2018年07月04日

事件、解決、間のアレコレ

ものすごくざっくりいうと、
このみっつを作れると、
ストーリーは「書ける」という確信に変わると思う。




事件:

面白そうな事件。聞いたこともない事件。
どうやって解決するのだろうと興味を引くもの。
新しいネタ。
それを利用した面白そうな事件。

(たとえば最近だと人工知能系が何かの事件に絡むのは、
あるんじゃないだろうか?
量子コンピュータとか量子テレポーテーションや、
ブラックホールでもいい。
ケータイやネットの黎明期では、
「闇サイト」とか「謎のサイト」なんてのがよくネタになったよね。
そんな感じ。
「今の最先端」にこそ、新しい物語のネタがある。
あるいは、
マイナーだけれど、
誰も知らない面白そうなものを題材に取るのはある。
マイナー仕事ジャンルとか。
万引きGメンとか超能力捜査官とかもいいし、
僕は競技タイピストの話とかも面白そうだと思う。
「知らないことを知る」のは、
知的興奮だからね)


解決:

それがどうやって、「なるほど」と落ちる解決になるかを考える。
問題と解決のペアで、
何かしらのテーマが暗示できるのがベストだが、
一発でそこにたどり着けないときは、
主人公目線で考えてみる。

主人公を考える。
主人公はその問題にインパクトのある方法で巻き込まれ、
解決しなければならなくなる。

何故解決しようと思うのか、
その動機がないと話を前に進める燃料にはならない。

事件と解決そのものに主人公の動機があるなら、
テーマ、主人公、事件が一直線になるが、
そうなることは稀で、
主人公は、事件と関係ないBの問題を抱えていることが多い。

事件Aの解決が、問題Bの解決にもなるのではないか、
と主人公が気付いたとき、
主人公は問題解決にひた走るようになる。

ということは、解決はAB同時の解決になる、
というインパクトが必要だ。


公的な事件、私的な問題。

これらをうまく設定して、
解決のインパクトから逆算したり、
事件発生のインパクトから、
うまく解決の段取りを考えて、
上手に着地させるか、
どちらのやり方もある。

恐らくはその両方を試して、
色々な部分を調整しているうちに、
出来上がることが多い。

「問題から解決が一本の糸になった」
と確信が生まれるときだ。

このとき、
自動的に「間のアレコレ」はいくつか出来上がっていることがある。

事件開始、主人公のB、
巻き込まれ、
ああなって、
こうなって、
最後にこれをやって、解決、おしまい。

ここまでが自動的に出来上がる。

「自動的に」というのは、
テクニックや理論があるわけではなく、
センスで作る、という意味だ。

モヤモヤしたアイデアが、
頭の中で転がしているときに、
形をとっては消え、
ある部分を再利用したり、
あるいは組み合わせたり。
いくつかあり得る中の、
まず最初の形を取るまでは、
理論はないような気がしている。

これを自動的に出来ない人は、
ストーリー作りは向いてないような気がしている。


ここまで出来たら、
「間のアレコレ」を考える。


間のアレコレ:

解決に必要な段取りが、
いくつかあると思う。

それを書き出す。
すでにストーリーの雛形になっているが、
それをさらに面白くするのがこの段階。

つまり、「障害と乗り越え」を足す。

わざとトラブルを起こそう。
ミスをしてもいいし、
先方の都合が急に変わってもいいし、
偶然が作用してもいい。
ものすごい反対する人を出して、
それを敵として、それをやっつける(追放する)
話にしてもいい。

ドSの発想だ。
主人公はあなたでなく他人だから、
他人への無茶振りである。
それでも乗り越えたい動機さえあれば、
なんとかしてそれを回避したりやっつけたりして、
次へ進もうとするはずだ。

そのアップダウンを大きく作れれば作れるほど、
ストーリーは面白くなってくる。

主人公の抱えるBに関しても、
最大にややこしい、最悪の事態になると良い。
それをどう見事に、あるいは泥臭く、
解決するかがストーリーである。


一人じゃ解決できないことが多いので、
協力者について考えても良い。

彼または彼女の抱えるCはなにかを想像する。
呉越同舟になっていくだけで、
ストーリーはバディものになる。
さらにDEを抱える、
協力者や第三者や敵を出していくと、
間のアレコレは随分豊かな絡み合いになっていくだろう。

予想を裏切るサプライズも必要だ。
すごい大どんでん返しでもいいし、
ツイスト的な捻りを加えても良い。
ストレート過ぎるならそうするべきだし、
意外とストレートが面白いこともある。

色々やってみて、いけそうなやつに収束していくだろう。

面白いと思った要素も、よくなかったら外すとよい。



これらを、
頭の中だけでやるのがコツだ。

もちろん忘れてはダメだから、
メモを随時取ってもよい。

しかし構想は頭の中だけでやるのがコツだ。

事件の起き方を想像したり、
途中の場面を想像したり、
ラストを想像したり、
頭の中で色々な所へ行ったり来たりするとよい。
場所を移動させたり、
別々のキャラクター視点で考えてもよい。

良ければメモを取る。
良くなくてもメモを取る。


とにかく頭の中で、
ストーリーの形で説明できるまで、
頭の中で想像するとよい。


で。


大体出来たかな、
と思ったところで、「一連のメモ」にする。
○○○○→○○○→○○○○○○→○○…
という形式で良いから、
発生から解決までだ。

キャラクターが喋り出すこともあるから、
そのセリフもメモろう。



あとは、これを見ながら、
捨てたアイデアを足してみたり、
今あるところを捨ててみたり、
設定を変更したり、
起伏をより激しくしたり、
捻ったり、戻したりするとよい。

紙がごちゃごちゃになってきたら、
白紙に何も見ずに、
一から書き直すと面白いことになる。
勝手にストーリーっぽくなっている。

これは落ちがわかっているから出来ることで、
始点と終点が決まっている弦を、
どこに張るか、というようなゲームである。


何回か白紙に書き出すことになる。
その度にバージョンは変わって行く。

タイトルをそろそろ考え出すだろう。

そのタイトルに触発されて、
中身がまた変わることもあるし、
それに応じて別のタイトルも思いつくだろう。

そうして、
ストーリーは大体の命の形をとる。



で。


それを一度白紙に、
最初から最後まで書いてみる。


それがストーリーの、最初の形である。


シノプシスとかメモとか、
プロットとか、言い方は色々ある。

ここから、
三幕構成理論を使って、
三幕に割り、
各分量を計算して形を整えていき、
文章として書いたものが、
僕のお勧めするプロット形式だ。

まだそこに至らなくていい。

あなたがそのメモを見ながら、
誰かに説明できるくらいでよい。



ここまでを、一日でやりたまえ。

集中力が持つのは1時間程度だから、
何ラウンドかに分けてもよい。
纏めるのが苦しいなら、別のネタででもやってみたまえ。


そして明日、別のネタでストーリーを作りたまえ。

最低三本。出来れば10本。


それぐらいやると、
なんか面白そうなストーリーが、
集積される。

何本かプロットに出来るだろう。


し終えたら、
また新たなネタ探しだ。


これを繰り返していくうちに、
面白いストーリーのストックがたまってゆく。




あるいは。

名作を見たとしよう。
それはこの三要素をどうやって作って行ったのか、
ゼロからシミュレーションしてみるのだ。

最初に何を思いついたらこれが出来るのか、
このやり方に馴染んでいれば、
ある程度は再現できるはずである。



コツは、
頭の中を主舞台にし、
メモはあまり見ないこと。
メモは備忘録のレベルで良い。

だからレイアウトフリーで誤字脱字関係ない、
手書きがよい。
タイピングはプロット段階まで使わないこと。
タイピングはこの段階では発想の邪魔をする。
漢字変換に気を取られているうちに、頭の中の舞台は消えて行く。


あなたの頭の中で、
「頭からケツまで出来た時」が、
「ストーリーが出来た時」だ。
posted by おおおかとしひこ at 12:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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