2018年07月19日

【薙刀式】配列習得にあるいくつかの壁

こういうことがあるんだな、
という経験則の羅列。


・全部覚える壁
・一行書く壁
・50カナ/分の壁(ヨチヨチ歩き)
・100カナ/分の壁(まあまあの速度)
・ローマ字入力と同等の壁


そもそも配列を変えようなんてことを考える人は、
現状のqwertyローマ字に不満を覚えているからだ。

そして一念発起して、
親指シフトや月配列や飛鳥配列や新下駄配列や、
薙刀式などをやってみようと考える。

大体5つの壁があって、
それらを突破するとマスターになれる。


自分がどうやってqwertyローマ字をマスターしたかは、
もう大体覚えていないだろう。

ブラインドタッチが打てない人は、
配列習得はブラインドタッチがデフォルトになるので
(配列のシールを自作して貼れば別だが、
そもそも効率を上げるんだから、ブラインドタッチは必要だ)、
ブラインドタッチをも初マスターしなければならない。


なので、
大体次の5つの壁があることを、
事前に覚悟しておこう。


なお、自分のローマ字の速度を、
挑戦前にタイプウェルなどで測定しておくことをお勧めする。
分速○字というのは以下ずっと使う指標なので。

(タイプウェル国語Rだと、400アルファベット出題のタイムアタックになる。
1カナあたりローマ字は平均1.7打鍵かかるので、
タイプウェルのタイムをX秒とすれば、
(400/X)/1.7*60=14000/Xで概ね分速○カナが算出可能)




・全部覚える壁

さあ、実は最初の壁が一番高い。

配列表を印刷して、モニタの横にもトイレにも風呂にも貼ろう。
電車に乗ってるときに頭の中で思い出したりしよう。
こればかりはガチ暗記だ。

でも実際はコツがある。

合理的に作られた配列ほど、
中段に最もよく使う字があり、
たいていは使用率50%を超える。

つまり10キーに割り当てられている、
10文字から30文字(配列によって異なる)を覚えれば壁は半分だ。
その次は上段、下段の順に使うことが多い。

またマイナーな音は、今全部覚えなくて良い。

半濁音のパピプペポ、小書きのぁぃぅぇぉゎ、
静音のぬ、濁音のぢ、などはあとまわしでいい。
静音の、さ、み、ろ、そ、へ、ね、む、ひ
あたりもマイナーなので、あやふやで構わない。


さらに一番のコツは、
暗記せずに指で覚えることだ。
なぜなから、配列表を経由せずに指が打つのが最終目的だからだ。

さらにコツは、「覚えたキーだけで言葉をつくる」こと。
薙刀式なら中段の10キーは、
あ、い、う、か、と、け、の、ま、も、に、つ、み、ー、や、ろ、せ、
く、わ、っ、ち
の20音なので、
「愛」「会う」「イカ」「うかうか」「意図」「時計」「とか」「あのう」
など、指で言葉をどんどん作って指に覚えさせていく。

その指の記憶の整理のために配列表を活用するイメージ。


こうしてまず最初の壁を越えよう。
全部を律儀に覚えなくても、
どんどん次に行けるので、段階的に越える必要はない。



・一行書く壁

単語を自由に作れるようになって、初めて自分の思いを書こう。

「最初から文章を書こうと思って、
配列表から目で探し当て一文字一文字打っていく」のは効率が悪い。

ある程度単語を指が覚えてからの方が、
「打てる言葉は指で打ち、打てない部分をカンペ見ながら打つ」
方が効率が良いからだ。
(1/50を探す効率の悪さよ!)

一行書くのに5分や10分かかるのは当たり前なので、
その苦しさは経験しよう。

実は前の段階で「指で単語を作る経験」があると、
この壁を越えることはたやすい。

なお、「あ〜んを順番に打つ」のは効率が悪い。
お前は人生で一度でも「あ〜ん」を自分の意思で言ったのか?
自分の言葉を書けるようにするのが最優先だ。
(未定着の音の漏れをチェックする学習中期には、
網羅探索法は使えるよ)


この辺までが苦しい。
あとはやればやるほど楽になっていく。
自転車にたとえると、初めて転ばずに乗れたときだ。

転びまくるしか、自転車に乗れる方法はないよね?
転んで反省して、の繰り返しを貯め続けよう。
いつかふっと行ける時が来る。



・50字/分の壁(ヨチヨチ歩き)

多少は配列表を見ながらも、
打てないことはないという時期。

おそらく、「しばらく配列表を見てないな」
と気づいたとき、この壁を無意識に超えている。

期間は人によるけれど、
配列習得に慣れた経験者は3日、
一度もやったことがなくブラインドタッチも初めてなら、
数週間や一ヶ月を見た方が良い。


この時期はまだ元のローマ字と併用している段階だろう。

切り替えに頭を使い、指が混乱し始めているはずだ。
しかしそれは過渡期の現象で、
時が解決してくれることは経験者なら全員知っている。
二か国語話者の混乱時期と似ている。



・100字/分の壁(まあまあの速度)

あとはいつ全面的に新配列に切り替えるかだけのことだ。
この前後で以前の配列を捨てて、触らなくなることだろう。

打てば打つだけ伸びていく。
それは、「文字と文字の連接」を指が覚え始めるからだ。

ブラインドタッチとは、単文字の記憶ではなく、
「単語と指の一連の動き」を覚えることだということが分かってくる。

このへんになると、もうローマ字が億劫になるかもしれない。
それでよい。さらに次の壁を超えると、ローマ字も安定する。



・ローマ字入力と同等の壁

速い人で数ヶ月、遅くても半年くらいでここにたどり着けるだろう。
もしあなたがqwertyローマ字が相当速くて、
長年やっていて、一度も配列を変えてないなら、
もっとかかるかもしれない。体の癖の話だからね。


しかしこのころにはもう元の配列に戻る気がしていないはずだ。
反射神経に馴染み、
思うことを書いて行けるだろう。

この時にようやく、○○配列とはどういうことか、
自分の言葉で言えるかもしれない。





以下、余裕があれば。



・普及の壁

あとは誰かに普及しよう。

qwertyローマ字はPC初心者には負担がなくてよいけれど、
全く合理的とは思えない。
たくさん文字を打ち、そのように考えている人を見たら、
やさしく誘導してあげよう。

配列変更は自由だから、断る権利も、知らずに生きていく権利もあることを承知しよう。

今までの苦しさを誰かに強要する権利はあなたにはないが、
歓びを伝えることは社会を幸福にする。


言葉で伝えることが困難な世界なので、
百聞は一見にしかずで動画を公開するという手が21世紀的だ。

言葉は嘘をつけるが、動画で嘘をつくことは難しい。
トリックなしで普通に撮れば示せるだろう。


あなたが○○配列で普段サクサク打っている様を、
たとえば10分写しっぱなしの動画を撮ると、
「マスターするとこういう感じ」が伝わりやすい動画になる。
1分じゃ短い。実用打鍵は1分勝負ではないからだ。

あなたが配列変更前に、欲しかった動画をつくるべきだ。


手元と画面が同時に入るのがベスト。
カメラはアイフォンで十分。

(ちなみに薙刀式打鍵動画はアイフォンで撮影されている。
編集はプロの機材だが)
posted by おおおかとしひこ at 14:31| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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