シフターの速い人の動画上がらないかなあ…
「楽に打てる」という親指シフト側の主張も、後発の個人開発カナ配列のほうが優秀だと思いますが、
「楽」の測定ができない以上証明しようがないのが惜しいですね。
ちなみに最近見たこれだと、打鍵音から推測するに楽そうには見えます。
スピードもロールオーバーしていて速いし。
https://mobile.twitter.com/mos_tokyo/status/1018084765977567232/video/1
同一人物で条件を揃えたほうが、分かりやすいのかも知れませんね。
ワープロコンテスト82の募集要項を見ると「試験問題は裏向きのまま配布します。開始の合図は口頭で行い、合図と共に試験問題を見てください。」と書いてあるので、初見だと思います。
また、現在開かれるオフラインのタイピング大会や資格は基本的に初見、IME初期状態です。記事中の優勝者の文字数もすべてその条件になっています。
例外は毎パソ(毎日パソコン入力コンクール)のオンライン大会で、練習ソフトの問題をそのまま本番に使います。このような暗記できる問題の場合、トップレベルは漢字仮名交じり文1600文字/5分(3200文字/10分ペース)くらいになります。
https://www.youtube.com/watch?v=smVsG3M9qcI
https://www.youtube.com/watch?v=CHFPkWY-ZdI
https://www.youtube.com/watch?v=pD6370LAo4k
https://www.youtube.com/watch?v=yMkzbeZa4Uo
●動画
おぉ!どっちも十分に速いのは珍しい。打ち方に無理が無くて楽そうに見えますね。
毎パソだけが逆に練習OKなのか。
毎パソ十段の動画はいくつか見たことがあって、
初見は絶対無理だろと笑うしかなかったですね。
とはいえ、やっぱ1500字ぐらいが「ひと息に打つ」限界なのかも。短距離走というか。
10万字ぐらい打つマラソン大会があったら僕的に一番見たい。
先ほどあげてもらった例は初見で2000越えとは、人の力はそこまで上がるのかと感動すら覚えます。
IME初期化は辛いなあ。隅野さんが「学習機能を切っている」と言ってたのをテレビで見て「そんなバカな!」と思った記憶があるけど、大会対策だったのか…
例に引いた動画ですが、これだけ条件が揃うと、
「ローマ字は力一杯バタバタしている」印象が残りますね。
親指シフターの主張する「楽」は、こういうことかと。
(でも運指の配置上ニコラ配列が最優秀だとは僕は思ってなくて、
まあその話は別の機会に)
ともあれ、日本語コンソーシアム公式の主張は、
ずいぶん時代遅れだというのは僕も完全に同意です。
公式の競技ではありませんが、タイパーの間では「タイプウェル憲法トライアスロン」と言って、合計65148打を打ち切る無茶クソな種目があります。
https://www40.atwiki.jp/bousoku/pages/568.html
https://www.youtube.com/watch?v=0Gh6PROquWU
http://ch.nicovideo.jp/kiru5630/blomaga/ar981891
http://www.geocities.jp/dqmaniac/typing/twkempou.html#triathlon
http://tanon710.blog.fc2.com/blog-entry-16.html
ただし、もちろん変換なし・創作打鍵でもないので大岡さんの見たいものでも無いと思いますけど、一応人間の限界の例として。
実用打鍵で超長文の種目だったらあっても良いなと思いますけど、今まで見たことがありませんね。
創作打鍵だと同じ指標で数値化するのが難しいだろうから、やるとしたらせいぜいタイプウェルFTを使うくらいでしょうか。
漢字かな交じり文で10万字だとローマ字入力だと変換操作や修正を加味すると1.7倍よりも多くなって2倍の打鍵数(20万打鍵)って感じでしょうか。僕の場合は押下圧30gなら10万打鍵でもそんなに疲れを感じませんが、過去に、1日に15万打鍵して、かなり疲れた記憶があります。でも競技タイピングとしての練習で感じる疲れなので、実用入力だったらもうちょっと量が多くても大丈夫かな、とも思います。
もし10万字がコピー打鍵じゃなくて創作打鍵だったら先に頭が疲れてリタイアしそうですけどね(笑)
全く世界は広すぎて笑うしかないですねえ。
極真空手の百人組手なみの荒行ですな。
10万字と書いてみたのは、
小説一冊が大体それくらいなんですね。
なので、「誰かの小説を課題として初見コピー打鍵」は、
競技として成立するかもです。
(競技時間中IMEに登録自由にしたりすると、辞書登録テク混みの実戦的なものになるかも)
ちなみに創作打鍵でいうと、先日9万字で一ヶ月かかりました。
しかし10万打鍵でも大丈夫とは、
手の鍛え方が全然違うんですね。
僕は1万字(変換後)/日が次の日に疲れを残さない限界です。
(35gで。薙刀式だと、同時打鍵も全部数えて1カナ当たり平均1.4打)
タイピングが嫌いで自作配列を作ったぐらいなので、
パソ活さんと比べると手の力が圧倒的に下なんだと思います。
逆にいうとほとんどの人は鍛えてない僕と似たようなもんだから、
qwertyローマ字で長文を打つのは、
ほとんどの人には苦痛だと考えます。
親指シフトが楽、という非タイパーのおじさんの気持ちも、
だいぶわかってきた…
(鍛えられたタイパーには親指シフトは同時打鍵の枷で意味がなくて、
指の弱い一般の人にこそ、楽な親指シフトは使える道具、
ということですかね)
→実は、僕も配列についてブログを書くうちにそう思うことが多くなり、指が強い人ほどローマ字入力は相性が良いと思いました。(高速であればあるほど良くてロールオーバー打ちをフルに発揮できるので)
そう考えると、「配列の優劣」というのは絶対的な指標で比べてもあまり意味がなくて、その人にとって最適な配列を見極めることのほうが大事、つまり相対的に決まるものかな、なんて思ったりしますね。
そのパラメータにどういうものがあって、
人によってどれくらい差があるのか、
なかなか見極めにくい所ですね。
まさか指の強さにそんなに差があるとは思わなかったし。
僕は薬指も小指も嫌いで出来れば使いたくないので、
そのへんの指の強さは更に差が開くのかもですね。
ほかにも、「1モーラを1打で打てないと気持ち悪い」、
「指の範囲は狭い方がいい(標準運指すら広い)」、
「シフト機構は同時」、
「片手アルペジオが好き」、
などが好みとしてあるのは自覚していて、
自分が他の人に比べて突出しているのは、
手書きの能力ではないかと考えています。
(9万字の初稿すべて手書きが苦ではない。タイピングの方が苦)
他にもパラメータは沢山あるかも知れません。
ここまで書いてて思ったのですが、
やはり僕はタイピングを出来ればしたくないようです。笑
デジタルで世の中動いてるから、仕方なくという感じ。
だから労力最小化をずっと考えているのかも。
それでいて配列の客観評価指標が速さしかないのが。
「この配列は使いにくい。何故なら○○○○」と詳しく書くことで、
その人のパラメータが補集合から見えてくるかも知れないです。
「同指連続打鍵があると気持ち悪い」、
「指の範囲は狭いほうがよいがローマ字入力くらいが許容範囲」、
「シフト機構はあまり好きではない」、
「片手アルペジオよりも左右交互のほうが気持ちいい」
こういう好みによって向いている配列が違いそうですね。(もしくは、ローマ字入力だから上記のような好みになったのか)
ーーー
あと手前のコメントの間違いがあったので書いておきます。
"漢字かな交じり文で10万字だとローマ字入力だと変換操作や修正を加味すると1.7倍よりも多くなって2倍の打鍵数(20万打鍵)って感じでしょうか。"
と書きましたが、20万打鍵は漢字かな交じりの文字数ではなく、かな文字数のつもりで書いていました。
慣れたらこれも行けるぞ、ってこともあるし、
絶対ダメなやつもあるし、
行けるかなと思ったらダメなやつもあるし。
(同時打鍵に慣れたあとに逐次打鍵の月配列を触ったら、
覿面にダメでした)
自分の好みを最初から言葉で正確に言える人はいないし。
そういう意味で気軽に色々試せるといいなあ、と思ってるんですけど、
そこまで普通の人は思いが至らないでしょう(知らないだけというのもありますが)。
なので、「その配列で普通に実用入力している動画」をひたすら上げると、触るよりは敷居が低いのかなあなんて考えています。
リアルフォースチャンピオンシップの手元動画で初めてガチのJISカナを見たのですが、
跳躍が多くてこりゃ無理だと思いましたね。
動画はとにかく色んな情報を持ってます。
しかし20万打鍵なんてことになると想像もつかないですね。
qwertyタイパーはよく左小指を傷めないなあと不思議…