2018年07月08日

脚本、小説原稿の書き方スタイル

今のところ確立されたスタイルのメモ。

参考までに。


○構想…手書き、カード法かボード法
○プロット…タイピング
○第一稿…手書き
○清書…タブレットPCと良いキーボード
○推敲…紙焼きに手で書き込む
○最終納品…ワードにて


以下、細かく。

○構想、プロット…手書き、カード法かボード法

白紙法という、僕が提唱するやり方。
必ずA4白紙スタートにする。
アイデアメモを沢山するが、
次の日になったら、また別の白紙から始める。

これは、アイデアを常にリフレッシュして、
「忘れる」為にある。

何かを忘れると、何かを一から作ったりして、
最初のパターンからは思いもつかない成長をする。
人は寝たら忘れる。
そのランダムノイズで、作品の構想を揺らす。

時々前のを見返すと、こんなこと考えてたんだ、
と発見があり、
それらを組み込むことでより強力になったりする。

構想は、様々なことを別々の方向に考えるほうがいい。
それに、白紙は都合が良い。

カードにワンシーンないしひとかたまりを書いて、
並べたり取捨選択したり入れ替えたり、
それをボード(「Save the catの法則」に詳しい。
4段×10枚で表現)にして、
俯瞰したりする方法も良く使う。


でも一番使うのは、
A4白紙に全部を入れ込んで全体を見れるようにしたメモだ。


短編なら数枚、長編なら50枚とか100枚とか、
メモを手書きで書くことが多い。

手書きで白紙なのは、レイアウトフリーだからだ。
この一点において、デジタルは使い物にならない。

(検索性でいうと、自分の書いたメモだから意外といける。
書き終えてしまった作品のメモは、検索出来なくなるが、
そもそも必要なくなるのでどうでも良い)

また、デジタルのモビリティはアナログのモビリティに勝てない。

資料はデジタルで探すことが多い。
スマホに写真メモとして残すことが多いが、
印刷して一覧できるようにすることもある。




○プロット…タイピング

一方、プロットをきっちりまとめるときは、
タイピングでやることが多い。
「頭から尻まできちんとできたもの」の体をしているからかもだ。

印刷して書き込み、ふたたびタイピングし直すなど、
本編と同じ環境でやることが多い。

また最近は、
「とにかくアイデアを全部ぶっこんだ、
全部入りプロット」というのを書くことにしている。
「プロットに省略を加えない」というスタイル。

他人に見せるプロットは、
「全体像をわかりやすくダイジェストで提示する」ように書くが、
自分用のプロットは、
「それらのアイデアが矛盾なく首尾一貫したものになっているか、
足りないのは何か」
をあぶり出す為に書く。
数千字からときに一万字越えになることも。


○第一稿…手書き

A4白紙(セブンイレブンの「いつもの普通紙」)に、
青のボールペン(ぺんてるハイブリッド中性)で、
ひたすら書く。
縦書き。

一枚に僕の字だと大体800字くらいのようなので、
枚数で概ねの文字数が分かる。

自分の中から出てきた言葉は、
漢字変換行為の不要な手書きが一番。
誰にも見せない続け字なので速い。
(大岡文書として研究者が必要なレベル)

何をひらがなにしてなにを漢字にするか、
表記法すら表現であるから、
ここはデジタルには任せられない。
ライブ変換なんてクソだ。コントロールに手間がかかりすぎる。

一日3000字ペースなら、一ヶ月毎日書けることは分かっている。


○清書…タブレットPCと良いキーボード

マシン…サーフェス3を、縦置きにする
エディタ…iText、縦書き
配列…薙刀式、エミュレータDvorakJ
キーボード…NiZ Plum 75

このへんは薙刀式記事に詳しい。
薙刀式を使う為にはDvorakJが必要で、
その為にはWindowsが必要だ。
サーフェスは、持ち運びWindowsでは最強。

ノートパソコンにしない理由は、
モニタを縦置きにする為(縦書きと相性が良い。フォントを大きく出来る)と、
良いキーボードを別で使う為。

NiZ Plum 75は、世界最高峰の、
キー荷重が柔らかくて軽いキーボードのひとつ。
万年筆かこれなら、スラスラと書けるだろう。

ポメラ? あんなクソキーボードとqwerty使ってまともな長文書けるかよ。


iTextは、僕の知る限り最速のエディタである。
Windowsの標準、メモ帳より軽く、
かつ縦書きが可能だ。

文字の表示速度こそがエディタに最も重視される。
1フレームも遅れたくない。
遅いと強くキーを叩いてしまい、指が疲れる。
万年筆と同じで、触るだけで書いていきたい。

メリーもタテエディタもいいエディタだけど、
原稿を書くためだけには遅くてイライラする。

フォントは昔はモリサワのリュウミンだったが、
游明朝が最近はお気に入り。游明朝Lもいい。



○推敲…紙焼きに手で書き込む

推敲は画面でやるべきでない。
何故か主観的になってしまう。
客観的になるには、フレームの外に実空間があることが、
必要なのではないだろうか。

推敲の前に白紙法に戻ることもよくある。
批評をざーっと書き出した上で、
「じゃ理想のはどうあるべきか」を考え、
そこに至る為のアイデア出しを、
一からやり直すこともある。

書き込むのは、第一稿と同じ青のボールペンが多い。

大体納得がいったら、
ファイルをコピーしてナンバリング、
タイピングで直していく。

これを2回から数十回。



○最終納品…ワードにて

ワードはいいエディタとは思えない。
印刷整形ソフトと考えれば、まあ許せる。
だからこれまで書いてきた原稿を、
全選択→コピー→形式を選択してペーストで、
一気にワードにコピペして仕上げる。

タブレットではワードは重いことが多い。

pdf納品でよければ、
タテエディタもなかなかいい。
先日の長編小説では、初のタテエディタ仕上げをやった。




ということで、
アナログとデジタルを行き来しながら、
いいところを組み合わせている感じだ。
参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 00:37| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。