親指シフトの最も有名な人の一人、
勝間さんが「分速200字」とツイートして、
ちょっとざわついた。
ほんとか?
いや、彼女が嘘をついているとは思えない。
その数え方に齟齬があるような気がするから、
眉に唾をつけて考えてみよう。
分速○字と出せる方法には、
大きく二種類ある。
ひとつはタイピングソフトによる計測で、
もうひとつは、
自分で書いた文字数を計測、時計を見ておいて、
分数で割る方法である。
以下のような論点があると思う。
・単語のランダムな並びか/文章か
・純粋なカナ数か/変換後の文字数か
・コピー打鍵か/創作打鍵か
・有効数字は何桁か
・計測時間はどれくらいか
議論してみよう。
・単語のランダムな並びか/文章か
僕がタイピングソフトは目安に過ぎないと思っている根拠は、
タイピングソフトの多くは単語単位になっていることである。
書くこととは文章化することであるから、
タイピングソフトには出にくい、
助詞、助動詞、副詞、形容詞、活用形、
記号(句読点、カッコ、疑問符感嘆符などなど)を多用することになる。
タイピングソフトの性質上、
条件を揃えての計測ということを考えると、
名詞が中心になりがちになってしまう。
文章というものには流れがある。
ブロックで意味をなす。
飛鳥のRayさんも言っていたが、
文末は倍速打鍵になる。
それは、ブロックを一意に決めるところは明瞭に発音し、
文法上ついているがあまり重要でない部分は、
明瞭に発音されない、ということを打鍵で示したものだ。
滑舌の悪い人は、この明瞭に発音されない部分が多い。
逆にアナウンサー、ナレーター、声優などは、
これらを明瞭に発音する訓練をしている。
アナウンサーが芝居ができないのは、逆にこの理由だ。
人のリアルな発音には明瞭と不明瞭があり、
全てを明瞭に発音するのは逆に不自然になる。
不明瞭に発音する部分は、
意味的に重要でない部分で、
それは「文字を見なくても予測できる部分」だ。
ここは打鍵が加速する。
単語のランダムな並びと違い、
文章には流れがあり、それを予測しながら打つ。
予測できる部分の打鍵は速いため、
ランダムな単語の並びより速い。
逆にいうと、ランダムな単語の並びにするのは、
その部分の影響を0にするためだろう。
しかしそれは現実では、
基地外の言葉の連呼と同様、
あまり意味をなさないと思う。
タイピング条件の標準化でしかない。
勝間氏が分速200と言うのはどちらのパターンなのか、
明らかにされていないので分からない。
(僕は、彼女の計測は、
「自分で書いた文章の文字数を時計で割る」
ではないかと予測している。
経験的に、文章の方が速く打てる)
・純粋なカナ数か/変換後の文字数か
ずいぶんこれで数字が変わってしまう。
純粋なカナ数であれば、
これは親指シフトの標準的な実践速度、
「指が喋る」速度=分速180〜240カナの下の方、
ということになってしまう。
変換後の文字数とすれば、かなりの速度だ。
漢字含有率を30%程度と見積もり、
一漢字あたり2.5カナと見積もったとしても、
100カナは69文字で、
100字は145カナになる。
これらを同じ速度で評価することは出来ないので、
カナ数(たいていはタイピングソフトの計測)か、
変換後の文字数(自作文章の計測)かは、
大きく変わってくる。
もし変換後でかつ自作文章だとしたら、
200は相当速書きだと思うので、
是非動画で見たいものだ。
(僕の限界が大体150字/分)
・コピー打鍵か/創作打鍵か
他人の文章のコピーの方が速いという人もいるし、
僕みたいに自分の文章の方が速いという人もいる。
また、創作打鍵の場合、
簡単な文章なのか、難しい文章かで速度は大きく変わる。
僕の例で言えば、日記なら150、ブログの論説文なら100を割る。
どの程度の文章を200で書くのか、
これまた動画を見てみたい。
文章を打つタイプのタイピングソフトでは、
初見か練習しきったかどうかでもだいぶ違う。
僕は初見では95字程度が限界だが、
これが200だとしたらたいしたもんだよ。
これまた動画を見てみたい。
・有効数字は何桁か
1桁なら、150〜249まで振り幅があり、
指が喋る速度: 150カナ〜240カナ
僕の文章: 150字〜95字
程度に、ちょうどこの微妙な振り幅に入ってしまっている。
有効数字2桁なら正確なのだが、
「音声入力は300で親指シフトは200」という見積もりは有効数字1桁を思わせる。
・計測時間はどれくらいか
タイピングソフトなら1分かそこら。
試しに書いてみて測るなら5分ぐらい。
なんか軽く書く文章なら15〜30分。
ちゃんとしたことを書くなら小一時間。
計測時間の長さに応じて、
速度は下がって行くものだ。
小一時間で200字ペースなら相当な速書きで、
それなら是非動画を見てみたい。
つまり僕は、相当にほんとかよ?
と、疑ってかかっている。
さらにいうと、
タイピングソフトの結果
(短時間の、コピー打鍵の、カナ換算)を、
創作文の結果
(長時間の、考える時間も込みの、変換後文字数)と、
混同しているのではないか、
あるいは、
ちょっと試しに書いてみた数分のペースと、
長時間書いてみたペースを、
混同しているのではないか、
と、
疑っている。
これは動画で示す以外に、
証明の方法がない。
勿論、
勝間氏が頭の回転が早く、
指が相当に器用で(ピアノ経験者だそうな)、
かつタフで長時間打てる人、
かも知れないので、
それは見てみるまで分からない。
僕は、それが本当なら是非見たいのだ。
親指シフトの真実をね。
僕が薙刀式動画を公開したのは、
これ以上に長文をひたすら書ける配列はねえだろ、
という挑戦のつもりもある。
もし親指シフトがそれを超えるのなら、
敗北を認めて寝返りたいぐらいだ。
薙刀式は苦労して作ったけど、
それよりも親指シフトが200出せるというなら、
それを見てみたいし習得したい。
で、それがほんとうならば、
どういう理屈によるのか、知りたいのである。
ネットで知れる情報では、
分速○字は出てくるが、
それはタイピングソフトレベルであって、
実用創作文のものでないことが多い。
その計測の仕方も、たとえば8時間かけた文章を、
というものではなくて、
よく分からないのだ。
(ちなみに薙刀式では、
9万字の手書き自作小説をコピー打鍵するのに、
分速65字のペースだった。ざっくり23時間かかるわけだ)
たとえば、
タイプウェルと思われる最速っぽい動画には、
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm3967640
があり、
カナ部分はこのペースで打たないと、
変換確定分がある、変換込みの創作文は200は出ないと思うんだよね。
それでも出るというなら、
これはかなり見てみたいのである。
別に勝間氏でなくてもよいので、
僕、土日で国内なら自腹で撮影しに行きますよ。
編集して、失敗したところはカットして、
薙刀式動画ぐらいには、
クオリティ確保して作ってアップまでやりますよ、
親指シフト動画。
お代はいただきません。
砂被り席さえいただければ。
親指シフトに関しては疑問に思っている部分がたくさんあり、
速い人に質問したいことが山ほどあるので。
僕は日本語を書く最適な方法を探している。
それだけが動機だ。
ここまでやるぐらいに、
僕のモチベーションは高く、
qwertyローマ字と安物キーボードは辛い。
仕方なく使うのではなく、
使うのが楽しくてしょうがない道具が欲しい。
たとえば画材や習字の道具のようなものがだ。
(紙とペンはそれに相応しい。
薙刀式とNiZでようやくその7割になった)
200が最高か平均かで印象が変わってきますが、それにしても親指シフトの話題の中では速いなって思いました。
いずれにしても興味深いですね。
ああ、平均と最高の論点もありましたね。
ワード運でタイムが変わって、ESC出来るようなので、
果たして正確に測定できてるのかということもありますね。
しかしほんとかなあ。
まじで機材持ってって30分ぐらいノーカットで撮影したいところ…
かつて親指シフトの専門オペレータしてた人とか、
どこかにいないかなあ…。
僕は17年の10月の頃から、
qwertyの合理性の無さをキッカケに配列に興味を持ち、
このブログの存在を知りました。
僕も現在、配列を作っています。
僕が求める配列の条件は、
同じ指を連続で使わず、途切れなく入力出来る。
小指を使う必要がない。
指の移動幅が小さい等、打ち間違いが起こりにくい。
速さと楽さの両立。
です。
(一番は音声入力だと思うんですけど、今の段階では実用的ではないですし…)
実際に色んなのを使ったりしましたが、
どれも理想の配列とは思えなくて、
自分で配列を作ることにしました。
それでも大岡さんの配列に対する考えは定期的に見ています。
色んな視点で速さについて考え、打鍵動画や、文字入力への思いなど、
人間を感じられる人は滅多にないので。
配列の作成って大変ですよね。
僕も毎日のように考えているんですけど、中々改良案が思いつかず、納得に至らない。
僕が今作っている配列は、
片手でも打てるけど、両手をならもっと早い
という、左右対称を土台にした配列です。
基本2打で1文字ですが、
交互入力なら、所々1打1文字です。
片手でも入力したい時が頻繁にあるので、
この特徴にしたのですが、
速さを諦めきれなくて、まだまだ改良されていく薙刀式に変えるか、
薙刀式が誕生した時からずっと迷っていました。
でも今日の この話を聞いて、
やっとどちらにするか決められました。
なんだか薙刀式に対抗したくなったんです。
なので 今の、
片手でも打てるけど、両手をならもっと早い
という特徴のまま、
自分の中では一番の配列だと、
心から確信出来るような配列を、工夫しきって作り上げます。
(大岡さんに「スゲー!」と言わせられるのを想像しながら)
すみません、9ヶ月前から大岡さんに関わるのを我慢していたので、
反動で自分語りの長文になってしまいました。
これからも、ちょくちょく見に来ます。
2年ほど前に親指シフト系配列のかえであすか配列を用いてタイプウェルを10回通しで打った動画を撮影しておりましたのでご提供させていただきたく思います。
URLは以下になります。
https://www.youtube.com/watch?v=tj6XkS-neyw
(かえであすか配列を真面目に練習していたのは動画撮影日のさらに2年前で、当時はもう少し上手でした)
親指シフト系配列は学習コストが高く(自分は最低限打てるようになるまでに1ヵ月半掛かりました)、速度を伸ばすのも難しい印象ですが、ミスなく長時間打つという実用目的においては非常に使いやすい配列であると感じていました。
何か参考になる点があれば幸いです。
この長文もその配列で書かれたのでしょうか。
そっちの方が気になる…。
左右対称は僕も考えたのですが、
そもそもキーボードが左右対称になっていないので、
早々に諦めたので、どういう解があるのか楽しみです。
エルゴ系やμトロンや格子配列を最初に手に入れていたら、
そっちにいったかもなあ。
テンキー二つ、というのも考えたのですが、
キー荷重の軽いのがなく諦めました。
格子配列キーボードをを自作してみようか、まだ悩んでたり。
(はんだ付けの経験がないので…)
薙刀式はもう大きく変わることはないと予測しています。
変わるとしたら骨格や原理ごと変わることになるでしょう。
配列というのは、
言葉と指の関係をどう考えてるのか、
ということに帰着するんだなあ、
などと考えています。
発表できる段階になったらお知らせください。見に行きます。
動画は見たことありました。タイプ音も聞きたかった…
40秒の世界はこうなってるのか、目や頭でついてくことは出来るから、
あとは指だなあなんて思ってた記憶があります。
で、実用にいいと噂の飛鳥系列の、実用入力動画を是非所望したい…!30分ぐらいダラダラ打ってるやつをノー編集で是非!
ちなみに質問ですが、
タイプウェルのときと同様なタイプ音のペースで実用入力するものでしょうか。それとももっと遅いのかしら。
さらにちなみに。
飛鳥系の方々は自分たちのことを親指シフトの一部だとおっしゃる傾向がありますよね。
僕がずっと眉唾な親指シフトは、ニコラのことです。
通称(俗称?)親指シフトはオアシスの配列だと認識していて、
飛鳥や蜂蜜小梅やトロンや翡翠や沙羅などは、
親指シフト機構を用いた、独自配列親指系という認識です。
飛鳥の合理性はだいぶ理解してるつもりですが、
親指シフト=ニコラは全然大したことないと思っております。
…勝間さんの言う親指シフトは、
まさかニコラじゃないの?(ニコラだよね?)
かえであすか配列はあの動画を撮影して以降ほとんど使っていないので、今すぐに動画を撮るのは難しい状況です。
今後もし撮影する機会があれば改めてご連絡差し上げたいと思います。
質問の答えですが、さすがにタイプウェルの速度には劣りますが、それでも実用としては十分な速度を出せていた記憶があります(おおよそタイプウェルの80〜90%程度の速度で打っていたと思います)。
親指系配列は入力ミスをしにくいと感じており、そのおかげで実用入力の際にも速く打てていた、という印象です。
飛鳥の潜在能力は凄いと思っていて、
僕は使いこなせずに脱落したので、
飛鳥の速い実用入力にはとても興味があります。
出来ればタイプ音収録希望です。小さくてもある方がいい。
上からの動画だと指の動きがわかる反面、
打鍵の瞬間が見えづらい欠点があり、音で判断できるので。
あとカメラ回ってると凄い緊張するので、
カメラ慣れすることをお勧めします。
「誰かに見られてる」と思った瞬間こわばってしまう。
「自分の運指チェック用」くらいのつもりで撮らないと、
とくに自分の思うことを書く創作打鍵では指が自由に動かない。
自分の動画でも、いつもの速度は出ませんでしたね…。
なので日や時間を開けて何回か撮るのも良いかも知れませんです。
(自宅デスクにミニスタジオ作ろうかなと思ってるくらい…)
「入力ミスをしにくい」というのは新しい観点ですね。
自分は必ず間違うのを前提にしてるので。
飛鳥の連続シフトはミスをしにくい構造だと思っていますが、
左右にシフトが行ったり来たりするときが苦手で、
そこらへんも見てみたいんです。
三日前、夜のテンションを制御出来ず、ご迷惑をおかけした者です。
反省して、時間を空けて確認するようになりました。
あの文章は、その配列で書いたのですが、
時間は計測していません。
というのも、
今はあまり文字の入力をしていなく、
3ヶ月前に修正した箇所を、
未だに癖の修正が出来ていないほどです。
キーボードが左右対称でない問題は、
AutoHotkeyを使用して、
エンターや、BS、カーソル、数字キーなどは、
変換キーとの同時押しで割り当てて、エルゴキーボードのような配列にしています。
話は変わるのですが、
大岡さんの、
ある ない する のアルペジオの話を聞いて、
配列の位置を変えたり、
薙刀式の、しゅうちゅうりょく を打つ速さを羨ましく思い、
12打のアルペジオで打てるようにし、
すべての言葉の後に ん が繋がる
という話で、
一番初めに1打で打てるようにしたのが ん です。
それから1打の快適さに魅了され、数を増やし、
3日前には、綺麗な配列を諦めて、
ファンクションキーにも割り当てることにしました。
”配列というのは、
言葉と指の関係をどう考えてるのか”
という返事を頂かなければ、
押しやすいキーから順番に、
頻度の高い文字を、ちょこっと工夫して割り当てただけになるところでした。
今は、
の は と か が を に も で
の配置を考えたり、
よ
な う
いまだに
ですが
もし
↑このように、縦横に言葉を並べたりして、
文字の相性を模索しています。
大岡さんの影響を沢山受けました。
僕も何か役に立てるといいんですけど、
既に左右対称の配列を考えたことから、
僕が思いついくことは、全部採用しなかっただけだと思いますし、
知識を利用しているだけで、なんだか申し訳ないです。
左右対称の基本2打1文字にしたのは、もう一つ理由があり、
日本語の性質の知識が無いのに かな配列を作っても、
他の方々の劣化にしかならないと思ったからです。
でも、
大岡さんのおかげで、自分の配列に自信が持てそうです。
本当にありがとうございます。
なかなか意欲的な感じがしておもしろそう。
ファンクションキーまで使うとは、Q段がホーム段になる、5段配列ということですかね。5X10=50使えるのはすごいことになりそう。
QA段のズレが1/2だったら六方最密構造になるのになあ、と眺めていたりします。
(たしかLogicoolにそういうキーボードがあったような)
シフトをなるべく使わない単打系なんでしょうね。
そんだけ広い範囲だったら、「使わないキー」を置けたりして。
あと僕はどうしても反射神経が鈍いので、「みっつ」までしか一つの指に覚えられないんですよね。
バーチャやってたときはGPKのボタンのときまでで、もう一個ボタンが増えたときにやめました。
薙刀式の狭い範囲の根拠は、そのへんだったり。
JISカナ打てる人は曲芸師にみえます。
完成の際にはぜひ動画を。どうなっているのかとても興味があります。