シーンはどうやって終わるのだろうか?
引き(ロングショット、ワイドショット)か?
寄り(クローズアップ、タイトショット)か?
脚本家が厳密にカット割りまで考える必要はないが、
その意味を考えることは必要だ。
さらに次のシーンとの順列組み合わせでいえば、
引きで終わり、引きで始まる
引きで終わり、寄りで始まる
寄りで終わり、引きで始まる
寄りで終わり、寄りで始まる
の4パターンがある。
そもそも終わり方は引き寄りどっちだ?
引きで終わると、一旦休止だろう。
寄りで終わると、次へ焦点を移しやすい。
寄りから始めるとインアクションから始められる。
(すでに何かが起こっていて、
いきなりその渦中に観客を巻き込む。
たとえば銃で撃たれて死ぬ人から始めて、
引くと戦争中である、とか)
引きから始めると、ゆっくりとセットアップから始めることになる。
これから起こることを慎重に、
周囲から丁寧に描くやり方だ。
引きで終わり、引きで始まる:
一旦話は終わって、次の話もゆっくり始まる。
ブロックとブロックの切れ目かもしれない。
テンポは一番遅い。
引きで終わり、寄りで始まる:
ゆっくり終わって、余韻を引きずらないうちに、
いきなり何かに巻き込む。
テンポアップに使われる。
寄りで終わり、引きで始まる:
謎や何かを強烈に残し、
その焦点を維持したまま、じっくりとスタートする。
これから何が起こるかワクワクさせながら引っ張れる。
寄りで終わり、寄りで始まる:
ハイテンポの維持。
同じものの寄りで繋ぐと、
そこに因果関係を暗示できる。
(あの子はどうしてるだろう、という顔で終わり、
彼はどうしてるだろう、と心配するその子から始めると、
両思いを暗示できる。
鍵で終わって扉から始めると、
その扉の鍵であることを暗示できる。
モンタージュ効果だ)
つまりは、
何でも終わるか考えることは、
次をどう始めるかを考えることだ。
次をどう始めるかも考えてないのに、
つまりは流れも考えてないのに、
寄りだの引きだの決められないのだ。
もしとりあえずシーン終わりまで書いて、
次が全く出てこないなら、
次を考えずに終わらせてしまったのだと言える。
次が出来てから、今のシーンを終えるべきで、
そのつなぎを考えずに、
シーンの終わりは決められない。
なぜなら、シーンの終わりは次のシーンへの前振りだからである。
2018年07月14日
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