2018年07月17日

セリフで話を進行する

これが出来れば7割方脚本は書けたようなものだ。
たとえへっぽこなセリフでもだ。
なぜならへっぽこ部をあとで直せばいいからだ。

そもそもセリフで話を進行出来ていない脚本なんて、
脚本の体をなしてすらいない。


セリフでの進行とは、以下の3つが出来れば合格だ。

1. 状況の把握
2. それに対する気持ちや判断を確認する
3. 決断する

たったこれだけ最低限出来れば良い。


「どういうことだ?」
「○○が○○なんだ」
「俺は△△と聞いたぞ」
「では××なんじゃないか」
「どうやらそれっぽいな」
「どうする?」
「俺は○○すべきだと思う」
「それは辛い。俺は△△したかった」
「では××はどうだ?」
「乗った」
「よし、じゃあ○時に△にて」
「それまでに準備しておくよ」
「派手にいっちょやってやろう」

つまりはこういうことだ。
これだけ出来れば、
ストーリーは進む。

あとはすべてこの変形である。


状況を見た目で一発でわかるようにしてセリフを省略しても良いし、
気持ちを隠してもいいし、
決断を確認せず事後確認でもいい。

何かを省略することでスピード感を増したり、
謎を増やすことが出来る。
(「一体どういうつもりだ?」は、
たいてい事後だ)

そんな変形はあとでやればいい。
それはテクニックに属する部分で、
根本的な部分ではない。

テクニックに酔う
(名セリフを書こうとする、リアリティあるセリフを書こうとする)
あまり、
そもそものストーリー進行が出来ていないのは、
ガワしかなくて中身のない脚本だ。



1. 状況の把握

常に危険があること。
危険がなければ人は行動しない。
よほどの果実があっても、
「今取らなくていいだろ」と思えば何もしない。
腹が減って死ぬとか、
不味いものばかりで狂いそうとか、
誰か他の人に取られるからとか、
すぐ腐るとか、
さまざまな理由で人は行動に駆り立てられる。

「今すぐ動かないと死ぬから」は、
映画でもっとも良くある行動の理由だ。

そのような、
行動しなければならない危険を創造することが、
映画を作るということだ。

これは大状況(センタークエスチョン)だけでなく、
小状況(シーンの単位)でも用意しておくと、
目の前と最終目的の二つを設定でき、
「いまどのへんか」を把握しやすい。

シチュエーションは無限にある。
口を開いた恐竜が走ってくる単純なものからら
デスノートの心理戦のような複雑なものまで。

全員が全情報を知っている場合もあれば、
限定されている場合もある。


2. それに対する気持ちや判断を確認する

これは感情移入を増幅する。
「そんなことでそんなこと思ったり言ったりするかな?」
とズレていると、人は違和感を持ち、
登場人物との一体化から離れていく。

しかしその状況で、
しかもそういう事情を抱えて、
そう思うならば当然だ、
と思うと、その人物に共感を覚える。

そして観客ふくめて誰もが逃げ出したいような状況でも、
勝算が少しでもあり、勇気ある行動に出る人物を、
「そうだ!やれ!」と応援する。


3. 決断する

決断にはリスクがあるべきだ。

それが最高の答えかどうかわからないまま、
しかし最善手であることが重要で、
「果たして成功するのか?」
というハラハラが生まれる。

「ああハイハイそういうことね、
どうせこうなるんだろ?」じゃつまらない。
「読めねえー!」が正解。

(勿論、それに対する妥当な結果がないと、
ただのハッタリだとあとでバレるのだが)



あとは、
行動と結果を示す。

そしてループする。
すべての登場人物に関して、
すべての決着がついたらおしまい。
(同時にすべての決着が一発でつくのが理想形)


映画に一人の場面がないのは、
複数の人物に話し合わせるためだ。

表向きは登場人物同士は登場人物同士で情報交換している場面なのに、
それが観客に対してはストーリー進行をしている、
という二重性が、
映画(と演劇)のセリフの特徴だ。

リアリティなんて二の次。
まずはストーリーを進めること。
これが最低限できているべきこと。

最低限これらができれば、
ストーリーが滞ることはないだろう。

ダサいけれど進行しよう。
かっこはついてるが止まってしまうより、
100万倍良い。

進行して最後までたどり着きさえすれば、
あとでカッコをつけられるからだ。
最後まで書けないのは0だ。


ということで、
そもそもストーリーになっていない人は、
これを最低限出来るようになれ。

あとでテクニックを学べば良い。
荒削りだがとにかく走って最後までいけ。


逆に、どうしてもうまく書けなかったら、
とりあえずこういうダサい形でもいいから書いて、
ストーリーを進行させるのだ。

少なくとも、
書けずに今日が終わったということはなくなる。

下手でも前へ進め。
エンディングまで行ったやつが勝者で、
本当の勝負はそこがスタートだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:10| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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