昨日知り合いのキャストの芝居に行って来たのだが、
終演後、ロビーで演出家が戯曲台本を売っているのを見て、
演劇界はいい習慣を持っているなあ、
と思った。
(ちなみに「リボンの騎士/県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018」。
クライマックスの「舞台裏」が最高でした。
明日まで、座・高円寺にて。当日券あり)
演劇はDVDとかネットフリックスとかないから、
形に残らない。
あとに残るのは、
コンサート同様譜面のみ。
その場の空気を楽しみ、
あとで思い返すときに、譜面だけを読む。
なんと想像を大事にしている世界なのだろうか、
と羨ましくなってしまった。
あとあと小説のように読まれることは、
そんなにはないかも知れない。
でもパラパラとめくり、
言葉の断片を思い出し、
ストーリーを一気に思い出すことはあるだろう。
その「形になったもの」が台本、
というのはとてもいいなあと思った。
フランスの演劇だっけ、
パンフレットに戯曲を全て乗っけるという習慣。
ネタバレとかじゃなくて、
こういうものを見たのだという、
記憶の何かを形にして残すという。
映画もそうすればいいのにね。
編集でズタズタにされることもあるからね。
実際のところ、
戯曲台本は、出演者のサインを書いてもらう、
「台」としてしか機能していないかも知れない。
それも売る為の方法論だと割り切って、
ニコニコとしていた演出家を、
見習いたいと思った。
台本に誇りを持てる人でありたい。
ウリはキャストなのかも知れないけれど、
みんなキャストの熱気に当てられてるけど、
場の雰囲気に呑まれてるけれど、
これを演じてるだけなんだぜ、
という超越した余裕を感じられた。
そういう台本を、書きたいものだ。
歳をとってどうなっていくのか、
ロールモデルがないことが多いけれど、
ああやって生きていくんだなあ、
と、少し見えてきた。
2018年06月30日
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